【8591】オリックス(東証一部) ---
現在値 1,648円/100株 PER6.49 PBR0.75 3月配当優待 9月配当
総合リース首位。事業多角化、海外展開は業界では突出。MA積極的。
予想配当金は年2回・合計76円のため、配当利回りは約4.61%となります。
オリックスは株主優待制度を実施しており、3月末に単元以上を保有する株主に対して、
5,000円分のカタログギフトを進呈しておりますので、配当優待利回りは7.64%となります。
なお、3年以上保有の場合は進呈額が倍になりますので、同利回りは10.67%となります。
また別途、当社施設等でのサービスが受けられる株主優待カードも進呈しています。
業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 21,742億円、最終利益 2,349億円 EPS 179円
■2016年3月期 売上高 23,692億円、最終利益 2,601億円 EPS 198円
■2017年3月期 売上高 26,786億円、最終利益 2,732億円 EPS 208円
■2018年3月期 売上高 28,627億円、最終利益 3,131億円 EPS 244円
■2019年3月期 売上高 27,843億円、最終利益 3,265億円 EPS 255円 con
□2018年9月中 売上高 12,620億円、最終利益 1,550億円 EPS 121円
□2018年12月3Q 売上高 17,961億円、最終利益 2,362億円 EPS 184円(1/28)
2018年9月中間期の売上高は前年同期比16.9%減の1兆2620億円、最終利益は同6.6%減
の1,550億円となり、期初予想との比較はないものの、コンセンサス水準を割り込み、減収
減益着地となりました。不動産事業においては傘下のオリックスJ-REIT(8954)に対して、
ホテルユニバーサルポート(600室)を340億円で売却して前期並の数字を確保したものの、
海外事業におけるインド投資会社IL&FSの減損影響(持分23%&減損額115億円)や、事業
投資セグにおいて、前期のPE事業における大口株式売却案件の剥落影響が大きく響き、
全社の業績を押し下げました。これ以外では、リテールの保険事業が新規契約高の増加
により好調だったほか、自動車リースも堅調でしたが、業績穴埋めには至りませんでした。
なお、2019年3月期の通期予算については例年通り段階利益等の詳細を開示していない
ものの、コンセンサス予想によれば、売上高が2兆7843億円・最終利益は3,265億円程度が
現時点で見込まれております。但し、1月28日に既に開示されている3Q決算によれば9ヶ月
累計の最終利益は2,362億円に留まっており、鈍い進捗となっています。元より今期は前期
における米国税制改正を起因としたDTL取崩益200億円の剥落が見込まれていたものの、
期中発生イベントである大京の完全子会社化とDTL取崩益発生(270億円)によりオフセット
される見込みでしたが、リテールにおいて旧ハートフォード生命の会計上の損失(60億円)、
金融サービス事業の株式評価損や、海外の運用残高減少が利益を足を引っ張っています。
大きなトピックとしては、2Q時点でマンション専業大手の大京(8840)を@2,970円で770億円
を追加投資し、完全子会社に収めました。これにより、既に68%保有していた持分が上乗せ
されることになり、年ベースで50億円弱の最終利益寄与が見込まれます。これまで当社は
事業投資セグで同社株式を保有していたことから、いずれ売りに出すものとみられていま
したが、今後は本体の不動産事業(オリックス不動産)と協業していく形となりました。同社
はこれまでのマンション分譲数が多く、管理戸数も多いため、フロービジネスが多い当社
グループにとっては、ストック収入基盤として安定的に業績寄与することが期待されます。
なお、2021年3月期まで続く中計の定量目標である年間純益成長率「4~8%」、ROE「11%」
については、会社側のアウトルックとして堅持されている印象であり、業績目標以外の最
重要ポイントである株主還元策については、中間時点において配当性向が前期から一気
に3%も引き上げられて、ついに30%水準にまで達しました(通期配当予想は76円)。また、
中計提示レベルにおいて来期の利益成長を前提とすれば、来期は年80円配当が射程に
入る水準であるため、業績伸長は兎も角、利回り的には相当な妙味が出てきた印象です。
*参考記事① 2018-02-13 1,874円 ---
新3年中計の利益CAGRは4~8%、配当性向は27%へ・オリックス(8591)。
*参考記事② 2017-07-04 1,757円 ---
中計の純益3,000億円は走破圏、含み益も豊富なオリックス(8591)。
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