大株主CCCとの協業で、今期の復配に期待・アマナ(2402)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2402】アマナ(東証マザーズ) ーーー

現在値 730円/100株 PER17.9 PBR2.46 無配 12月配当優待

CG制作、Web販促強い広告会社。ストック写真販売と両輪。
前の期は無配であり、今期も配当予想もなしとなっています。

アマナは株主優待制度を導入しており、12月末時点で100株を1年以上保有
継続
する株主に対して北海道東川町産の新米2kgを進呈しておりますので、
米を1kg
440円で換算した場合の配当優待利回りは約1.20%となります。

業績を確認していきます。 
■2013年12月期 売上高 187億円、経常利益 1.2億円、EPS 7.8円  
■2014年12月期 売上高 209億円、経常利益▲0.5億円、EPS 1.6円
■2015年12月期 売上高 196億円、経常利益▲11.8億円、EPS▲294円 
■2016年12月期 売上高 215億円、経常利益 3.1億円、EPS 18円 
■2017年12月期 売上高 232億円、経常利益 4.2億円、EPS 44.2円 ce
□2016年6月中間 売上高 97.3億円、経常利益 2.8億円、EPS 32.2円 四e

2016年12月期の売上高は前期比9.5%増の215億円、経常利益は黒字転換の
3.1億円となり、期初予想を上回りました。ビジュアル・コンテンツ制作の
受託が堅調に推移したことにくわえ、2013年から取り組んでいるacp(業務
用クラウド)活用による案件の共有化や、KPIも売上高から外注費を控除した
事業付加価値額へと変更したことにより、生産性・採算性が向上しました。


進行期である2017年12月期通期については、売上高が8.1%増の232億円、
経常利益は32.5%増の4
.2億円を見込んでおり、特に前の期に稼働人員を
1,194→1,096人に絞り込んだことで、人件費軽減が通期で寄与するため、
採算性が大幅に改善する見込みです。また採算性だけでなくトップラインに
関しても、本邦広告市場が5年連続でプラス成長していることと、および、
ネット広告が依然2桁成長していることを背景に、続伸する見通しです。


当社は2013-2015年の3年中計期間を「モデル変革期」と位置付け、労働
集約型ビジネスモデルからの脱却を目指し、上述の社内構造改革を実施し、
この3年間で売上高1.4倍増を達成しました。そして今期(2017年12月期)
から始まる新3年中計期間は「収益力向上期」の位置付けであり、本格的な
収益の刈り取りが始まる見込みです。クラウドのacpの活用やAIとの融合で
更なる効率化を進め、営業利益を3年で5億→10億円に倍増させる計画です。

ここで鍵となってくるのが、当社第2位の大株主(10.87%)に躍り出たCCCと
の協業です。かの有名なCCC代表の増田氏は当社の社外役員を6年に渡り
勤めており、今回も無事に再任されておりますが、これまでと決定的に違う
のは、CCCが昨年秋に同業のフォトクリエイトをTOBで完全子会社に収めた
ことです。フォト社は全国で提携カメラマンを抱えているほか、結婚式場や
学校・幼稚園などの写真得意先を有しているため、協業することで相当程度
のシナジー効果が見込まれますので、今後はその辺の動きが注目されます。

というわけで、直近4期に渡る構造改革期は先行投資・事業整理損・のれん
の減損・持分法投資損等により、相応の財務負荷がかかっており、依然と
して利益剰余金が約6億円マイナスとなっており、配当が難しい状況です。
ただ今期の業績が会社予想水準で収まるのであれば、資本剰余金振替で
復配が見えてくる状況までは改善しているので、期待したいと思います。
(※会社側も株主通信で"早期復配"への意欲を匂わせています。)



*参考記事① 2015-09-20 815円 ーーー
LINEに続きグリーとも提携、売上好伸長のアマナ(2402)。

*参考記事② 2015-04-07 851円 ーーー
中計3年間で売上高は急拡大、LINE関連銘柄・アマナ(2402)の短評。

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