国内外食の浮上で、重要事象の解消へリーチ・ワタミ(7522)。 | なちゅの市川綜合研究所

なちゅの市川綜合研究所

「別に勝たなくてもいいので、負けないこと」を志向しております。
本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報等に基づき、作成されています。
当ブログの情報に全面的に依拠することはお控えいただき、最終的なご判断はご自身でお願いいたします。

IMG_6109.JPG

【7522】 ワタミ (東証1部) ---

 

現在値 1,357円/100株 PER565.4 PBR3.19 3月優待配当 9月優待

居酒屋『和民』等を国内外で展開。高齢者向け宅食サービスも運営。
配当金は3月一括の5円配当のため、配当利回りは0.36%となります。

ワタミは100株保有で半年毎に3,000円の株主優待券を進呈しております
ので、合算して配当優待利回りを算出すると約4.78%となります。

業績を確認していきます。 
■2014年3月期 売上高 1,631億円 経常利益 21億円 EPS▲123.8円
■2015年3月期 売上高 1,553億円 経常利益▲34億円 EPS▲344.3円
■2016年3月期 売上高 1,282億円 経常利益▲11億円 EPS 209.1円
■2017年3月期 売上高 1,003億円 経常利益 7.1億円 EPS ▲46.9円

■2018年3月期 売上高 960億円 経常利益 7.5億円 EPS 2.6円
□2017年9月中 売上高 450億円 経常利益 ▲6.0億円 EPS▲25.6円

2017年3月期の売上高は前期比21.7%減の1,003億円、経常利益は黒転の
7.1億円となり、期初予想を上回って着地しました。国内外食事業の前予算

が既存店100%という過大な前提でしたが、結果的には103.3%と上ブレした

ほか、宅食事業では製造拠点におけるコスト削減により収益性が想定を

えて改善したため、介護事業売却の剥落分を埋めて増益となりました。

進行期の2018年3月期通期予算については、売上高が4.3%減の960億円、

経常利益は4.4%増の7.5億円を見込んでおります。主力の外食事業は新店

5店に対し、退店7店予定で純減する見通しであり、新業態「ミライザカ」や

「三代目 鳥メロ」への業態転換を80店で実施するため、トップラインの減少

基調は継続するものの、これら新業態の転換後の売上は2~3割増で推移

しているため、店舗当たりの採算性は大きく向上する見込みです。

今期も国内外食事業の既存店売上はほぼ前年並(100.7%)を前提に予算を

組んでいるため、既述の新業態店が好調であることを踏まえると保守的と

みられますが、海外外食事業に関しては下げ止まっておらず、前年に壊滅

的だった上海や香港の底入れは先となる見込みで、海外の既存店売上は

92.1%というかなり低い予算前提値を置いています。

第二の柱である宅食事業の予算前提については、拠点統廃合の継続に

より、532→516拠点と引き続き減少するものの、既に底打している日当り

食数も228→242千食と続伸を見込んでいます。惣菜のみ商材をはじめと

する商品ラインナップ拡充により、休眠顧客の掘り起こしを図る計画です。


財務面では損保ジャパンへの介護事業売却(210億円)により、引き続き
実質無借金状態(ネット現金は約70億円)となっており、自己資本比率も

40.3%を確保しています。主力事業である外食事業が4期連続で営業赤字

を計上しているため、継続企業前提に重要事象が注記されておりますが、

財務的には余裕であり、メインバンクの横浜銀行とも既に握っているため、

足許の外食事業の持ち直し基調が継続すれば、今期中にも重要事象が

解消される可能性が高いと思われます。

 

*参考記事① 2016-12-06  1,071円 ---
「三代目 鳥メロ」「ミライザカ」好調で重要事象解消狙う、ワタミ(7522)。

*参考記事② 2016-06-22  1,017円 ---
話題の神明ホールディングと資本業務提携、ワタミ(7522)。

 

会社四季報 2017年 3集夏号 [雑誌]

新品価格
¥2,060から
(2017/6/11 06:43時点)

 

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


このエントリーをはてなブックマークに追加にほんブログ村