構造改革完了で、CCCは更に触手を伸ばすのか?アマナ(2402)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2402】アマナ(東証マザーズ) ---

現在値 727円/100株 PER16.4 PBR2.26 無配 12月配当優待

CG制作、Web販促強い広告会社。ストック写真販売と両輪。
前の期は無配であり、今期の配当も現時点では予想無しとなっています。

アマナは株主優待制度を導入しており、12月末時点の単元株主に対して、北海道東川

町産の新米2kgを進呈しておりますので、米を1kg440円で換算した場合の配当優待利回

りは約1.21%となります。なお、別途長期保有優遇制度があり、継続1年で+2kg、継続3年

で+4kgとなるため、この場合に同利回りはそれぞれ2.42%、3.63%となります。

業績を確認していきます。  
■2015年12月期 売上高 196億円、営業利益▲11.3億円、EPS▲314円 
■2016年12月期 売上高 214億円、営業利益 3.8億円、EPS▲6.3円 
■2017年12月期 売上高 217億円、営業利益 7.7億円、EPS 78.8円 

■2018年12月期 売上高 229億円、営業利益 5.5億円、EPS 4.3円 

■2019年12月期 売上高 235億円、営業利益 8.0億円、EPS 44.2円 ce

□2019年3月1Q 売上高 54.3億円、営業利益 0.3億円、EPS▲25.2円(5/9)
□2019年6月2Q 売上高 110億円、営業利益 1.0億円、EPS 10.1円 四e

2018年12月期の売上高は前期比2.5%増の222億円、営業利益は同29.0%減の5.5億円

となり、売上高は予算レンジの下限、増益を見込んでいた利益も下振れとなりました。

食品業界やスポーツ関連などを中心に、ヴィジュアルの企画・制作に留まらない映像

制作やイベントの企画などのコンテンツの企画・制作の一括受注が増加したものの、

人員の増加および外注費の増加により利益が圧迫されました。

 

進行期である2019年12月期の予算については、売上高は前期比5.4~10.8%増となる

235~247億円、営業利益は45.4%増の8.0億円を予想しています。売上高のみレンジで

開示しているのは、当社が売上高をKPIとして認識しておらず、売上高から外注経費を

控除した“事業付加価値額”をKPIとして認識していることに由ります(要は殆ど外注とな

る受注はトップラインだけ過度に膨らむ一方、利益は僅少であり実態にそぐわない為)。

また、受注から売上計上まで1ヵ月程度のため、受注残高を明らかにしていませんが、

今期は家電や自動車業界向けの東京五輪需要が膨らむものとみられます。既に開示

済の1Qは利益進捗が悪いものの、当社は下期偏重傾向があるので判断出来ません。


当社は2013-2015年の3年中計期間を「モデル変革期」と位置付け、対象の3年間で

売上高1.4倍増を達成しました。そして今期を最終年度とする2016-2019の4年中計期

間を「収益力向上期」と位置付けており、営業利益を5億円→10億円へと倍増させる

計画でしたが、既述のとおり今期の営業利益予算は8億円のため、数値的には未達

となる公算でる。それでもはっきりとした収益の改善傾向は確認でき、クラウド型案件

管理システムであるACPの活用や、自社メディアやイベントによる営業効率化、営業

活動可視化システムの導入などにより、トップラインの伸びは兎も角としても、7年を

費やした構造改革自体はそれなりに進展した印象を受けます。そのため、中計最終

年度である今期は、利益体質に戻ったかどうかを確認する上での試金石となります。

業績面以外の観点では、相変わらずCCCが第2位の大株主(10.4%)に君臨しており、

当社役員でもありCCC創業者の増田宗昭氏が幅を効かせている模様です。CCCは

2016年に同業のフォトクリエイトをTOBで完全子会社にしたほか、2018年にも同業の

「カメラのキタムラ」に約180億円を投じて、同様にTOBで完全子会社化しています。

そのため、CCCとしては当社にも“そのような”意向があっても不思議ではありませ

んが、当社創業者の進藤社長が依然として持分の約22%を握っているため、あとは

進藤社長の胸先三寸次第・・・といったところかと思います。

 

財務については、利益剰余金が▲4.2億円へと累損が減少して良化しているものの、

自己資本比率は13%台と苦しい状況が続いています。今期も配当予想を無配ではな

く未定にはしているものの、仮に予算通り着地しても配当原資を利益剰余金とするこ

とは依然として出来ない可能性が高いため、結局無配となる公算が高そうです。また、

このような財務状況であるため、もし仮に上述のようなTOBシナリオがあったとしても、

大したプレミアム幅が付与されない可能性も高いため、その点は留意が必要です。

 

*参考記事① 2017-10-25 951円 --- 

持ち直し基調濃厚で、復配は今期か来期か?アマナ(2402)。


*参考記事② 2017-04-14  730円 --- 
大株主CCCとの協業で、今期の復配に期待・アマナ(2402)。

 

 

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 

基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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