高単価BPOの拡大続き、安定成長が見込まれる・ビジネスブレイン太田昭和(9658)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9658】ビジネスブレイン太田昭和 (東証1部) OP

現在値 2,271円/100株 PER13.2 PBR1.55 3月配当優待 9月配当 

コンサルやシステム開発受託。会計システムに強み。情報セキュリティも。
配当は3月末・9月末の年2回・計50円配当のため、配当利回りは2.20%となります。

ビジネスブレイン太田昭和は株主優待制度を導入しており、3月末時点で単元株を1年超

保有する株主に対して、2,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回り

は約3.08%となります。

業績を確認していきます。
■2016年3月期 売上高 205億円、経常利益 9.1億円、EPS 103円 
■2017年3月期 売上高 230億円、経常利益 7.5億円、EPS 79.2円 

■2018年3月期 売上高 235億円、経常利益 11.3億円、EPS 128円

■2019年3月期 売上高 248億円、経常利益 16.5億円、EPS 170円(4/26)

■2020年3月期 売上高 260億円、経常利益 17.0億円、EPS 171円 ce
□2019年9月期 売上高 120億円、経常利益 6.5億円、EPS 70.3円 ce 

2019年3月期の売上高は前期比5.6%増の248億円、経常利益は45.6%増の16.5億円となり

期初予算を超過し大幅増益を確保しました。主力のコンサル/SIer事業に関しては、会計

回りにおける顧客の設備投資需要の増加したほか、販売単価改定もあり、利益率が大きく

改善しました。一方、BPO事業については、浜松と新潟で受託している主力のペイロール分

野が横ばい水準で推移したものの、熊本で受託しているグローバルBPO分野が好伸した

ほか、客先業務であるオンサイト分野の受託も増加しました。結果的として、全社の数字の

増収部分は相対的に利幅の薄いBPO事業で作り、増益部分は好採算かつ更に単価を改定

したコンサル/SIer事業で作った格好となります。


進行期の2020年3月期の予算については、売上高が4.8%増の260億円、経常利益は2.8%増

の17.0億円を見込んでいます。コンサル/SIer事業については、引き続き会計回りでの順調

な受注が見込まれるほか、子会社のGSXを中心とするサイバーセキュリティ分野の引合い

が強い状況であり、当該セグは売上予算で3%の伸びを計画しています。一方、BPO事業に

ついては、基本的にコンサル/SIer事業の伸びに付随して受注が増える傾向があることや、

全社売上高構成比を3割まで引き上げる(現状は29%)計画であるため、売上予算の伸びは

4%を見込んでいます。なお期初時点における全社の受注残高は、1年前と比べて14%多い

94億円を確保していることから、当社のこれまでの予実の信頼度を鑑みるに、期初予算の

蓋然性は高く、10期連続の増収に向け、十分走破圏にある数字と考えられます。

 

当社は中長期的な業績目標値を開示しておりませんが、旧昭和監査法人(EY新日本監査

法人)から独立したSIerのわりに事業意欲が強く、セゾン情報システム(9640)からBPO事業

買収したほか、シグマクシス(6088)と合弁だったセキュリティ会社も完全子会社に戻すなど

安定したコンサル/SIer事業の収益と顧客基盤を土台に、周辺領域で事業ドメインを拡張

しています。会社側としては、上述とおりBPO事業を伸ばす意向が強く、高い会計知見を

活かした高付加価値BPOの提供により、顧客企業の会計コスト削減ニーズを取り込んで、

一般的な単純BPOよりも高い利益率の確保を狙うのが基本的な方針となります。おりしも

‘働き方改革’による追い風や、BPOやRPAの活用による管理部門のコスト削減意向は

根強く、ストック型ビジネスであるBPOは中長期的な拡大が期待されます(※会計回りは

一度何処かのBPOに委託すると人事労務分野等よりもリプレイスしずらいとみられます)

 

なお、当社は抜群の財務体質を誇っており、ほぼ無借金であり、ネットして60億円弱もの

現金を抱え込んでいるような状態です。そのため案件次第でいつでもMAが出来るほか、

株主還元も強化しており、【15→19→22→28→30→35→40→50円】と、連続増配基調

を継続させています。基本的には大して資金需要がない業種なので、この増配基調が

続く可能性は極めて高く、会社側の今期の配当予想は据置の50円を予想していますが、

仕上がりの配当額としては「60円+α(5円程度)」を考えています。

 

*参考記事① 2018-06-29  2,309円 OP

業績順調推移も、株価水準訂正で割安感は薄れる・ビジネスブレイン太田昭和(9658)。

 

*参考記事② 2017-08-14 1,088円 OP

盤石財務テコに業容を拡大、ビジネスブレイン太田昭和(9658)。

 

 

会社四季報 2019年3集夏号

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 

基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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