【6097】日本ビューホテル(東証1部) ---
現在値 1,141円/100株 PER35.8 PBR0.85 4月配当優待 10月優待
栃木県発祥。各地でビューホテル運営、遊園地も。民再申請から再建。
配当金は4月一括の22円の配当のため、配当利回りは1.93%となります。
日本ビューホテルは株主優待制度を導入しており、4月・10月に単元株を保有する株主に
対し、2,000円分の優待券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約5.43%となります。
業績を確認していきます。
■2015年4月期 売上高 181億円、経常利益 10.5億円 EPS 61.3円
■2016年4月期 売上高 197億円、経常利益 12.5億円 EPS 73.1円
■2017年4月期 売上高 201億円、経常利益 13.0億円 EPS▲158円
■2018年4月期 売上高 212億円、経常利益 6.0億円 EPS 31.5円
■2019年4月期 売上高 220億円、経常利益 6.5億円 EPS 31.8円 ce
□2018年10月中 売上高 108億円、経常利益 3.6億円 EPS 21.9円(12/5)
2018年10月中間期の売上高は前年同期比変わらずの108億円、経常利益は同19.9%減
の3.6億円となり、約2割の減益となったものの、概ね期初予想水準での落着となりました。
5月に開業した大阪VH本町(170室)がほぼフルで寄与したほか、改装明けの浅草VHが
巡航稼働に戻ったものの、年商9億円あった高崎VHが営業譲渡で剥落したため、複数の
増収要素を完全に打ち消ました。また、利益面については、大阪VHの開業負担にくわえ、
りんどう湖LVにおいて新アトラクション導入にともない広告費を積み増したものの、天候
不順の影響を受け、償却費だけが重くのしかかる格好となり、採算性が悪化しました。
なお、2019年4月期の通期予算については期初予想を据え置いており、売上高が前期比
3.3%増となる220億円、経常利益に関しては8.0%増の6.5億円を予想しています。上期時点
の主要直営ホテル合計ADRは前期末から11,177円→11,973円へと飛躍的に増加していま
すが、これは新築の大阪本町が入って、築古の高崎が外れたなど物件の入り繰りによる
影響が大きく、ADRのトラック連続性が途切れており、あまり参考になりませんが、当社の
レベニューマネジメントとしては引き続きADR重視の施策を採っている模様です。なお、
上期決算(10月)までで、札幌の地震影響や関西の台風・悪天候の影響などはオンハンド
予約ベースでも織り込んでいると推察されるため、通期予算は達成可能圏とみられます。
(ADRと一緒に稼働率も上ってしまっているため、バッファが少なくなっている点は注意)
今期は2021年4月期に売上高250億円、経常利益23.0億円をめざす4年中計の2年度目と
なっておりますが、既に「今期予算V.S.中計マイルストン業績目標」では売上高で10億円、
経常利益で4億円もショートしているため、1年経過時点で早くも未達圏に突入しています。
本中計期間で117億円もの投資を行う計画となっておりますが、旗艦の浅草VHを中心に
ER工事(建物保守工事)だらけであり、客室単価に跳ねてこない投資なのがネックですが、
アップサイドが見込めるものとしては2020年5月にWINS浅草の前で松竹(9601)より建物
を賃借して浅草VH別邸(200室)を開業する計画となっています。ただ昨年開業した大阪
本町とこの浅草別邸以外は名有りとなっている開業予定ホテルもないため、本中計達成
の如何についてはインバウンドの増加や五輪特需などの外部要因頼りの“お祈りモード”
というのが正直なところであり、早急に減額ローリングした方がよいと考えております。
株主還元に関しては、今期も据置の22円配当を予想しておりますが、配当性向は70%弱
に達しているため、当面はこれが限界かと思われます。札幌稼働開始にともなうリース
債務増加はありましたが、自己資本比率は4割程度を維持しているため、足許でホテル
の売買・開発市況が少し落ち着いてきていることを踏まえると、リスクを取って自己所有
ホテルを増やすことも選択肢としてあり得る筈なので、ここからは株主還元よりも積極的
な外部成長施策に期待したいところであります。
*参考記事① 2018-10-13 1,392円 ---
筆頭株主のヒューリックがあてにならず、中計未達圏へ・日本ビューホテル(6097)。
*参考記事② 2018-03-02 1,531円 ---
通期上方修正も、建物保守工事への投資が重い・日本ビューホテル(6097)。
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