一転して8期連続の営業増益を達成、総還元性向も50%超へ・日本毛織(3201)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3201】日本毛織 (東証1部) ---

現在値 1,051円/100株 PER14.6 PBR0.88 5月配当優待 11月配当優待

羊毛紡織の有力会社だが、利益柱は商業施設賃貸。介護・売電も展開。
配当は5月11月の年2回22円配当のため、配当利回りは2.09%となります。

ニッケは株主優待制度を導入しており、5月末・11月末に100株以上を保有する株主

に対して、500円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.04%

となります。

業績を確認していきます。 
■2014年11月期 売上高 1,004億円、営業利益 60億円、EPS 47.2円
■2015年11月期 売上高 1,028億円、営業利益 73億円、EPS 62.2円
■2016年11月期 売上高 1,009億円、営業利益 76億円、EPS 67.8円
■2017年11月期 売上高 1,034億円、営業利益 83億円、EPS 71.5円(1/12)

■2018年11月期 売上高 1,113億円、営業利益 80億円、EPS 71.9円 ce
□2018年5月中 売上高 520億円、営業利益  41.0億円、EPS 36.6円 四e

2017年11月期の売上高は前年同期比2.5%増の1,034億円、営業利益は同9.6%増の

83億円となり、中間時点で増額した予算をさらに上回って着地し、期初の減益予想

から一転して8期連続の営業増益を確保しました。主力の衣料繊維事業においては

秋冬物衣料の販売不振や羊毛原料価格の高騰により当該セグは減収減益となった

ものの、産業機材事業において車載電装品製造のFA装置が好調に推移したほか、

「ニッケパークタウン(加古川)」の改装効果が貢献し、全社業績を押し上げました。

進行期である2018年11月期の予算については、売上高が9.2%増の1,130億円、営業

利益は4.2%減の80億円を予想しています。期初時点では不動産事業における先行

投資のため、9期ぶりの営業減益を予想していますが、アクチュアル期で9億円も上

振れ着地してしまった経緯もあり、保守的な予算を組んでいると推察されます。主力

の衣料繊維事業は原価高の影響が続くも持ち直す見通しであり、産業機材事業は

セグメント減益を予想しているものの、車載電装品FA装置を中心に好調が持続する

とみられ、実際は9期連続の営業増益が十分視野に入りそうです。


当社は2019年11月期を最終年度とする新中計「NR130一次中計」において、3年後

に売上高1,200億円(CAGR6%)、営業利益90億円(CAGR6%)を目標に置いています。

この3年間260億円の投資を行う計画であり、衣料繊維事業における高機能材(高級

学生服素材、防炎素材、防刃素材)分野のRD、中国におけるフィルターの製造、2大

商業施設の改装等に資金を投じていく計画となっています。

 

実際、2017年10月には電気絶縁材料などの産業資材や、プラント設備の輸出入を

手掛ける産業商社のエミー(年商22億円)を買収しています。当社規模を鑑みれば

売上寄与は軽微ですが、久々のMA案件であるほか、22か国に取引先をもつ同社

の買収は、産業機械部門の販路拡大という観点からは意義のある買収といえます。

 

一方、株主還元に関しては配当性向30%(ROE7%)を基準としているため、配当は22

円を据え置く方針です。ただ当社は借金をほぼ手許現金でネットしているほか、198

億円に及ぶ投資有価証券を保有しているため、盤石な財務状況を維持しています。

そのため、足許ではROEの7%基準を意識しだしたのか、急に上期末にかけ12億円

(1.36%)の自社株買いに着手しており、ROEを引き上げにかかっています。そのため

今期の理論上の総還元性向は53%程度になる見通しであり、高還元銘柄へと変貌

出来るか注目したいとことです(商業施設連合で提携関係にある、同業の片倉工業

がオアシスに揺すられている影響もあるのかもしれませんが・・・その辺は謎です。)

 

*参考記事① 2017-09-29  1,020円 --

減益予想から一転、8期連続の営業増益にリーチ・日本毛織(3201)。

 

*参考記事② 2017-03-05 898円 --

7期連続営業増益達成で、新中計へ余裕の移行・日本毛織(3201)。

 

 

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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