【8591】オリックス(東証一部) ---
現在値 1,874円/100株 PER8.01 PBR0.90 3月配当優待 9月配当
総合リース首位。事業多角化、海外展開は業界では突出。MA積極的。
予想配当金は年2回・合計64円のため、配当利回りは約3.41%となります。
オリックスは株主優待制度を実施しており、3月末に単元以上を保有する
株主に対して、5,000円分のカタログギフトを進呈しておりますので、配当
優待利回りは約6.08%となります。また別途、当社施設等でのサービスが
受けられる株主優待カードを進呈しています(こちらは年2回)。
業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 13,416億円、最終利益 1,867億円 EPS 143円
■2015年3月期 売上高 21,742億円、最終利益 2,349億円 EPS 179円
■2016年3月期 売上高 23,692億円、最終利益 2,601億円 EPS 198円
■2017年3月期 売上高 26,786億円、最終利益 2,732億円 EPS 208円
■2018年3月期 売上高 28,814億円、最終利益 3,070億円 EPS 237円 con
□2017年9月中 売上高 15,177億円、最終利益 1,659億円 EPS 129円
□2017年12月3Q 売上高 21,948億円、最終利益 2,563億円 EPS 200円(1/30)
2017年9月中間期の売上高は前年同期比24.3%増の1兆5177億円、最終利益
は同16.8%増の1,659億円となり、期初予想との比較はないものの、中間期と
しては過去最高となりました。不動産事業においてはフォートレスと共同出資
していた舞浜シェラトン(1,016室)をインヴィンシブル投資法人へ売却したほか、
海外事業における蘭ロべコのAM事業が株高/ユーロ高の影響で利益が膨ら
んだこと等が業績を牽引しました。一方、事業投資セグが唯一の減益となりま
したが、前年同期のPE投資のExit益と負ののれんの反動減によるものです。
2018年3月期の予算は例年通り段階利益等の詳細は開示していないものの、
中計目標値である純益3,000億円がターゲットとなります。前期に6,000億円
の投資を済ませているほか、今上期にも追加で4,500億円の新規投資を実施
しており、中でもメガソーラーの昨年9月末時点の発電量は990MW、そのうち
稼働量もは650MWに達しています。また、この他の事業投資では米国の地熱
発電会社Ormat Techonologiesの株式を22%取得したほか、大京(不動産セグ
ではない)の分譲引渡も下期に集中するものとみられるため、他の主要セグの
順調な業績状況を鑑みるに、純益3,000億円は十分に走破可能と思われます。
ちなみに去る1月30日に3Q決算が開示されており、9ヶ月累計の純益は2,564
億円とかなりの高水準で通過していますが、これは米国税制改革によりDTL
取崩益が200億円程度発生してカサ上げされていたりするので、業績進捗率
の見た目は85%程度と高くなっているものの、過度な上振れ期待は禁物です。
そして今年度の最注目事項が、中間決算時に開示された向こう3年の新中計
であり、定量目標値として示されたのは、2019年3月期から2021年3月期まで
の3年間の年間純益成長率「4~8%」、ROE「11%」といったものでした。あと1.5
ヵ月で終了する進行中の中計の年間純益成長率が8.5%程であることを考慮
すると、かなり控えめな計画ですが、全般的に入札案件が高騰している現況
に於いてはリスク回避に動いている模様であり、会社側ではこの3年は次期
中計期間に備えた“ゆるやかな成長期”、として様子見する格好となります。
またこの新中計での重要なポイントが株主還元策の動向であり、一応今期
の配当性向も前期から2%引き上げられ、27%になったものの(計算上の期末
予想配当は37円程度となる)、新中計の3年間は27%のまま据え置かれた形で
のアナウンスがされているのは、新中計の成長率の幅同様にやや失望感の
ある内容でした。ただ会社側ではROE11%水準の維持を重要視しているフシ
もあるため、株主還元については主に自社株買いを期待したいと思います。
*参考記事① 2017-07-04 1,757円 ーーー
中計の純益3,000億円は走破圏、含み益も豊富なオリックス(8591)。
![]() |
新品価格 |
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。