【8885】ラ・アトレ(東証JQS) ---
現在値 565円/100株 PER5.27 PBR1.43 12月配当 株主優待あり
中古再生販売テコに収益性高め、新築マンション分譲を再開。
配当は12末一括の5円配当のため、配当利回りは0.88%となります。
ラ・アトレは株主優待制度を実施しており、6/12末の単元株主に対して、
500円分クオカードを進呈しており、配当優待利回りは2.64%となります。
業績を確認していきます。
■2013年12月期 売上高 25.2億円、経常利益 0.9億円 EPS 37.7円
■2014年12月期 売上高 27.0億円、経常利益 0.9億円 EPS 34.5円
■2015年12月期 売上高 45.9億円、経常利益 5.5億円 EPS 158円
■2016年12月期 売上高 47.4億円、経常利益 2.1億円 EPS 41.7円
■2017年12月期 売上高 88.8億円、経常利益 6.1億円 EPS 116.8円 ce
□2017年6月中間 売上高 29.0億円、経常利益 0.5億円 EPS 9.2円 ce
2016年12月期の売上高は前期比3.2%増の47.4億円、経常利益は同62.2%
減の2.1億円となり、期初予想を大きく下回って着地しました。新築分譲で
浅草橋2棟の引渡があったものの、松本(蟻ケ崎台)の年内引き渡しが遅れた
ことが主因で、売上高は24億円・経常利益は3.5億円もショートしました。
進行期である2017年12月期の売上高は87.4%増の88.5億円、経常利益は
190.3%増の6.1億円を見込んでいます。今期にその殆どが持越しになった
松本の本格販売と、浅草橋の残住戸、武蔵浦和のリノベマンションの販売が
進捗する予定です。しかしながら、前の期に下方修正の原因となった松本の
販売状況は芳しくない模様で、4月に全戸大幅値下げ(ex.3,290→2,780万円
/85㎡)しているので、93戸の大型物件だけに業績下押しインパクトが懸念
され、大幅値下げが予算にどこまで織り込まれているのかはわかりません。
なお、中計として3年後の2019年12月期に売上高120億円(CAGR36%)、経常
利益は10億円(CAGR70%)を予想しています。一見すると妄想レベルの計画
値ですが、当社も10年前は売上高90億円弱くらいはあったので、利益がつい
てくるかどうかは別として、本来の地力を考慮すると可能な範囲ではあります。
当社はどちらかというと、新築というよりインテリックスのようなアッパー物件
の買取リノベ販売を得意としていましたが、最近では福岡エリアでの集中展開
を意図している模様です。昨年開業したアイランドシティの商業施設にくわえ、
天神の新築宿泊施設、果ては物流施設の取得など、まずエリアありきで様々な
アセットに手を出しているので、福岡のポテンシャルに期待する形となります。
そしてこの中計達成のためには、かなりの財務余力が必要となりますが、自己
資本比率は14.1%(一年前は26.8%)まで悪化しているような状況のため、この
辺で資本増強が望まれます。直近の増資は2014年8月の関係者への三者割で
4億円(100万株@400円)を調達しています。いちおう足許の株価水準は400円
をクリアしており、会社側がIRでのメディア露出を増やしたり、株主優待制度
を導入→拡充したりしているのを見るに、タイミングを計っているような印象
を受けます。この辺はディア・ライフを参考にしているものと推察されます。
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