ついに従来型の路面店を諦め、SC出店へ本格シフトか?はせがわ(8230)。 | なちゅの市川綜合研究所

なちゅの市川綜合研究所

「別に勝たなくてもいいので、負けないこと」を志向しております。
本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報等に基づき、作成されています。
当ブログの情報に全面的に依拠することはお控えいただき、最終的なご判断はご自身でお願いいたします。

IMG_4081.jpg

【8230】はせがわ (東証1部) --

現在値 392円/100株 PER32.2 PBR0.67 3月配当 9月配当優待

仏壇仏具の小売店で業界首位。葬儀社との提携販売、屋内墓苑も積極化。
配当金は年2回合計7円のため、配当利回りは1.91%となります。

はせがわは株主優待制度を導入しており、9月末に100株以上を保有する株主に対して、

1,500円相当の福岡を中心とした九州特産品(※ピエトロ商品の詰め合せなど)を進呈して

おりますので、配当優待利回りは約5.61%となります。なお、1年超の保有が要件です。

業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 193億円、経常利益 10.2億円 EPS 23.2円
■2016年3月期 売上高 194億円、経常利益 7.0億円 EPS 19.6円 
■2017年3月期 売上高 194億円、経常利益 9.4億円 EPS 22.6円 

■2018年3月期 売上高 194億円、経常利益 9.4億円 EPS 30.9円 

■2019年3月期 売上高 200億円、経常利益 4.5億円 EPS 12.1円 ce
□2018年9月中 売上高 99.0億円、経常利益 4.0億円 EPS 18.0円(11/5)

2018年9月中間期の売上高は前年同期比0.6%増の99.0億円、経常利益は同11.4%減の

4.0億円となり、減益での折り返しになったものの、概ね期初計画の水準を確保しました。
東日本で墓石の販売が堅調に推移したものの、主力の仏壇・仏具事業における販売量

の減少(※単価は上昇)が影響し、セグメント減収となりました。一方、西日本については、

墓石、仏壇・仏具事業ともに販売量・単価の両方が増加し、東日本と明暗を分ける格好

となりました。なお、当社の事業基盤は圧倒的に東日本寄りとなっています。

なお、2019年3月期通期の見通しは期初のものを据え置いており、売上高は前期比3.0%
増の200億円、経常利益は同51.7%減の4.5億円を見込んでいます。上期末時点での利益

進捗率は高いものの、会社側のアナウンスによれば“計画比はビハインド”とのことであり、

上期に予定人数の採用が出来なかったことで、足許の利益が押し上げられている一方で、

下期にも店舗の移転・改装費用、CIの変更費用の発生が予定されていることがその要因

かと推察されます。また、8月より販売を開始した池袋の屋内墓苑「仙行寺 沙羅浄苑」

上乗せが期待されるものの、こちらはあくまで受託販売のため、業績への寄与は限定的

かと思われます。よって、期初予算の達成については何とも微妙な状況といえそうです。

 

大局的観点で言えば、当社が主なドメインとする仏壇・仏具自体が、住宅の省スペース化

や仏壇を備えることに対する価値観の希薄化により、業界自体がシュリンクしているような

状況が継続しています。そうした風潮の中で、中長期を見据えた取り組みとして3つの戦略

軸(①既存店活性化、②新モデル店確立、③新事業開発)を掲げています。①については、

店舗オペレーションの簡素化と、現代風の室内にマッチした意匠性のある小型仏壇の開発、

②については従来型の路面店ではなくSCへのテナント出店の推進、③はまだ具体案なし、

といった内容となっています。

ただここ数期においては、従来型の路面店についても、意匠性のある家具風の仏壇を前面

に出したリモデル店舗の出店(金町・調布・大森山王・大泉学園など)を推進してきた経緯も

あることから、そちらはさほど上手くいっていない可能性が高く、会社としてSCテナント出店

の方へ軸足を移しているものと思われます。実際、大家であるSCの側としても仏壇・仏具の

有力テナントは少ないことから、MD的にも当社店舗を誘致するインセンティブは高く、特に

顧客の高齢化が進む地方イオン系SCなどには、非常に親和性が高いものとみられます。

 

一応、当社は時価総額70億円ほどのマイクロ企業でありながら、仏壇・仏具業界において

長らく首位を守っている会社だけのことはあり、過去の剰余金の積み上げもあるため、適当

に借金はあるものの、財務面では自己資本比率6割強をキープしています。そのため、時流

に合わせた業態開発や、それにともなう出店・改装・退店といった店舗投資に費やすだけの

十分な体力も保持しているため、SC展開が上手くいけば復活の目があるかと考えています。

 

*参考記事① 2017-01-21 443円 --

業績ジリ貧も、デザイン仏壇とSC出店で回復目指す・はせがわ(8230)。


*参考記事② 2015-12-16 476円 --
はせがわ(8230)から株主優待のピエトロがきたのでレビュー。

 


会社四季報 2019年1集新春号 [雑誌]

新品価格
¥2,200から

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 

特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 

基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


このエントリーをはてなブックマークに追加にほんブログ村