【4462】石原ケミカル (東証一部) --
現在値 2,213円/100株 PER17.0 PBR0.99 3月配当優待 9月配当優待
金属表面処理剤の研究開発型メーカー。ウエハバンプ用等電子関連が主。
配当は年2回合計36円配当のため、配当利回りは1.63%となります。
石原ケミカルは株主優待制度を実施しており、3月末・9月末の単元株保有株主に対して、
千円分のクオカードを年2回進呈しておりますすので、配当優待利回りは2.53%となります。
業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 157億円、経常利益 9.7億円 EPS 72.7円
■2016年3月期 売上高 145億円、経常利益 7.5億円 EPS 77.0円
■2017年3月期 売上高 145億円、経常利益 8.2億円 EPS 99.4円
■2018年3月期 売上高 149億円、経常利益 12.1億円 EPS 114.8円
■2019年3月期 売上高 155億円、経常利益 15.0億円 EPS 130.0円 ce
□2018年6月1Q 売上高 40.4億円、経常利益 5.0億円 EPS 45.7円(7/27)
□2018年9月中 売上高 78.6億円、経常利益 8.2億円 EPS 72.3円 ce
2018年3月期の売上高は前期比2.7%増の149億円、経常利益は同48.3%増の12.1億円となり、
予算を上回り大幅増益で着地しました。主力の金属表面処理剤・機器事業において、車載
向け、スマホ/4K/有機ELテレビ向け等一般電子部品用の銅めっき液の需要が、メーカーの
生産増加により堅調に推移しました。また工業薬品についても鉄鋼業界向け苛性ソーダが、
エンドである自動車業界の出荷台数増により、数量・単価共に増加し、好調に推移しました。
進行期の2019年3月期の予算については、売上高が4.2%増の155億円、経常利益は23.2%
増の15.0億円を予想しています。金属表面処理剤・機器事業は、依然として半導体市況が
堅調に推移しているほか、車載・スマホ・次世代通信システム向けや、4K/有機ELテレビの
大型化も追い風となり続伸となる見込みです。また、自動車用品については新車販売台数
の増加およびカーディーラー側の収益源としてのAC洗浄剤利用の増加や、コーティング剤
の拡販も進めることで、収益の拡大を狙います。
当社はローリング形式の中期経営計画を毎期策定していますが、特に時限に定めのない
“目標”となっており、とりあえずの数字としては、経常利益率を10%にまで引き上げるほか、
ROEも8%まで引き上げる計画となっています。一応、直近の実績期で経常利益率を5.6→
8.1%に引き上げたほか、ROEも3.6→5.3%まで着実に良化させているため、市況の大幅な
悪化がないことを前提に、早ければ向こう2~3年での達成が視野に入ります。
当社はR&D型の事業モデルを自称しており、研究開発費を毎期10億円強投じ、金属ナノ
粒子などの先端電子材料の開発・事業化を進めているほか、回路形成用銅メッキ液など
の高単価品の上市を目指しています。また昨年9月には、上場来初めてとなるPOを実施
しており、68万株@1,641円で約12.2億円を調達し、手許資金と合わせた約18億円を投じ
滋賀工場の建て替えを進めています。これは自動車化学製品の安定供給と、めっき液の
増産を意図したものですが、これらが寄与するのは翌々期の2020年3月期になりそうです。
なお、前回のエントリで「事実上の無借金経営であり、自己資本比率8割を維持しながら、
僅か12億円のPOは不可解」である旨述べましたが、本年3月に東証一部市場に指定変更
になったことを鑑みると、PO前2,300名程だった株主数を増加させることと流動性の確保を
意図していたものと思われ、POを用いて半ばわざと資金調達した可能性が高そうです。
実際、増資の舌の根も乾かぬうちに、実績期の配当は一部上場記念配当として10円積み
増して32→42円、としたほか、今期は記念配当の剥落で見えがかり上は減配となるものの、
普通配ベースでは4円増配となる36円配当を予想しています。この辺の資本(還元)政策が
ブレていることも、やはり資金を必要としていない証左とみられ、今期予算の達成を前提に
今期の配当は40~42円への再増額が十分期待されるところであります。
*参考記事① 2017-12-15 2,094円 --
「風雲急を告げる」旧大証二部銘柄、石原ケミカル(4462)。
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