【6073】アサンテ(東証1部) ---
現在値 2,189円/100株 PER16.9 PBR2.17 3月配当優待 9月配当優待
住宅用白アリ防除のトップ。東北、関東から京都まで営業網。JAと提携。
配当は3月末・9月末の年2回・合計54円配当のため、配当利回りは2.47%となります。
アサンテは株主優待制度を導入しており、3月末・9月末時点の単元以上保有株主に対し、
三菱UFJニコスのギフトカード1,000円分を年2回進呈しておりますので、配当優待利回り
は約3.38%となります。
業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 126億円、営業利益 22.9億円、EPS 115.2円
■2016年3月期 売上高 132億円、営業利益 23.3億円、EPS 120.4円
■2017年3月期 売上高 138億円、営業利益 16.8億円、EPS 102.6円
■2018年3月期 売上高 139億円、営業利益 21.3億円、EPS 114.3円
■2019年3月期 売上高 145億円、営業利益 23.8億円、EPS 129.2円 ce
□2018年9月2Q 売上高 80.1億円、営業利益 16.5億円、EPS 90.9円
□2018年12月3Q 売上高 113億円、営業利益 21.2億円、EPS 115.6円(2/5)
2018年9月中間期の売上高は前年同期比2.5%増の80.1億円、営業利益は同6.5%増の
16.5億円となり、売上高・利益ともに期初予算を少し下回ったものの増収増益を確保し
ました。主力の白蟻対策については、前期より開始した営業プロセスの標準化取組に
よる落ち込みが一巡したものの、夏場の猛暑が原因となり受注が伸び悩みました。尚、
当社の場合は事業エリアが東日本寄りのため、昨年6月に発生した西日本地震や9月
の台風21号による影響については、限定的なものに留まりました。
2019年3月期の通期の予算については期初予想を据え置いており、売上高は前期比
4.2%増の145億円、営業利益は12.1%増の23.8億円を予想しています。2016年に大量採
用した営業職の戦力化が進んでいるほか、施工技術職を営業職に転換するなど採算
性の良化が見込まれるため、(歩合給は増加するものの)利益率は一段の良化が期待
されます。なお去る2月5日に3Q累計期間の決算が開示されており、業績進捗率は2Q
時点より更に良化しているため、当社業績は2Q単独期間に偏重する傾向があるものの、
今期については予算が達成される可能性が高いものとみられます。
当社はローリング式の3年中計を公表しており、売上高CAGR6%&営業利益CAGR10%
の成長を目指しています。ただそれまでの中計では営業利益CAGR17%を計画してい
たため、成長率はかなり鈍化した格好となります。これは当社が‘人工(にんく)商売’を
ビジネスモデルとしており、営業原資となる社員数は確実に増やしていく必要があるも
のの、昨今の採用難化で社員の確保が進まず、思うような業容拡大が出来ないことが
主な要因となります。足許今期についても、人員計画の期中社員数1,048人に対して、
2Q時点で1,035人に留まっているため、中計は減額してなお未達含みとなっています。
また、必要な社員数を集めきれてないことも相俟って、営業拠点も2015年に開設した奈
良支店を最後に出店が滞っている状況です。一応、昨年よりJ1の「川崎フロンターレ」と
スポンサー契約を締結したほか、テレビCM、‘白蟻犬’という自社キャラクターを活用した
マスプロモーションの強化に注力しており、本施策が中長期的に顧客訴求は勿論、採用
活動やJAなどの提携先の拡大にプラス寄与することが期待されますが、効果発現には
時間がかかることが予想され、営業店の出店よりも即効性に乏しいと思われます。
なお、株主還元については、ほぼ無借金かつ80億円を超えるネットキャッシュを保有して
いるほか、設備投資が殆ど不要な商売ということもあり、配当性向40%基準により継続的
に増配【15→20→25→32→40→46→50→54円(予】しています。それでも配当性向は、
2017年3月期の44.8%をピークに減少してきており、利益の伸びよりも増配幅が鈍化して
いるため、今期は予算水準の確保を前提に56~60円までは増配余地があると考えます。
*参考記事① 2018-06-28 2,117円 ---
新規拠点開設なく中計減額修正も、地震対策に活路・アサンテ(6073)。
*参考記事② 2018-02-14 1,797円 ---
今期業績は未達確実圏も、株主還元強化に改めて期待・アサンテ(6073)。
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