【6097】日本ビューホテル(東証1部) ---
現在値 1,392円/100株 PER43.7 PBR1.06 4月配当優待 10月優待
栃木県発祥。各地でビューホテル運営、遊園地も。民再申請から再建。
配当金は4月一括の22円の配当で、配当利回りは1.58%となります。
日本ビューホテルは株主優待制度を導入しており、4月・10月に単元株を保有する株主に
対し、2,000円分の優待券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約4.45%となります。
業績を確認していきます。
■2015年4月期 売上高 181億円、経常利益 10.5億円 EPS 61.3円
■2016年4月期 売上高 197億円、経常利益 12.5億円 EPS 73.1円
■2017年4月期 売上高 201億円、経常利益 13.0億円 EPS▲158円
■2018年4月期 売上高 212億円、経常利益 6.0億円 EPS 31.5円
■2019年4月期 売上高 220億円、経常利益 6.5億円 EPS 31.8円 ce
□2018年7月1Q 売上高 53.7億円、経常利益 0.9億円 EPS▲0.5円(9/6)
□2018年10月中 売上高 110億円、経常利益 4.0億円 EPS 23.3円 ce
2018年4月期の売上高は前期比5.5%増の212億円、経常利益は同53.9%減の6.0億円と
なり、利益は期初予算の水準を確保したものの、中間時点の増額修正予算に対しては、
1億円ほどショートして着地しました。増収要因は、昨年5月に旧オペレーターである東京
ドームからのリプレイスで受注し札幌ビューホテル(VH)の寄与があったほか、レベニュー
マネジメントの推進により、主要直営8ホテル合計ADRは前々期末比で10,568→11,177円
へ上伸したことが主な要因です。その一方で、旗艦の浅草VHにおいて、受変電設備更新
や1Fロビーの改修に20億円を投じており、その工期中は22日間もの休業が生じたため、
経費のみ非常に重くのしかかり、全社利益ベースでは大幅な減益となりました。
進行期である2019年4月期の予算については、売上高が3.3%増となる220億円、経常利益
に関しては8.0%増の6.5億円を予想しています。本年5月に開業した大阪VH本町(170室)が
ほぼ通期で寄与するほか、改装明けとなる旗艦の浅草VHが、365日稼働への復元とADR
の上伸効果が見込まれます。一方、年商9億円程度あった高崎VHが昨年末に営業終了と
なり、製菓業のドンレミー社に営業譲渡しているため、売上高は小幅な伸びに留まります。
また、利益に関しても数多くの増収要素のわりに伸び幅が甘くなっていますが、これは大阪
VH本町の開業経費にくわえ、相当程度の人件費増加を見込んでいるせいかと思われます。
今期は2021年4月期に売上高250億円、経常利益23.0億円をめざす4年中計の2年度目と
なっておりますが、既に「今期予算V.S.中計マイルストン業績目標」では売上高で10億円、
経常利益で4億円もショートしているため、1年経過時点で早くも未達圏に突入しています。
本中計期間で117億円もの投資を行う計画となっておりますが、旗艦の浅草VHを中心に
ER工事(建物保守工事)だらけであり、他ホテルもEVやエスカレーター更新など、直接的
にADRにハネてこない投資が多い一方で、人件費やリネン関係などの運営費用の増加
が効いてきているものと推察されますので、構造的にも中計達成は難しいと思われます。
また、当社筆頭株主となった同じくみずほ系のヒューリック(3003)との協業が全く進んで
おらず、同社の強烈な成長モメンタムを活かした外部成長がまるで出来ていないことも
割引要素であり、なぜかWINS浅草の目の前で松竹(9601)から賃借して、浅草VH別邸の
開業を進めているような状況であるため、ヒューリックはまるでアテになりません。
なお株主還元に関しては、今期も据置の22円配当を予想しており、タコ配圏は既に脱し
たものの、予想配当性向は70%弱に達しているため、当面はこれが限界かと思われます。
また、札幌VHもリース負債で算入してきているため、自己資本比率も40%フラット圏まで
更に悪化しているため、自社株買い等も当面は期待出来ないと思われます。おそらく、
株主優待制度の有効期限を1年間に延ばして制度拡充したのは、株主還元面で打てる
方策が少ないため、“苦肉の策”として繰り出した一手かと想像されます。
*参考記事① 2018-03-02 1,531円 ---
通期上方修正も、建物保守工事への投資が重い・日本ビューホテル(6097)。
*参考記事② 2017-09-28 1,398円 ---
4年中計は雌伏期も、連続タコ配で積極還元・日本ビューホテル(6097)。
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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
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