「三代目 鳥メロ」「ミライザカ」好調で、重要事象注記が解消・ワタミ(7522)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【7522】 ワタミ (東証1部) ---

 

現在値 1,457円/100株 PER284.5 PBR3.53 3月優待配当 9月優待

居酒屋『和民』等を国内外で展開。高齢者向け宅食サービスも運営、介護事業は売却。
配当金は3月一括の5円配当のため、配当利回りは0.34%となります。

ワタミは3月末・9月末に100株を保有する株主に対して、半期毎に3,000円の株主優待券

を進呈しておりますので、合算して配当優待利回りを算出すると約4.46%となります。

業績を確認していきます。 
■2015年3月期 売上高 1,553億円 経常利益▲34億円 EPS▲344.3円
■2016年3月期 売上高 1,282億円 経常利益▲11億円 EPS 209.1円
■2017年3月期 売上高 1,003億円 経常利益 7.1億円 EPS ▲46.9円

■2018年3月期 売上高 965億円 経常利益 16.3億円 EPS 3.8円(5/15)

■2019年3月期 売上高 943億円 経常利益 9.0億円 EPS 5.1円 ce
□2018年9月中 売上高 446億円 経常利益▲4.0億円 EPS▲17.9円 ce

2018年3月期の売上高は前期比3.8%減の964億円、経常利益は2.2倍の16.3億円となり、

売上高・各段階利益ともに期初予想を上回って着地しました。国内外食事業の予算前提

となる既存店売上高を102.8%に設定していましたが、結果的には105.8%と上ブレしたこと

が大きく、これは140店余りの店舗で「ミライザカ」や「三代目 鳥メロ」といった好調な業態

へと改装したことが主な要因です。一方、利益柱の宅食事業については、食材原価高騰

と広告宣伝費の増加が響き、計画を下回って着地しています。

進行期の2019年3月期の通期予算については、売上高が2.2%減の943億円、経常利益は

45.1%減の9.0億円と一転して反落を見込んでおります(注・営業利益ベースでは微増益)。

主力の国内外食事業は新店20店に対し、退店7店予定で純増に転換する見通しであり、

前の期に集中的に実施した業態変更も一巡しているため、改装も50店程に留まる見通し

です。なお、既存店売上高前提は100%フラットで設定しています。宅食事業については、

拠点の統廃合やメニュー単価の下方改定が響いて減収となるものの、前の期に前倒し

で支出した広告宣伝費の浮き?が寄与し、セグメントとしては増益を予想しています。

他方、70店舗程を展開する海外外食事業は苦戦が継続しており、既存店売上高は2期

連続の92%まで落ち込んでいるため、今期の海外事業の既存店売上高の前提も95.7%と
かなり低い水準に置いています。香港・上海でも従来の「和民」業態は飽きられている

ため、「PASTA HOLIC」というカジュアルイタリアン業態への業態転換を進めています。

足許の売上はやや持ち直しの兆しもみられるものの、店舗の閉鎖ペースが速いので、

海外事業は今期・来期で反転しないと、一旦撤退となる可能性もありそうです。


財務面では、損保ジャパンへの介護事業売却(210億円)により、引き続き実質無借金

状態(※ネット現金は約30億円)となっており、自己資本比率も39.5%を確保しています。

当社の配当方針は業績動向にくわえ、「キャッシュフロー等を勘案の上」で決定される

ため、実績期は減損でタコ配状態ではあるものの、期末で2.5円増配し、7.5円が配当

されました。そのため、今期は期初時点では5.0円へと減配が予想されているものの、

業績が予算水準であれば7.5円配当が復元される公算が高いとみております。

 

なお、主力事業である外食事業が4期連続で営業赤字だったため、継続企業前提に

重要事象が注記されておりましたが、実績期でついにセグメント黒字に転換したため、

注記が解消しています。外食事業の業態転換が一通り終わり、介護事業を売却して

ひとまず必要なものだけが残ったスリムな企業体になったような印象があります。

 

*参考記事① 2017-06-24  1,357円 ---

国内外食の浮上で、重要事象の解消へリーチ・ワタミ(7522)。

 

*参考記事② 2016-12-06  1,071円 ---
「三代目 鳥メロ」「ミライザカ」好調で重要事象解消狙う、ワタミ(7522)。

 

 

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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