【6097】日本ビューホテル(東証1部) ---
現在値 1,531円/100株 PER60.0 PBR1.16 4月配当優待 10月優待
栃木県発祥。各地でビューホテル運営、遊園地も。民再申請から再建。
配当金は4月一括の22円の配当で、配当利回りは1.44%となります。
日本ビューホテルは株主優待制度を導入しており、4月末・10月末に100株以上を
保有する株主に対して、各2,000円分の優待券を進呈しておりますので、配当優待
利回りは約4.04%となります。
業績を確認していきます。
■2014年4月期 売上高 176億円、経常利益 7.7億円 EPS 44.4円
■2015年4月期 売上高 181億円、経常利益 10.5億円 EPS 61.3円
■2016年4月期 売上高 197億円、経常利益 12.5億円 EPS 73.1円
■2017年4月期 売上高 201億円、経常利益 13.0億円 EPS▲158円
■2018年4月期 売上高 220億円、経常利益 7.1億円 EPS 25.5円 ce修正
□2017年10月中 売上高 108億円、経常利益 4.6億円 EPS 18.4円(12/8)
2017年10月中間期の売上高は前年同期比5.8%増の108億円、経常利益は同38.3
%減の4.6億円となり、ほぼ期初予算水準を確保しました。5月に旧オペレーターの
東京ドームからのリプレイスで受注した朝日生命所有の札幌ビューホテル(VH)の
寄与があったほか、レベニューマネジメントの推進により、主要直営8ホテル合計
のADRは前々期末比で10,568→11,158円へ上伸しました。ただ旗艦の浅草VHに
関しては、8月のお盆明けに大型工事(※後述)によるクローズ期間があったため、
前年同期比では利益を押し下げる結果となりました。また、遊園地のりんどう湖
レイクビューも夏場の長雨の影響を受け、当該セグは減収減益となっています。
なお、中間時点で2018年4月期通期の予算を修正しており、売上高は前期比9.0
%増の220億円の予想を据え置いたものの、経常利益に関しては同45.6%減の7.1
億円(従予:6.1億円)と期初より多少増額しています。増額しても通期で大幅減と
なるのは、旗艦の浅草VHにおいて受変電設備の更新(CPX7.5億円)と、1Fロビー
の改修工事(CPX11.7億円)等の大型工事を実施したことで、全館休業日が21日
も発生することが主な要因となります。それでも当該工事費用が一部“安上がり”
だったことや、浅草VHのADRは前々期末比で20,557→21,290円に上伸している
ほか、改装工事期間中もジリ高であったため、12月1日の全面リニューアル後は、
さらにADRが上昇することが期待されます。また、ここ数期のOCCも80%台後半で
なお稼働余地があり、改装後はADRよりRevPARの伸びに期待したいところです。
今期は2021年4月期に売上高250億円、経常利益23.0億円をめざす中計初年度
となっており、この4年間で117億円の投資を行う計画ですが、旗艦の浅草VHを
中心にER工事(建物保守工事)だらけですので、そこはあまり期待出来ません。
これ以外の成長プランは、現在11ある施設の直営ホテル・旅館数を13施設へと
増加させる外部成長施策であり、大阪本町(170室)の開業を控えているものの、
その一方で高崎は閉鎖となることもあり、拠点数はなかなか積み上がりません。
救世主となりえるのは、当社筆頭株主で同じくみずほ系のヒューリック(3003)が
当社のオペレーター受注を前提とした協業意志があることで、同社のマテリアル
にもその旨の記載もあるので、あとはヒューリックのやる気次第かと思います。
(※同社も自社オペレーターを有し、足許は高級旅館に注力中なのは割引要素)
ちなみに株主還元に関しては、今期も据置の22円配当を予想しており、2期連続
のタコ配見込となります。ただこのタコ配は借地権評価減損や、更新で撤去する
設備の減損なので、内容はさほど悪性のものではなく、札幌の建物(リース負債)
にくわえ、今後は大阪本町の建物(リース負債)により、更なる財務悪化が見込ま
れるものの、自己資本比率は30%台で踏みとどまると推察されるため、タコ配する
体力は残りそうな印象です。ただ、向こう数期はER工事等の資金需要もあること
から、記念配以外の増配や、今期頭に実施した5億円に及ぶ自社株買いのような
株主還元は当面期待薄かと思われます。
*参考記事① 2017-09-28 1,398円 ---
4年中計は雌伏期も、連続タコ配で積極還元・日本ビューホテル(6097)。
*参考記事② 2017-01-25 1,351円 ---
新中計は投資負担重く期待外れ、日本ビューホテル(6097)。
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