【8885】ラ・アトレ(東証JQS) ---
現在値 672円/100株 PER4.65 PBR1.00 12月配当優待 6月優待
中古再生販売テコに収益性高め、新築マンション分譲を再開。
配当は12月末一括の17円配当のため、配当利回りは2.53%となります。
ラ・アトレは株主優待制度を実施しており、6月末・12月末時点の単元保有株主に対し、
500円分クオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約4.01%となります。
業績を確認していきます。
■2015年12月期 売上高 45.9億円、経常利益 5.5億円 EPS 158円
■2016年12月期 売上高 47.4億円、経常利益 2.1億円 EPS 41.7円
■2017年12月期 売上高 82.7億円、経常利益 6.1億円 EPS 94.4円
■2018年12月期 売上高 77.2億円、経常利益 9.4億円 EPS 118.4円
■2019年12月期 売上高 152億円、経常利益 11.0億円 EPS 144.6円 ce
□2019年3月1Q 売上高 33.4億円、経常利益 6.0億円 EPS 78.1円(5/15)
□2019年6月2Q 売上高 55.0億円、経常利益 4.0億円 EPS 56.9円 四e
2018年12月期の売上高は前期比6.7%減の77.2億円、経常利益は同53.5%増の9.4億円と
なり、売上高のみ期初予想を下回ったものの、利益は予算を超過達成しました。戸当り
2億円を超える超高級リノベ再販や、御苑内藤町(全49戸の一部)の販売が好調に推移し
たことが収益面で大きく貢献したほか、新築分譲についても下総中山(全29戸の内19戸)
の販売も進捗しました。このほか、開発型の一棟卸し物件である「AG神宮前」の売却や、
高田馬場の企画型開発用地といった好採算の転売案件があったため、利益が期初予算
を大きく上振れてしまう見込みとなり、期末にかけて分譲物件の販売を意図的に抑えた
ことがトップラインが未達になった要因と推察されます。
進行期である2019年12月期の予算については、売上高が97.3%増の152億円、経常利益
は17.0%増の11.0億円と高い業績成長が維持される見通しです。前の期にあえて残したと
みられる一棟リノベ再販の御苑内藤町(残28戸?)の販売を進めるほか、新築分譲物件の
新百合ヶ丘(戸)の分譲開始を予定しています。また、収益物件については「AG中目黒」、
「AG高円寺」の商業2棟の販売にくわえ、昨年竣工した福岡のホテル「LA Fukuoka」を
販売する計画であり、5月中旬に開示された1Qによれば、既にこの福岡のホテルについ
ては売却を済ませている模様です。そのため、1Q段階で通期利益予算の半分強の数字
が既に出来上がっており、通期の予算は早くも達成圏に入ったものと判断されます。
なお今期は、従来の3ヶ年中計の最終年度となっており、売上高120億円(CAGR36%)、
経常利益は10億円(CAGR70%)を予想していましたが、利益予算については実績期で
ほぼ達成されたため、今回ローリングした新3ヵ年中計で新目標を公表しております。
新目標は、最終年度である2022年12期に売上高201億円(CAGR37%)、経常利益15.3
億円(CAGR17%)としており、相変わらず野心的な目標ではあるものの、今期計上予定
以外の収益販売物件として、商業の「AG神宮前②」「AG六本木」「AG成城学園前」、
福岡宿泊施設の「平尾一丁目」などを名有りとしており、これら開発型一棟卸し物件
の販売で数字を作る模様です。実際、棚卸し資産についても、この一年で98億円→
124億円へと順調に積み上げているため、不動産市況に大きな変調がないことを大
前提に、表記の中計目標については、実現可能な範囲であると判断しています。
財務面については、2017年5月にマッコーリー相手に総額2.5億円弱の新株予約権の
発行と自社株売りで資金調達しているほか、株主還元を依然絞っていることもあり、
自己資本比率はこの2年で14.1%→17.3%→19.0%、へと徐々に良化してきています。
一応、株主還元については、当初中計の最終年度である2020年12月期をめやすに、
配当性向を従来の10%程度から、20%程度まで引き上げる計画になっています。今期
は3円増配の年17円配を予想していますが、これでも配当性向は約11%であるため、
利益成長と配当性向の拡大の両面で配当成長が期待される状況にあります。来期は
中計の公表値によれば、利益成長だけでも年21円程の配当が見込まれますが、配当
性向自体の見直しがあるとすれば、機械的に配当性向20%を当てはめると、最大で年
35~40円配当までは十分視野に入ってくる計算となります。
*参考記事① 2018-04-11 792円 ---
会社側は鞍替え狙いを公言、全盛期の勢い回復へ。ラ・アトレ(8884)。
*参考記事② 2017-10-27 656円 ---
財務は悪化の一途も、棚卸資産と株主数は順調増。ラ・アトレ(8884)。
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