まんまと“メガトン調達”に成功、イデアインターナショナル(3140)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3140】イデアインターナショナル (JQG) --

現在値 1,018円/100株 PER49.9 PBR413.3 6月配当株主優待 

インテリア雑貨や旅行用品等の企画、卸・小売り。RIZAPグループ傘下。
配当は6月一括の3円配当のため、配当利回りは0.30%となります。

イデアインターナショナルは株主優待制度を導入しており、単元株以上を

保有する6月末の株主に対して、9,000円分のグループ商品を進呈しており

ますので、配当優待利回りは約9.13%となります。

業績を確認していきます。
■2014年6月期 売上高 50.3億円 営業利益 0.4億円 EPS ▲9.5円
■2015年6月期 売上高 59.7億円 営業利益 2.4億円 EPS 8.9円
■2016年6月期 売上高 61.6億円 営業利益 1.8億円 EPS 18.9円
■2017年6月期 売上高 72.0億円 営業利益 4.0億円 EPS 24.8円 

■2018年6月期 売上高 90.0億円 営業利益 5.0億円 EPS 25.3円 ce
□2017年12月中 売上高 40.0億円 営業利益 1.2億円 EPS 4.9円 四e

2017年6月期の売上高は前期比17%増の72.0億円、営業利益は同119.6%

増の4.0億円となり、売上こそ期初予算を下回ったものの、大幅な増収増

益を確保しました。雑貨製造卸売事業において、キッチン用品類が主体の

ブランド「ブルーノ」において、高採算商品が伸びたほか、小売事業に関し

ても複数ブランドを取扱う店舗を池袋・辻堂・名古屋・八重洲に次々と出店

し、EC事業とともに当社製造商品の直販が進みました。

 

進行期である2018年6月期通期予想については、売上高が24.9%増の90.0

億円、営業利益は24.6%増の5.0億円と年率2割を超える高成長が継続する

見込みです。商品開発においては既述の「ブルーノ」にくわえ旅行商品が

主体の「ミレスト」、オーガニック商品の「テラクオーレ」の3ブランドにフォー

カスするほか、小売店については引き続き多品種商品の取り扱いを行う

ハイブリッド型店舗の出店を進め、製販一体での増収増益を目指します。

 

当社は毎年ローリング型の3年中計を策定しており、3年後の2020年6月期

に、売上高72→135億円(CAGR23%)、営業利益4.0→8.7億円(CAGR30%)を

目指しています。最終年度までの各期にマイルストーンとなる業績予想が

されておりますが、進行期単年の予算は今回ローリング前の中計の従来

予想を上回る進捗をマークしていますので、まずまず順調と言えそうです。

 

そしてこの中計達成のドライバーとなるのが本年8月に実行した公募増資

であり、直前に株主優待制度の拡充や初配、株式分割を発表することで

高値圏を維持していた株価に“冷や水”を浴びせる形で28億円(@1,247円、

なおOAは全株失効w)ものメガトン調達に成功しています。この調達により

小売店舗の出店スピードを飛躍的に向上させる方針であり、併せて広宣

費にも向こう3年間に毎年2億円程度投じることで、一気に当社商品の拡

販を狙う計画となっています。

 

ただこの増資は発行済株式の約2割の希薄化を伴うものであり、財務面は

飛躍的に良化(自己資本比率20.6→51.9%)したものの、増資とほぼ同時期

から配当し始めるなど、かなり突っ込みどころの多い資本政策であること

は間違いないのですが、これがRIZAPグループの“常套手口”であるため、

ひとまずこれだけの纏まった資金を調達出来たことそれ自体を評価せざる

を得ない部分はあると思います。また、中計の方にもRIZAPとのシナジーに

よる営業効果は数字にさほど織り込んでいない印象を受けるため、株価の

バリュエーションに追いついていない部分は残るにせよ、エクイティストーリー

としては、妙な伸びシロを感じさせるものであり、不思議と納得感もあります。

 

 

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