RIZAP系の中では“運の良い”優等生、イデアインターナショナル(3140)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3140】イデアインターナショナル (東証JQG) --

現在値 1,033円/100株 PER59.2 PBR3.66 6月配当株主優待 

インテリア雑貨や旅行用品等の企画、卸・小売り。RIZAPグループ傘下。
配当は6月一括の4円配当のため、配当利回りは0.39%となります。

イデアインターナショナルは株主優待制度を導入しており、単元株以上を保有する6月末

の株主に対して、9,000円分のグループ商品を進呈しておりますので、配当優待利回りは

約9.09%となります。

業績を確認していきます。
■2015年6月期 売上高 59.7億円 営業利益 2.4億円 EPS 8.9円
■2016年6月期 売上高 61.6億円 営業利益 1.8億円 EPS 18.9円
■2017年6月期 売上高 72.0億円 営業利益 4.0億円 EPS 24.8円 

■2018年6月期 売上高 90.1億円 営業利益 4.1億円 EPS 20.9円 

■2019年6月期 売上高 140億円 営業利益 6.2億円 EPS 17.6円 ce
□2018年12月2Q 売上高 73.9億円 営業利益 2.9億円 EPS 4.1円 

□2019年3月3Q 売上高 113億円 営業利益 3.8億円 EPS 3.2円(5/15)

2018年12月中間期より連結開始のため単純比較は出来ないものの、売上高は前年同

期比81%増の73.9億円、営業利益は同33%増の2.9億円となり、中間期の売上・利益とし

ては共に過去最高となりました。雑貨製造卸売事業において、主力ブランド「ブルーノ」

において、新モデルを投入したホットプレートが中国・香港等の海外で大きく売上を伸

長させたほか、ムーミンを採用した新商品のホットサンドメーカーが業績寄与しました。

小売事業に関しても、「イデアセブンスセンス」や「ブルーノ」等4店を出店するとともに、

EC事業の売上高も大幅増となったほか、卸売事業・小売事業ともに昨年4月から子会

社化したシタカ社の上乗せ分が期初から効いており、増収に大きく寄与しています。

 

なお2019年6月期の通期予算については期初予想を据え置いており、売上高が前期比

55.3%増の140億円、営業利益は47.8%増の6.2億円と年率4割を超える増収増益を見込

んでいます。商品開発においては上期における「ブルーノ」のホットプレート限定モデル

の投入にくわえ、高単価な家電商品の開発を進めます。また、二番手ブランド「ミレスト」

についても、子会社化したバッグOEM会社であるシタカとの協業により、旅行バッグの商

品力強化と原価改善を図ります。足許では2月に発売した米国老舗敷物メーカーである

PENDLETONとのコラボ商品をリリースしており、順調に売上を伸ばしています。ただ、

去る5月15日に開示された3Qの売上高は113億円、営業利益は3.8億円に留まっている

ため、売上高は超過達成も視野に入るものの、利益は予算水準が精々かとみられます。

 

当社は毎年ローリング型の3年中計を策定しており、3年後となる2021年6月期を目処に

売上高を90→210億円(CAGR32%)、営業利益を4.1→11.5億円(CAGR40%)へとそれぞれ

伸長させる計画であり、前回ローリングは比較可能な時点での業績目標値で比べると、

増額されていることから、中期的なアウトルックは良好と言えます。特にEC売上高の伸

びが足許で年率50%を超えており、全社売上高に対するEC構成比も1割に迫る勢いと

なっているため、ECシフトによる利益率の良化が期待出来ます。

 

2017年8月には公募増資の直前に株主優待制度の拡充や初配、株式分割のコンボ発表

により高値圏に貼り付いていた株価にぶつけにいく形で約28億円(@1,247円)もの調達に

成功しており、この資金を用いて直営店を出店しまくって、製造販売業として利幅を稼ぐ

計画となっていました。しかしながら、大手バッグOEM会社であるシタカ(年商約47億円)

という思わぬMAの出物があったため、同社を投資ファンドのインテグラルらから16億円

で買収し、労せずして業績を大きく伸ばすことに成功しています。公募増資や本件MAは

ラッキーパンチ的側面が強いものの、結果としては全て上手くいった形となっています。

 

気になっているのは、以前よりもRIZAP色がやや薄まってきており、RIZAPではよくある

機能性をウリにしたMDというより、あくまで意匠性に拘った当社本来のMDが強調され

ているような印象を受けます。かような場合、RIZAPとのシナジーは相対的に薄くなり、

資金需要の強いRIZAPとしては、高い売却バリュエーションが期待出来る当社を身売

りする・・・という選択肢も、ないではないように思います。

 

 

*参考記事① 2018-11-22 756円 --

RIZAPグループの中では“善戦組”か、イデアインターナショナル(3140)。

 

*参考記事② 2017-10-31 1,018円 --

まんまと“メガトン調達”に成功、イデアインターナショナル(3140)。

 

 

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 

基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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