【4462】石原ケミカル (東証一部) ---
現在値 1,655円/100株 PER12.7 PBR0.72 3月配当優待 9月配当優待
金属表面処理剤の研究開発型メーカー。ウエハバンプ用等電子関連が主。
配当は年2回合計36円配当のため、配当利回りは2.18%となります。
石原ケミカルは株主優待制度を実施しており、3月末・9月末の単元株保有株主に対して、
千円分のクオカードを年2回進呈しておりますすので、配当優待利回りは3.38%となります。
業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 157億円、経常利益 9.7億円 EPS 72.7円
■2016年3月期 売上高 145億円、経常利益 7.5億円 EPS 77.0円
■2017年3月期 売上高 145億円、経常利益 8.2億円 EPS 99.4円
■2018年3月期 売上高 149億円、経常利益 12.1億円 EPS 114.8円
■2019年3月期 売上高 155億円、経常利益 15.0億円 EPS 130.0円 ce
□2018年9月中 売上高 82.0億円、経常利益 9.8億円 EPS 86.3円(10/26)
2018年9月中間期の売上高は前年同期比8.4%増の82.0億円、経常利益は同41.2%増の9.8
億円となり、期初予想を上回って大幅増益となりました。主力の金属表面処理剤・機器事業
において、中国向けスマートフォン関連の需要回復や仮想通貨マイニングチップ、メモリー
が堅調に推移したことにより、めっき液が好調に推移しました。工業薬品事業についても、
鉄鋼業界向け苛性ソーダが、エンド客である建築・製造業の旺盛な鉄鋼需要を背景として、
好調に推移しました。また、自動車用化学製品もエアコン洗浄剤が底堅く推移しました。
なお、2019年3月期の通期予算については期初計画を据え置いており、売上高が前期比
4.2%増の155億円、経常利益は23.2%増の15.0億円を予想しています。金属表面処理剤・
機器事業は、国内の電子部品業界が車載やアミューズメント向けを中心に堅調な推移が
継続するものとみられ、スマートフォンやタブレットのハイエンド製品が一服するものの、
機器事業において大口受注を確保しているため、主力の本セグが全社業績を大きく牽引
する可能性が高そうです。また、工業薬品事業・自動車用化学製品についても、それぞれ
のセグメントで増収増益の見込となってるため、通期では上振れが濃厚かと思われます。
当社はローリング形式の中期経営計画を毎期策定していますが、特に時限に定めのない
“目標”となっており、とりあえずの数字としては、経常利益率を10%にまで引き上げるほか、
ROEも8%まで引き上げる計画となっています。一応、直近の実績期で経常利益率を5.6→
8.1%に引き上げたほか、ROEも3.6→5.3%まで着実に良化させているため、市況の大幅な
悪化がないことを前提に、早ければ向こう2~3年での達成が視野に入ります。
当社はR&D型の事業モデルを自称しており、研究開発費を毎期10億円強投じ、金属ナノ
粒子などの先端電子材料の開発・事業化を進めているほか、回路形成用銅メッキ液など
の高単価品の上市を目指しています。2017年には上場来初めてとなるPOも実施しており、
68万株@1,641円で約12.2億円を調達し、手許資金と合わせた約18億円を投じて滋賀工場
の建て替えを進めています。これは自動車化学製品の安定供給と、めっき液の増産を意
図したものですが、工場完成が今春、増産設備の導入が今夏の見込みとなっているため、
増産がフル寄与するのは、翌期になる見通しです(会社側は増産量を非開示にしている)。
既述のとおり、当社は工場の建て替えを意図して多額の資金調達を実施しておりますが、
そもそも実質無借金であり、30億円程のネットキャッシュにくわえ、70億円超の有価証券を
抱え込んでいます(自己資本比率8割強)。そのため、還元余力は甚大であり、今期は記念
配当の剥落で見えがかり上は減配となるものの、普通配ベースでは4円増配となる36円配
を予想しています。また、中計上の目標として「ROE8.0%」が掲げられているため、PO価格
水準の現株価を考慮するとさすがに自社株買いはしずらいので、増配によりROEを作って
いく可能性の方が高いとみられ、今期は最低でも40円配、出来れば記念配の10円を復元
して42円配まで配当の積み増しを期待したいと思います。
*参考記事① 2018-09-01 2,213円 --
不要な資金調達をこなして、無事に東証一部に指定替え・石原ケミカル(4462)。
*参考記事② 2017-12-15 2,094円 --
「風雲急を告げる」旧大証二部銘柄、石原ケミカル(4462)。
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