業態転換一巡で、ネガティブイメージはほぼ払拭・ワタミ(7522)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【7522】 ワタミ (東証1部) NT

 

現在値 1,536円/100株 PER120.0 PBR3.51 3月優待配当 9月優待

居酒屋『和民』等を国内外で展開。高齢者向け宅食サービスも運営、介護事業は売却。
配当金は3月一括の7円50銭円配当のため、配当利回りは0.49%となります。

ワタミは3月末・9月末に100株を保有する株主に対して、半期毎に3,000円の株主優待券

を進呈しておりますので、合算して配当優待利回りを算出すると約4.39%となります。

業績を確認していきます。 
■2016年3月期 売上高 1,282億円 経常利益▲11億円 EPS 209.1円
■2017年3月期 売上高 1,003億円 経常利益 7.1億円 EPS ▲46.9円

■2018年3月期 売上高 965億円 経常利益 16.3億円 EPS 3.8円

■2019年3月期 売上高 947億円 経常利益 12.2億円 EPS 35.1円

■2020年3月期 売上高 963億円 経常利益 13.0億円 EPS 12.7円 ce
□2019年9月中 売上高 464億円 経常利益 0.0億円 EPS▲5.1円 ce

2019年3月期の売上高は前期比1.8%減の947億円、経常利益は同24.9%減の12.2億円に

留まったものの、売上高・各段階利益ともに中間時点の減額修正予算をクリアしたほか、

期初予算の水準も奪回して着地しました。国内外食事業は、予算前提の既存店売上高を

100%で設定していましたが、結果的には101.4%と上振れしており、これは「ミライザカ」と

「三代目 鳥メロ」の主力2業態の既存店が好調を維持したほか、特に「ミライザカ」へ業態

転換した51店の売上が前年比125%と躍進したことが主な要因です。その一方、従来型

「和民」は宴会集客が伸び悩んで前年割れで着地したものの、苦戦していた宅食事業が

MD改革により採算性が良化したため、全社営業利益ベースでは増益を確保しています。


進行期である2020年3月期の予算については、売上高が1.6%増の963億円、経常利益は

同5.7%増の13.0億円と小幅ながら増収増益を計画しています。国内外食事業の出退店計

画については、「ミライザカ」「三代目 鳥メロ」を中心に、出店35・退店10(実績期は出店28・

退店15)を見込んでおり、ネット25店の純増を計画しています。また、不振店の業態転換に

ついては既に一巡しつつあることから、今期は30店ほどに留まる見通しであり、絶好調な

「ミライザカ」への転換を進める方針です。なお、予算前提となる国内外食事業の既存店

売上高については100.7%でセットしており、足元の勢いを鑑みるとややコンサバな見立て

とみられます。利益面については、不採算の弁当工場の撤退や海外店舗の閉鎖等により

採算性が改善しているため、トップラインの伸び以上に良化する計画となっています。

 

引き続き199円のハイボールを199円で提供する「ミライザカ」と、生ビールを199円で提供

する「三代目 鳥メロ」の主力2業態の好調が業績を牽引しており、特にドリンクの値付けが

安い一方、仕入原価の安い鶏料理を比較的高単価で提供する「ミライザカ」、が実質的な

当社の看板業態になっており、期末全480店のうち154店を占めるまでに成長しています。

また、「三代目 鳥メロ」も新店を中心に140店まで増やした一方、従来型の「和民」を88店

で縮小させているので、今後は「和民」の屋号はスクラップしていくものとみられます。

 

そんなわけで業態構成比の変更により、従来の「和民」から連想された“ブラック企業”と

してのネガティブイメージの払しょくに成功しつつあり、こうした外形的なところ以外でも、

社員の残業時間の減少【36.4h→31.9h→31.2h】や、有給取得率の増加【7.9日→8.4日

8.5日】など、期を追うごとに労務環境も良化させられているため、見えがかりの業績

改善以上に筋肉質な組織への再編が進んでいることも併せて確認出来ます。


なお財務面では、損保ジャパンへの介護事業売却(210億円)で手にしたキャッシュの大半

を温存しており、実質無借金状態が継続しています。また、足元でも追加で10億円を返済

しており、自己資本比率は42.3%水準まで一段と良化しています。当社の配当方針は業績

動向にくわえて「キャッシュフロー等を勘案の上」決定されるため、実績期も減配予定分の

2.5円を復元して、結局据置きとなる7.5円配当を吐き出しました。今期はいまのところ7.5円

配の継続を予定しているものの、さすがに自己資本の積み上がりが早くなってきたので、

ROE目標はないものの、追加で株主還元に回す公算が高く、仕上がりベースで年10円配

までは伸びる可能性が高そうです。

 

*参考記事① 2019-01-07 1,343円 OP

今期業績は久々に予算ペースで進捗、ついに国内店舗も“純増”へ・ワタミ(7522)。

 

*参考記事② 2018-06-17 1,457円 OP

「三代目 鳥メロ」「ミライザカ」好調で、重要事象注記が解消・ワタミ(7522)。

 

 

会社四季報 2019年3集夏号

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基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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