【8885】ラ・アトレ(東証JQS) ---
現在値 792円/100株 PER7.59 PBR1.58 12月配当優待 6月優待
中古再生販売テコに収益性高め、新築マンション分譲を再開。
配当は12末一括の12円配当のため、配当利回りは1.51%となります。
ラ・アトレは株主優待制度を実施しており、6/12末の単元株主に対して、
500円分クオカードを進呈しており、配当優待利回りは2.77%となります。
業績を確認していきます。
■2014年12月期 売上高 27.0億円、経常利益 0.9億円 EPS 34.5円
■2015年12月期 売上高 45.9億円、経常利益 5.5億円 EPS 158円
■2016年12月期 売上高 47.4億円、経常利益 2.1億円 EPS 41.7円
■2017年12月期 売上高 82.7億円、経常利益 6.1億円 EPS 94.4円(2/14)
■2018年12月期 売上高 108億円、経常利益 8.0億円 EPS 104.7円 ce
□2018年6月中 売上高 35.0億円、経常利益 1.5億円 EPS 20.9円 ce
2017年12月期の売上高は前期比74.5%増の82.7億円、経常利益は同191%増の6.1億円
となり、売上高のみ期初予想を下回ったものの、利益は予算水準を確保しました。新築
分譲で浅草橋が完売したほか、完成在庫の松本(蟻ケ崎台)も多少はハケた模様です。
また、収益一棟売りの「LA代々木」「Roof明大前」や、高採算のリノベ再販住戸を66戸
計上したことが寄与しました。一方、売上の未達要因について松本の引渡しが想定を
下回って推移したこと(あるいは値引きして押し込んだこと)が主な要因とみられます。
進行期である2018年12月期の予算については、売上高が31.5%増の108億円、経常利
益は30.6%増の8.0億円と年率3割を超える破竹の業績伸長を見込んでいます。主力の
新築分譲については、下総中山(29戸)と松本(93戸)がそれぞれ最終分譲となるほか、
一棟リノベ再販の御苑内藤町(49戸うち21戸)の販売を予定しています。そのほか収益
販売については、福岡のホテルと神宮前商業といった大型案件もあり、たな卸資産も
この一年で80→98億円へ順調に積み上げているため、今期業績も期待出来ます。
なお今期は3年中計の中間年度となっており、2019年12月期に売上高120億円(CAGR
36%)、経常利益は10億円(CAGR70%)を予想しています。数値的にはかなり過大感の
ある目標とみていましたが、現在のところ非常に順調に推移しているほか、会社側も
「今期、来期の予算達成精度向上を目指す」とマテリアルで強く書き切っています。
実際、本年2月末にはローリング数値も公表してきており、更に1年先の2020年12期
に売上高147億円・経常利益12.2億円という野心的な数値設定をしてきているため、
向こう3期に渡って年率2割程度の成長モメンタムが期待される状況です。
当社はこの中計目標達成のために、昨年5月にマッコーリー相手に総額2.5億円弱の
新株予約権(当初行使価額@610円、下限価額@311円)を発行&自社株売りをして
資金調達しており、自己資本比率も14.1→17.3%へ良化しています。無論この程度で
は調達資金が足りないのは明らかですが、会社は定量目標以外の中計指針として、
東証本則市場への鞍替えを第一に挙げており、足許での海外IRの強化や、メディア
露出強化、株主優待制度の拡充等、わかりやすい時価総額経営にシフトしています。
要件は揃いつつあるので、然るタイミングで鞍替え&POでの資本強化が望まれます。
財務的にはそのような状況ですので、あまり株主還元に回して欲しくないのですが、
創業30周年を迎える3年後の2020年12月期をターゲットに、配当性向を10→20%へ
向上させる計画であり、今期の配当はさっそく前の期比で倍増となる6→12円を予
想しています。当社は“リーマン生き残り組”であり、ここまで立ち直ってきましたが、
このようにおもむろに株主還元を強化したり、2億円超の区分再販を手掛けたりと、
かつて創業者の岡本氏がゴルフ会員権事業を手掛けていたころのイケイケ経営に
戻りつつある感じもします。財務面にだけには注意しつつ、見守りたいと思います。
*参考記事① 2017-10-27 656円 ---
財務は悪化の一途も、棚卸資産と株主数は順調増。ラ・アトレ(8884)。
*参考記事② 2017-04-09 565円 ---
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