3年中計の達成見込を公表、更なる配当積み増しに期待・日本毛織(3201)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3201】日本毛織 (東証1部) ---

現在値 930円/100株 PER10.7 PBR0.77 5月配当優待 11月配当優待

羊毛紡織の有力会社だが、利益柱は商業施設賃貸。介護・売電も展開。
配当は5月末・11月末の年2回・合計24円配当のため、配当利回りは2.58%となります。

ニッケは株主優待制度を導入しており、5月末・11月末に単元株を保有する株主に対し、

500円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.65%となります。

業績を確認していきます。 
■2015年11月期 売上高 1,028億円、営業利益 73億円、EPS 62.2円
■2016年11月期 売上高 1,009億円、営業利益 76億円、EPS 67.8円
■2017年11月期 売上高 1,034億円、営業利益 83億円、EPS 71.5円

■2018年11月期 売上高 1,105億円、営業利益 83億円、EPS 72.2円(1/11)

■2019年11月期 売上高 1,200億円、営業利益 90億円、EPS 86.6円 ce
□2019年5月2Q 売上高 540億円、営業利益  37億円、EPS 32.3円 四e

 

2018年11月期の売上高は前期比6.8%増の1,105億円、営業利益は同0.2%増の83億円と

なり、ほぼ期初予想水準での着地となりました。衣料繊維事業については、羊毛原材料

高騰により収益が圧迫されたほか、産業機材事業においては2Qに産業商社のエミーを

新規連結して増収を確保したものの、釣具新製品の立ち上がり遅れが響き、両セグメント

ともに減益となりました。その一方、不動産関連事業については、「コルトンプラザ(市川)

」の一部改装休業があったものの、「パークタウン(加古川)」の改装効果が継続したほか、

施設介護・訪問介護・保育事業などが伸長したため、利益柱の当該セグメントが全社業

績を押し上げた格好となりました。


進行期である2019年11月期の予算については売上高が8.6%増の1,200億円、営業利益

は7.5%増の90億円を見込んでいます。衣料繊維事業については、五輪のユニフォーム

特需が見込まれるほか、中国市場における学生服の販売拡大が期待されるため、原料

価格の高止まりはあるものの、大幅良化する公算です。また、産業機材事業についても、

EV/自動運転の市場拡大を追い風に、車載電装品関連のFA機器が伸長する見通しです。

また、不動産事業についても、「コルトンプラザ(市川)」で改装休業による押し下げが無く

なるほか、介護事業・保育事業も続伸となる見込みであるため、生活流通事業を含めた

全てのセグメントで増収増益予想となっており、全社の業績の伸びは拡大する公算です。


当社は今2019年11月期を最終年度とする中計「NR130一次中計」において、3年後の売上

高1,200億円(CAGR6%)、営業利益90億円(CAGR6%)を目指していましたが、今期の単年度

予算はこの中計に則したものになっているほか、マテリアルで“中計達成見込”、と謳って

いるため、表記業績自体は鉄板かと思われます。内容で見ると、本業の衣料繊維事業が

戦略新商材(MIRAIZ)の拡販遅れや、原料高で苦戦しているものの、その他のセグメントで

カバー出来ている模様です。なお、本中計期間で260億円の投資を行う計画となっており、

衣料繊維事業における高機能材のR&D費用や、中国におけるフィルターの製造、加古川

・市川の2大商業施設の改装等に資金を投じていく方針となっており、一次中計の達成が

射程に入った現状においては、二次中計達成に向け、これらの投資が順調に進捗するか

否かが今期の見所となりそうです。

 

また、昨年8月に毛織物染色大手であるソトー(3571)、の株式95万株を買い集めしており、

発行済株式の8.4%を握って、筆頭株主(9.2%)であるダイドーリミテッド(3205)に次ぐ第2位

株主へと躍り出ています。ソトーとは元より協業関係にあるほか、筆頭株主であるダイドー

リミテッドの業績は目下絶不調でリストラ中であるため、同社がソトー株を一括売却に動く

可能性もあり、当社は同業であるほか保有不動産が多いソトーの受け皿としては親和性

も高いため、かような観点でも業容拡大チャンスの目があります。(尚、ダイドーリミテッド

も同業かつ不動産事業が強力で、“NEW YORKER”も有するので、買収出来るとおいしい)

 

なお、株主還元に関しては配当性向30%(ROE7%)を基準としているものの、期初時点では

2円増配となる24円配当を予想しています。ただ当社はほぼ実質無借金であるとともに、

200億円にも及ぶ投資有価証券を保有しているため、財務の状況も盤石であることから、

中計に掲げる業績目標の達成が見えてくるであろう期末の頃合にかけて「26円+α円」

へ積み増すと予想します(予算通りなら、配当性向は30.4%→27.7%へ下がってしまう為)。

 

*参考記事① 2018-10-30   852円 --

染色大手・ソトー株式を買い集めへ、日本毛織(3201)。

 

*参考記事② 2018-03-11  1,051円 --

一転して8期連続の営業増益を達成、総還元性向も50%超へ・日本毛織(3201)。

 

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 

基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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