【3153】八洲電機(東証1部) --
現在値 751円/100株 PER 9.6 PBR 0.89 3月配当 9月株主優待
日立系商社。工場や企業向けに電気機器の納入・設置工事を一括提供。
配当は3月一括の年20円配当のため配当利回りは2.66%となります。
八洲電機は株主優待を導入しており、9月末現在の100株以上保有の株主に対して、500
円分のジェフグルメカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.32%となります。
なお、1年以上保有を継続する株主に対しては500円分が追加されますので、その場合の
配当優待利回りは約3.99%となります(※2単元の場合は2,000円分、1年超で2,500円分)
業績を確認をしていきます。
■2015年3月期 売上高 826億円 経常利益 18.5億円 EPS 69.1円
■2016年3月期 売上高 783億円 経常利益 20.0億円 EPS 83.1円
■2017年3月期 売上高 756億円 経常利益 16.8億円 EPS 46.3円
■2018年3月期 売上高 735億円 経常利益 21.7億円 EPS 72.4円
■2019年3月期 売上高 760億円 経常利益 24.0億円 EPS 78.7円ce修正
□2018年9月中 売上高 279億円 経常利益 0.5億円 EPS 8.3円(10/30)
2018年9月中間期の売上高は、前年同期比7.6%減の279億円、経常利益は同77.9%減の
0.5億円となりました。主力の産業機器・交通事業については、自動車業界の好調に起因
する工作機メーカーからの受注増が寄与したほか、都市部の再開発案件の増加により、
空調設備工事が増加し、堅調に推移しました。その一方、プラント事業については、鉄鋼
分野が順調に推移したものの、前年同期に計上された石油化学分野における大型定期
修理工事案件が剥落した影響が大きく、当該セグだけでなく全社業績も押し下げました。
それでも、2019年3月期通期の予算については、本中計時点で増額(!)しており、売上高は
前期比3.4%増の760億円(従予:755億円)、経常利益は同10.5%増の24億円(従予:23億円)
に其々修正しています。元より当社は系列である日立製作所が得意とする社会インフラ
事業における官公需が大きいため、業績は通常下期に大きく偏重する傾向がありますが、
今期は特に4Q単独期間に集中することが見込まれています。内容としては、産業機器・
交通事業において、データセンター向け空調設備(売上予想約10億円)や、モノレールの
新造車両・運行管理システム(売上予想約20億円)等となっており、冴えないプラント事業
をカバーする形で、通期では増収増益圏まで巻き返す形の修正予算になっています。
今期は2019年3月期を最終年度とする3年中計の最終年度となっており、当初は売上高
900億円(CAGR5%)、経常利益26億円(CAGR9%)を見込んでいましたが、今期の増額後の
予算でも表記の数字を下回っているため、利益面についてはまだ多少は達成の目が残る
ものの、基本的には未達となる公算です。特に売上高のショートっぷりが目立ちますが、
今期の期初に受変電設備や上下水道設備工事などを得意とする三陽プラント建設を4月
に子会社化しているため、同社の年商10億円(利益僅少)がオンされる形とはなりますが、
全く足りていないので、仕上がりの売上高は800億円水準にも届かないものとみられます。
やはり上顧客であった任天堂向けのゲーム機器の生産・取扱縮小の影響は大きく、一頃
の当社業績に大きく貢献した電子デバイス・コンポーネント事業が丸ごとシュリンクしてしま
っているため、次期中計では当該セグをほぼ見込まない形で、産機・交通とプラント両事業
を中心とした成長ストーリーが求められます。会社側としては、従来の日立のメーカー商社
から脱却して「ソリューション」や「エンジニアリング」をフィーチャーさせた付加価値型の
コンサルティング営業へ軸足を移していく意向ですが、まだまだ“ものありき”の印象が強く、
株価的なバリュエーションも専門商社のそれとなっているため、時間がかかりそうです。
財務面については、11億円ほどの借金をネットしてなお120億円近い手元現金を抱えて持
て余しています。好財務のわりに株主還元が渋い傾向にありましたが、足許では増配基調
【13→15記→16→18→20円(予】を鮮明にしており、配当性向も25%程であることから
増益ではなく、配当性向のコントロールだけでまだまだ増配が出来そうな印象を受けます。
*参考記事① 2018-01-06 1,041円 --
3年中計は未達濃厚も、株主還元の強化に期待・八洲電機(3153)。
*参考記事② 2016-12-10 595円 --
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