【7522】 ワタミ (東証1部) ---
現在値 1,343円/100株 PER74.9 PBR3.47 3月優待配当 9月優待
居酒屋『和民』等を国内外で展開。高齢者向け宅食サービスも運営、介護事業は売却。
配当金は3月一括の5円配当のため、配当利回りは0.37%となります。
ワタミは3月末・9月末に100株を保有する株主に対して、半期毎に3,000円の株主優待券
を進呈しておりますので、合算して配当優待利回りを算出すると約4.83%となります。
業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 1,553億円 経常利益▲34億円 EPS▲344.3円
■2016年3月期 売上高 1,282億円 経常利益▲11億円 EPS 209.1円
■2017年3月期 売上高 1,003億円 経常利益 7.1億円 EPS ▲46.9円
■2018年3月期 売上高 965億円 経常利益 16.3億円 EPS 3.8円
■2019年3月期 売上高 921億円 経常利益 9.0億円 EPS 17.9円 ce修正
□2018年9月中 売上高 465億円 経常利益▲3.1億円 EPS▲14.8円(11/14)
2018年9月中間期の売上高は前年同期比2.0%減の465億円、経常利益は同赤転の▲3.1
億円に留まりましたが、売上高・各段階利益ともに期初予想水準を上回って着地しました。
国内外食事業は、前提の既存店売上高を100%(上期は98.3%)で設定していましたが、結果
的には100.7%と上振れしており、これは「ミライザカ」「三代目 鳥メロ」の看板二業態が何れ
も好調を維持したこと、およびMD改革(主に商品構成を指す)が上手くいったことに由ります。
その一方、従来型の「和民」は宴会集客が伸び悩み、前年・計画比ともにショートしたほか、
宅食事業も低単価品の拡販により減収、海外も不採算店の閉店により減収となっています。
なお2019年3月期の通期予算についても本中間時点で変更しており、売上高が前期比4.5
%減となる921億円(従予:943億円)、経常利益は同45.1%減の9.0億円(UNCH)へ売上高のみ
を減額しています。これは国内外食事業に含まれていた白岡のセントラルキッチンの製販
機能を会社分割し、極洋系の会社に売却したたことによる卸売販売の減少(約37.0億円)
によるところが主要因であり、実質的な国内外食事業は増額して一部を相殺しています。
国内外食事業の出退店計画についても、出店19店に対し、退店9店とやや期初計画を下
回るものの、今期末の店舗数はほぼ確実に純増に転じる見通しです。なお、宅食事業に
ついてはやや減額、不採算店閉鎖が想定超で進捗している海外事業は増額しています。
やはり中長期的に当社のドライバーとなるのは、ハイボールを199円で提供する「ミライ
ザカ」と、生ビールを199円で提供する「三代目 鳥メロ」であり、顧客の根強い低価格志向
をこうしたドリンクの値付で目くらましさせつつも、「ミライザカ」では比較的高単価の鶏商
品を提供しているほか、「三代目 鳥メロ」も屋号を変えただけで実態は殆ど「わたみん家」
のままという巧妙な業態戦略により出店を進めていくとみられます。元より当社はブラック
企業のレッテルだけで、全社的に損していた部分があるので、単なる看板の付け替えだけ
でも相応の効果が期待出来ますが、それ以上に上手く業態転換が出来ている印象です。
財務面では、損保ジャパンへの介護事業売却(210億円)により、引き続き実質無借金状態
が継続しており、自己資本比率も38.1%を確保しています。また既述の白岡の会社分割に
より、9.4億円(特別利益は5.0億円)を手にするため、期末にかけて財務は更に良化するこ
とが見込みです。当社の配当方針は業績動向にくわえ、「キャッシュフロー等を勘案の上」
で決定されるため、今期は2.5円減配となる5.0円配が予想されているものの、これは増配
される可能性がかなり高く、7.5円配の復元は最低限としても、期中の好調な業績を維持し
て落着した場合、予想比倍増となる10.0円配までは十分にあり得るものと考えています。
*参考記事① 2018-06-17 1,457円 ---
「三代目 鳥メロ」「ミライザカ」好調で、重要事象注記が解消・ワタミ(7522)。
*参考記事② 2017-06-24 1,357円 ---
国内外食の浮上で、重要事象の解消へリーチ・ワタミ(7522)。
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