光通信出身社長の“大ナタ”で、初めての無配転落へ・三光マーケティングフーズ(2762)。 | なちゅの市川綜合研究所

なちゅの市川綜合研究所

「別に勝たなくてもいいので、負けないこと」を志向しております。
本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報等に基づき、作成されています。
当ブログの情報に全面的に依拠することはお控えいただき、最終的なご判断はご自身でお願いいたします。

IMG_4443.jpg

【2762】三光マーケティングフーズ(東証2部) --

現在値 391円/100株 PER当期赤字 PBR1.15 6月無配優待 12月優待

居酒屋『東方見聞録』等を直営展開。焼き牛丼『東京チカラめし』は縮小。
配当基準日は6月末・12月末ですが、今期は無配予想となっています。

 

三光マーケティングフーズは株主優待制度を導入しており、単元株を半年以上保有

する6月末・12月末の株主に対して、飲食料金が30~35%引きとなる優待カードを年

2回進呈しております。なお、保有株数/期間に応じて、上記割引率がアップします。

業績は下記の通りです。 
■2015年6月期 売上高 144億円、経常利益 0.0億円 EPS ▲45円 
■2016年6月期 売上高 137億円、経常利益 3.2億円 EPS 20.4円 
■2017年6月期 売上高 134億円、経常利益 0.4億円 EPS▲20.7円 

■2018年6月期 売上高 124億円、経常利益▲4.2億円 EPS▲115.1円 

■2019年6月期 売上高 110億円、経常利益 ▲8.7億円 EPS▲90.3円 ce修正

□2018年12月中 売上高 54.5億円、経常利益▲5.1億円 EPS▲58.8円(2/13)

2019年12月中間期の売上高は前年同期比15.2%減の54.5億円、経常利益は同赤字幅

拡大となる▲5.1億円となり、期初計画も大きく下回りました。天災・天候不順にくわえて、

店舗設備の老朽化に伴う客離れにより既存店を中心に大きく落ち込みました。利益面

についても、トップラインの落ち込みが主因ながら、人材採用難・人件費の高騰が響き、

大赤字での落着となっています。なお、新店(リブランド)として、御徒町の「楽釜製麺所」

を「つるもちうどん」という女性客を意識した新フォーマットに変えて出店しています。


なお2019年6月期の通期予算についても修正しており、売上高が前期比11.8%減となる

110億円(従予:122億円)、経常利益は▲8.7億円(従予:1.5億円)へと其々減額しています。

今期は新店9店を見込んでいたものの、期初段階で未定としていた退店店舗数は上期

末の時点で既に12店を数えているため、トップラインが押し下げられます。また、既存店

売上高の予算前提についても、当初想定である前年比98%を大きく下回る水準で推移し

ていることから、下期で急速に持ち直すことは考えずらい状況です。


当初新店の展開業態としては、価格訴求力の強い「アカマル屋」「金の蔵」が中心になる

ものと思われましたが、既述のとおり既存店の落ち込みがあまりに激しいため、会社側

は足許での出店を見送っているものと推察されます。その代わりに、上期だけで主力の

「金の蔵」において16店もの内装改装を実施しているため、出店による外部成長よりも、

リニューアル投資による内部成長へと舵を切った模様です。実際、上期でも店舗内装の

固定資産減損で▲3.1億円を計上しており、当面はリニューアル注力となる見通しです。

 

そもそも「金の蔵」は、内装投資額の大きかった「東方見聞録」「月の雫」の店舗を居抜き

で業態変更した店舗が多く、当初のところはこの2業態の立派な個室内装を引き継いだ

上で、低廉なメニューを提供していたので相応の競争力がありました。が、年数も経過し、

内装が陳腐化してきてしまったので、単なる“安かろう悪かろう”店に成り下がってしまっ

たことが昨今の当社凋落の主要因と言えるので、足元のリニューアル投資は、この件に

関する会社側の課題認識を確認出来たことだけは、部分的に評価したいと思います。

 

なお、財務については依然として鉄壁の無借金経営を継続しており、閉店ラッシュにより

差入敷金もCFとして戻ってきたリしていますが、今後の改装投資のための資金需要を

想定して通期の配当は無配へと修正しています。当社が無配に転落するのは、上場来

初めてのことかと思いますが、これも平林一族の同族経営から光通信出身の長澤社長

へとスイッチされ、大ナタが振るわれてることの証左だと考えたいと思います。

 

*参考記事① 2018-11-09 --

平林一族の“院政入り”に合わせ、タコ配もついに減配へ・三光マーケティングフーズ(2762)。


*参考記事② 2017-10-21 996円 --
業態の絞り込みに「迷い」も、三光マーケティングフーズ(2762)。

 

 

会社四季報 2019年2集・春号 [雑誌]

新品価格
¥2,200から

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 

特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 

基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


このエントリーをはてなブックマークに追加にほんブログ村