【3476】投資法人みらい(東証REIT) --
現在値 190,300円/1株 PER16.6 PBR1.04 4月分配 10月分配
三大都市圏を中心とする総合型。スポンサーは三井物産とイデラCP。
予想分配金は年2回の合計11,400円配で、分配金利回りは約5.99%となります。
業績を確認していきます。
■2017年10月期 営業収益 33.7億円、経常利益 15.2億円 DPU 5,174円
■2018年4月期 営業収益 39.5億円、経常利益 16.9億円 DPU 5,807円
■2018年10月期 営業収益 44.1億円、経常利益 18.6億円 DPU 5,763円(12/13)
■2019年4月期 営業収益 49.5億円、経常利益 22.5億円 DPU 5,700円 ce
■2019年10月期 営業収益 50.2億円、経常利益 22.5億円 DPU 5,700円 ce
2018年10月期の営業収益は当初予算比との比較で4.5億円上振れし44.1億円、経常利益
は同0.4億円下振れの18.6億円となりました。なお、分配金については、当初予想5,600円→
5,668円となり、68円の上振れとなりました。主な増収要因は、昨年5月の第1回POで取得
した「MIテラス名古屋伏見」及び、期中取得した「オリコ博多南ビル」の部分寄与と、奈良
商業施設「ミ・ナーラ」のリースアップの進捗によるものとなります。経常利益段階までは
予算比で下振れしているものの、分配金は多少上振れしているため、受取保険料などの
特別利益が効いているものとみられます。
進行期である2019年4月期の予算は、営業収益が12.2%増の49.5億円、経常利益が20.8%
増の22.5億円を見込んでおります。昨年10月に実施した第2回PO(※後述)により、「六甲
アイランドDC」等を取得したほか、名古屋伏見と博多南が通期稼働することにより、今期
も2桁の増収見込みとなります。このほか「ダイキ和泉中央」のFR期間終了、「渋谷WE」の
テナント入替による増賃等も寄与する見通しです。なお、分配金については32円増となる
5,700円を予想しています。
当法人は昨年10月に上場来2回目のPOを実施しており、IPO価格である@183,000円及び
同年4月の第1回PO価格である@176,962円をも下回る@173,452円、で約90億円を調達
しています。「IPO価格割れ&前回PO価格割れ&NAV割れ」、という三重苦状態での増資
強行となったものの、90億円規模のPOを連打したため、LTVはターゲットとする50%水準
を維持出来ており、期末で48.7%、POを跨いだ今期末予想ベースでも49.0%となっている
ため、ここにきて財務面を意識した運用が目立ちます。第2回POの取得目玉物件である
「六甲アイランドDC」は当法人が“ニュータイプアセット”として定義するオルタナティブな
物件となっており、実質的には日本マクドナルドのディストリビューションセンターとして、
西日本拠点の一つとして供されている施設となっています。テナント側にとっては代替性
が少なく、退去リスクも限定的とみられるため、鑑定NOI5.5%ならまずまずかと思います。
なお、当法人はREITとしては異例となる中期経営計画を策定しており、2020年4月まで
の3年間で、分配金を5,100円→5,700円まで1割強引き上げる目標を置いていましたが、
1年半前倒しで達成しました。そのため、本中計を「Repower 2020-ER」として拡張型に
リバイスしており、足許のREIT業界の分配金平均利回りである4.7%に対して、160bp.も
取られてしまっているリスクプレミアムを、平均水準まで圧縮させる計画としています。
これは、平たく言うと近い将来のPOと外部成長を見据えた株価コンシャスの施策であり、
“何はともあれ株価を上げる”という当法人側からのメッセージかと思われます。具体的
にはLTVをさらに下げて45%水準に落とすほか、上位3物件へのポートフォリオの集中を
分散させることで安定性を向上させ、リスクプレミアムを剥がしていく方針です。
そのため、例えば本年4月に実施予定の投資口の4分割(とそれにと伴う投資家拡大)も、
そういったなりふり構わぬ株価対策の一環とみられますので、今後は直近数期のような
目覚ましい分配金の増加は期待出来ないものの、その分株価の面では少し期待出来る
のかもしれません。
*参考記事① 2018-10-03 194,900円 —-
念願の初回PO実現、DPU5,700円は射程圏・投資法人みらい(3476)。
*参考記事② 2018-02-26 187,100円 —-
念願の公募奪回でPOによる外部成長チャンス、投資法人みらい(3476)。
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