業績順調推移も、株価水準訂正で割安感は薄れる・ビジネスブレイン太田昭和(9658)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9658】ビジネスブレイン太田昭和 (東証1部) --

現在値 2,309円/100株 PER18.1 PBR1.75 3月配当優待 9月配当 

コンサルやシステム開発受託。会計システムに強み。情報セキュリティも。
配当は3月9月年2回・計40円配当のため、配当利回りは1.73%となります。

ビジネスブレイン太田昭和は株主優待制度を導入しており、3月末時点で単元株を1年以上

保有する株主に対して、2,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回り

は約2.59%となります。

業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 183億円、経常利益 10.6億円、EPS 122円 
■2016年3月期 売上高 205億円、経常利益 9.1億円、EPS 103円 
■2017年3月期 売上高 230億円、経常利益 7.5億円、EPS 79.2円 

■2018年3月期 売上高 235億円、経常利益 11.3億円、EPS 128円(4/27)

■2019年3月期 売上高 240億円、経常利益 12.0億円、EPS 127円 ce
□2018年9月期 売上高 115億円、経常利益 3.0億円、EPS 34.3円 ce 

2018年3月期の売上高は前期比2.1%増の235億円、経常利益は同51.2%増の11.3億円となり

期初予算をクリアして大幅増益を確保しました(注:期中の修正予算に対しては未達)。主力

のコンサル/SIer事業に関しては、会計回りについては底堅く推移したものの、そのほかの

SIer事業については、銀行・証券の金融顧客のシステム投資抑制が響き、当該セグメントは

減収減益となりました。一方、前期に苦戦したBPO事業については、ペイロール分野等が

好調に推移し、人材派遣分野の不調を補い大幅増益となり、全社業績を押し上げました。


進行期の2019年3月期の予算については、売上高が2.1%増の240億円、経常利益は5.7%増

の12.0億円を見込んでいます。コンサル/SIer事業については、引き続き会計回りでの順調

な推移が見込まれる他、セキュリティ分野が黒字化する見通しです。BPO事業についても

前の期に低調だった人材派遣分野が案件増による黒字化が見込まれるほか、管理部門に

おけるアウトソーシングニーズの伸長に伴い、総じて堅調に推移する見通です。期末受注

残高が前年から90.3→82億円に減少しており、期中受注を増やす必要がある点は気掛か

りですが、8期連続の増収を達成しているため、まずは会社計画を信頼したいと思います。

 

当社は中長期的な業績目標値を開示しておりませんが、旧昭和監査法人(EY新日本監査

法人)から独立したSIerのわりに事業意欲が強く、セゾン情報システム(9640)からBPO事業

買収したほか、シグマクシス(6088)と合弁だったセキュリティ会社も完全子会社に戻すなど

安定したコンサル/SIer事業の収益と顧客基盤を土台に、ドメイン拡大に余念がありません。

ただどちらか言うと会社側としては、BPO事業を伸ばす意向が強そうで、高い会計知見を

活かした高付加価値BPOの提供により利益率向上を図るとともに、野村総研との協業で

流行りのRPAや生体認証技術を取込むほか、同社案件の‘おこぼれ’の獲得を狙います。

 

なお、当社は抜群の財務体質を誇っており、無借金かつ50億円超もの現金を抱え込んで

いるような状態です。そのため案件次第でいつでもMAが出来るほか、株主還元にも注力

しており、【15→19→22→28→30→35→40円(予】と、連続増配基調が続いています。

足許では株価のバリュエーションが切り上がってしまっていますが、TKC(9746)や、ミロク

情報(9928)あたりとの比較においては概ね妥当とも言えるため、今の株価位置が居心地

のよい株価水準なのかと思います。

 

*参考記事① 2017-08-14 1,088円 ---

盤石財務テコに業容を拡大、ビジネスブレイン太田昭和(9658)。

 

 

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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