3年中計は未達濃厚も、株主還元の強化に期待・八洲電機(3153)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3153】八洲電機(東証1部) --

現在値 1,041円/100株 PER15.6 PBR01.33 3月配当 9月株主優待

日立系商社。工場や企業向けに電気機器の納入・設置工事を一括提供。
配当は3月一括の年16円配当のため配当利回りは1.54%となります。

 

八洲電機は株主優待を導入しており、9月末現在の100株以上保有の株主
に対して500円分のジェフグルメカードを進呈しておりますので、配当優待
利回りは約2.01%となります。

業績を確認をしていきます。
■2014年3月期 売上高 724億円 経常利益 17.2億円 EPS 34.8円
■2015年3月期 売上高 826億円 経常利益 18.5億円 EPS 69.1円
■2016年3月期 売上高 783億円 経常利益 20.0億円 EPS 83.1円 
■2017年3月期 売上高 756億円 経常利益 16.8億円 EPS 46.3円 

■2018年3月期 売上高 763億円 経常利益 21.5億円 EPS 66.6円 ce
□2017年9月中 売上高 302億円 経常利益 2.4億円 EPS 9.5円(10/30)

2016年9月中間期の売上高は前年同期比2.0%減の302億円、経常利益は黒

転の2.4億円となりました。プラント事業においては、鉄鋼向けのLED化工事、

石油向けは大型修繕工事の受注により堅調に推移したほか、産業システム

事業も半導体分野の活況による受注増や、通信向け空調機が伸長しました。

一方、電子デバイス事業は生産自体が縮小している遊戯機器関連の受注の

減少が著しく、当該セグメントの減収が大きく足を引っ張る形となりました。

なお2018年3月期通期の売上高は前期比0.8%増の763億円、経常利益は
同27.4%増の21.5億円の期初予想を据え置いています。当社は日立製作所

が得意とする社会インフラ事業における官公需が大きいため、業績は通常

下期に大きく偏重します。通期達成を占う9末受注残については、この社会

インフラ事業が牽引する形で前年同期比、前期末比とも増加しているため、

微増収を予想する会社側の通期予算は概ね妥当なものと考えています。

今期は2019年3月期を最終年度とする3年中計の中間年度となっており、
来期に売上高900億円(CAGR5%)、経常利益26億円(CAGR9%)を見込んで
います。直近数期においてはトップラインの減少・未達傾向が鮮明であり、

これは当社の上顧客である任天堂向けのゲーム機器の生産・取扱縮小の

影響が大きく、来期も更に縮小する見通しのため、中計は未達の公算です。

 

一応、会社側は本中計において、従来の商社型ではなく「ソリューション」

や「エンジニアリング力」といった“コンサルティング営業”を志向しており、

売上の嵩を諦めても、付加価値提供による利益重視を打ち出しています。

具体的には日立系である強みを生かした車両基地設計や、小水力発電

システムといった高付加価値型の取組みも開始しているようですが、本格

的な数字の寄与と商社型モデルからの業容転換は要時間と思われます。

 

なお当社は一昨年9月に新橋の日比谷通り沿いの一等地にある本社ビル

をショールームを兼用する本社屋として建替えしておりますが、殆ど借入

を起こすことなく手金で建てているため、借金をネットしてなお90億円近い

手許現金を抱えて持て余しています。好財務のわりに配当予想は据置の

16円を予定していますが、当社の場合はよく株主優待制度を拡充したり、

個人向のIRフェアに出展したりと、とにかくIRの対象が妙に個人投資家に

偏重しているため、足許の株価上昇による配当利回りの低下をトリガーと

して、利回りの見栄え的にやむなく増配ということはあるかもしれません。

*参考記事① 2016-12-10 595円 --

新橋の一等地に本社ビルが竣工、八洲電機(3153)。


*参考記事② 2015-12-10 578円 -- 
上期未達も受注残は豊富、八洲電機(3153)。

 

 

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