海外ゴタつくも、今期は順調な業績進捗を確認・ユニバーサル園芸社(6061)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【6061】ユニバーサル園芸社(東証JQS) ---

現在値 1,610円/100株 PER14.3 PBR1.17  6月配当優待 12月優待

オフィスなどへの観葉植物レンタル大手。園芸・生花などの小売を拡大。
配当金は6月末の年1回20円のため、配当利回りは約1.24%となります。

 

ユニバーサル園芸社は株主優待制度を実施しており、単元株を保有する6月末の株主

に対して2,000円分、12月末の株主に対して1,000円分のクオカードをそれぞれ進呈して

おりますので、配当優待利回りは3.10%となります。

業績を確認していきます。
■2015年6月期 売上高 40.1億円、経常利益 5.9億円 EPS 94.1円    
■2016年6月期 売上高 58.4億円、経常利益 7.4億円 EPS 102.9円 
■2017年6月期 売上高 71.8億円、経常利益 9.3億円 EPS 130.1円 

■2018年6月期 売上高 73.5億円、経常利益 8.0億円 EPS 84.0円 

■2019年6月期 売上高 83.3億円、経常利益 8.4億円 EPS 112.4円 ce
□2018年12月中 売上高  39.2億円、経常利益 3.9億円 EPS 46.9円(2/13)

2018年12月中間期の売上高は前年同期比10.7%増の39.2億円、経常利益は同6.3%増

の3.9億円となり、増収増益となったほか、期初予算に対しても上振れして着地しました。

主力のグリーン事業については、海外において2015年に買収したローリング社の人材

流出にともなう売上の減少基調が継続した一方で、国内については企業景況感の改善

にともないレンタル件数が順調に増加したため、全社業績が押し上げられました。また、

償却負担が重く利益貢献はほぼないものの、卸売事業・小売事業の両セグメントともに

2桁幅の売上高伸長となったため、大局的には非常に順調な内容の決算となりました。

なお、2019年6月期の通期予算については期初のものを据え置いており、売上高が前

期比13.2%増の83.3億円、経常利益は4.7%増の8.4億円とトップライン段階から2桁幅の

成長を予定しています。グリーン事業については、首都圏の新規オフィス需要増とその

受け皿として8月に江東区に東京中央支店を新設済であり、フル稼働する下期からは

受注の増加が期待されます。海外事業については、引き続きローリング社の混乱が足

を引っ張る見通しではあるものの、昨年6月に買収し、7月から連結対象となったシンガ

ポールのミラージュ社の業績も下期からフルに寄与します。そのため、中間時点では

ビハインドしている売上高は通期で巻き返す可能性が高く、一方で利益進捗は上振れ

て進捗しているため、今期は予算を達成する公算が高そうです。

 

当社は、中期的な目標として、2021年6月期の売上高を100億(CAGR14%)、経常利益を

13.0億円(CAGR15%)とする定量目標値を置いています。当社の本拠地は関西ですが、

既述の東京中央支店の新設に代表されるとおり、ビル新設も多く、オフィス市況も良好

な関東エリアに注力しており、足元6ヵ月の状況では関西・関東の両エリアとも年率15%

程度売上高が伸長しているため、トップラインはまずまず計画通りといえそうです。

 

またこうした国内事業のオーガニック成長以外の施策として、2015年・2016年にアメリカ

では一気に3社(一部事業譲渡を含む)をMAしており、海外事業の業容を拡大しています。

また、昨年6月に買収したミラージュ社もシンガポールのホテルやオフィス向けに強みを

持つ年商5.6億円・営業益4千万円の優良成長企業ではありますが、この会社の買収も

のれん代の償却が出る案件なので、こと海外事業については売上伸長のわりに利益が

伸びない(というか赤字)ため、全社の中計利益予算は達成が難しそうな雲行きです。

 

なお、配当に関しては今期も据置の20円を予想しています。当社は実質無借金で良好

な財務状況を維持しているため、配当性向が2割(今期予想17.8%)を切っている現状は

還元不足の感が否めないものの、当社の場合はコンスタントに手金を使って機動的に

買収しているので、“成長原資”として財務を温存しているものとみられます。そのため、

当社については株主還元を期待しないグロース株であることを大前提として、引き続き

評価していきたいと思います。

 

*参考記事① 2018-11-04 1,662円 

相次ぐ海外MAで業容拡大も、指定替えには要時間?ユニバーサル園芸社(6059)。

 

*参考記事② 2018-03-16 1,905円

米国子会社のれん重く、今期横ばい圏だが増配も・ユニバーサル園芸社(6061)。

 

 

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