【8591】オリックス(東証一部) ---
現在値 1,757円/100株 PER7.64 PBR0.91 3月配当優待 9月配当
総合リース首位。事業多角化、海外展開は業界では突出。MA積極的。
予想配当金は年2回・合計54円のため、配当利回りは約3.07%となります。
オリックスは株主優待制度を実施しており、3月末に単元以上を保有する
株主に対して、5,000円分のカタログギフトを進呈しておりますので、配当
優待利回りは約5.91%となります。また別途、当社施設等でのサービスが
受けられる株主優待カードを進呈しています(こちらは年2回)。
業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 13,416億円、最終利益 1,867億円 EPS 143円
■2015年3月期 売上高 21,742億円、最終利益 2,349億円 EPS 179円
■2016年3月期 売上高 23,692億円、最終利益 2,601億円 EPS 198円
■2017年3月期 売上高 26,786億円、最終利益 2,732億円 EPS 208円
■2018年3月期 売上高 27,134億円、最終利益 2,966億円 EPS 227円 con
□2017年9月中 売上高 13,000億円、最終利益 1,400億円 EPS 107円 四e
2017年3月期通期の売上高は前期比13.1%増の2兆6786億円、最終利益
は同5.0%増の2,732億円となり、8期連続増益で過去最高を更新しました。
不動産事業において傘下REITにサンルートプラザ東京(268億円)、当社が
オークラ名で運営する浜松のアクトタワー(118億円)の2ホテルを売却した
こと等によりセグメント利益が大きく上伸したほか、事業投資では複数の
PE案件のイグジットに加え、メガソーラーの新規稼働や売電収入が伸び
たことにより、前の期のフーリハンのIPO(400億円)剥落の穴を埋めました。
進行期の2018年3月期の予算は例年通り開示していないものの、中期目
標である純益(最終利益)3,000億円の達成予想年度となるため、一応その
数字がガイダンスとなります。前の期に6,000億円の投資を済ませており、
中でもメガソーラー等の環境分野に900億円を投じ、3月末時点の発電量
は990MW、そのうち稼働量も570MWに達しています。特に当社はFIT開始
後すぐに案件を確保しているため、会社側のアナウンスによれば膨大な
含み益を有していると推察され、益出しだけである程度調整できそうです。
また、不動産に関しても舞浜のシェラトン東京ベイ(※フォートレスとのJV)、
ヒルトン沖縄北谷、ハイアットリージェンシー京都といった大型ホテル案件
を抱えております。また傘下REITに対し、これらホテル以外の物件である
セントラム六本木(124億円・ヴェルファーレ建替)を6月に売却しています。
REITは2月に無事にPOを実施して、約250億円を調達しており、取得余力
を回復出来ているので、今後もある程度は拠出が可能と思われます。
利益の柱となるこれら環境・発電、不動産以外のAM事業での相次ぐ買収
(米ボストンフィナンシャル、蘭ロべコの完全子会社化)により、AM事業領域
を飛躍的に拡大させている他、関西エアポートに代表されるコンセッション
事業が収益化するようになり、この手の分野における当社のプレゼンスが
向上しているので、やや長い目線ながら期待出来ると思われます。
この他に、かつてライブドアが保有し、MBKパートナーズから800億円で買
った会計ソフトの弥生があるものの、こちらは事業セグメントのため売却は
しないものと推察されますが、一方で業績の改善が続くマンデベの大京に
関しては投資セグメントに位置付けているため、いつでも売却する可能性
があります。同社は過去の分譲実績から相当の管理戸数を有しており、
不動産マーケットが好況な足許ではそれなりの値段がつくと思われます。
事業に関してはかような状況ですが、当社は業績のわりに株主還元には
慎重で、今期も配当性向25%基準に即し、中間のみ27円の配当予想を開
示しています。一応、前の期から期またぎで自社株買いをしており、500億
円を買い切っているので、理論上の総還元性向は40%弱に届いています。
まとめとしては、当社は予想開示がなく、非定常項目が多い事実上の投資
会社のため、中長期業績の見通しは難しいものの、会社側姿勢は強気で
あり、諸案件の含み益が豊富なことから、向こう3期程度は均して2桁成長
は可能であるとみております。また、今期の中間で新たな中計ガイダンス
がなされる見込みであり、配当性向25%の引き上げといった資本政策等も
含め、非常に注目されるところであります。
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*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。