ホテル銘柄についての考え方。 | なちゅの市川綜合研究所

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私はホテルセクターに対するアウトルックが強気・・・というわけでもありませんが、現状

の各ホテル株についての考え方を、整理がてら記していきたいと思います。

①帝国ホテル(9708) 2,008円 ▲

何と言っても建替に注目。当分先とはいえ、東京會舘みたいにその間の収入が無くなって

しまうのがネックと言えます。一応、大阪とか柏とかもありますが、上高地も夏だけですし、

その間の従業員の雇用とかはどうなるのでしょうか。尤も、天下の帝国ホテルの社員なら、

全国のホテルが出向で受け入れてくれる可能性もありそうですが・・・不透明感が大きい

ので手が出ない状況です。無借金のスーパー含み資産銘柄ですが、筆頭株主の三井

不動産がいつどのように仕掛けるかによって、当社株の株価の居所も変わるでしょう。

 

②西武ホールディングス(9024) 1,824円 ◎

大阪や京都のホテル需給が足許で急速に緩んでいるので、そちら方面のポートフォリオ

が薄いことが強みとして挙げられますが、ここはプリンスホテルや鉄道事業(ムーミンに

よる飯能の地上げ)よりも、やはり品川の再開発がカタリストだと思います。品川だけで

5千億円ともされる含み資産が再開発により一部顕在化されてくるものと考えています。

 

③藤田観光(9722) 2,663円 ×

椿山荘の婚礼の落ち込みが酷い状況。箱根の天悠もADRが伸びないため、高級旅館

の開業を白紙にするなど迷走が続いています。税金考慮後でも300億円超の含み益が

あると推定される1.5万坪の椿山荘の不動産価値だけが、当社株価を下支えするものと

考えています。無借金の帝国ホテルと違って、借金が多いのも割引要素。

 

④共立メンテナンス(9616) 5,500円 ▲

需給の悪い大阪・京都のホテルが少なくないので、ファンダメンタルズ的にはその辺が

中長期的なリスク要因となります。新設ホテルもスタッフ確保の問題などから後ろ倒しに

する案件が増えてきており、足許の成長鈍化で20倍を超えるマルチプルが許容される

のかは微妙な感じになってきていると思います。ただ、2016年のMSCBで約200億円を

調達しておいたことや、図体もデカくなって企業体としての安定感は出てきた印象です。

 

⑤日本ビューホテル(6097) 1,120円 ▲

大枚をはたいてリニューアルした旗艦の浅草ビューホテルが順調で、先週の金曜日に

上方修正を出していましたが、新規物件のパイプラインが非常に乏しく、成長シナリオ

を全く描けない点がネックです。同根のみずほ系である筆頭株主のヒューリックが自前

でホテル運営にまで手を出してしまっていることもあり、全く当社に物件供給をしてこな

いのが苦しいところです。一応、浅草は自社物件なのでかなりの資産価値はあります。

 

⑥グリーンズ(6547) 1,523円 〇

足許で名有りの新規物件が増えてきており、やっと成長が望める段階になったと思い

ます。需給の悪い関西物件の割合が低く、伊勢神宮などインバウンドの伸び代がある

三重物件の比率が異様に高いので、そういうポート構成も評価出来ます。ただREIT、

ファンド物件からの賃借が多く、好調物件は今後賃料交渉にさらされるリスクが潜在

するので、アップサイドが取れる場合でもキャップをはめられてしまうのが難点。

 

 

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