【3245】ディア・ライフ(東証一部) ---
現在値 452円/100株 PER9.0 PBR 1.47 9月配当 株主優待あり
首都圏で投資用マンションを開発、販売。人材派遣など。
配当は9月末一括の20円配当のため、配当利回りは4.42%となります。
ディア・ライフは株主優待制度を導入しておりまして、9月末に5単元以上を保有する株主
に対して、3,000円相当の株主優待ポイントを進呈しておりますので、5単元保有時の配当
優待利回りは約5.75%となります(※半年保有制限あり注意)
業績を確認していきます。
■2015年9月期 売上高 77.5億円、経常利益 15.3億円 EPS 46.2円
■2016年9月期 売上高 106億円、経常利益 15.4億円 EPS 33.4円
■2017年9月期 売上高 164億円、経常利益 19.9億円 EPS 42.6円
■2018年9月期 売上高 207億円、経常利益 29.3億円 EPS 70.4円(11/9)
■2019年9月期 売上高 210億円、経常利益 30.0億円 EPS 51.2円 四e
□2019年3月中 売上高 61.0億円、経常利益 9.0億円 EPS 14.0円 四e
2018年9月期の売上高は前期比26.0%増の207億円、経常利益は同46.9%増の29.3億円と
なり、会社側の期初予想が存在する経常利益については上振れする形で着地しました。
主力の不動産事業において、田端・高円寺・飯田橋など9棟を分譲したほか、蒲田・浅草
雷門など9ヵ所の事業用地を売却したことにくわえ、前期に続いて好採算の一棟収益不動
産の販売が6棟あったため、売上高・利益ともに4割を超える伸びを示しました。その一方、
派遣事業については派遣人件費や採用コストの増加で横ばいとなったほか、連結子会社
だったパルマ(3461)のストレージ事業は堅調に推移したものの、同社が日本郵政と資本
業務提携した影響で“持分法落ち”しているため、期中から業績寄与度が落ちています。
進行期である2019年9月期の予算に関しては、一部が非開示となっており、コンセンサス
等から予想される売上高は約180億円、会社予想が開示されている経常利益については、
2.3%増の30.0億円が見込まれています。主力の不動産事業においては、実績期に前年を
6割上回る265億円分の仕入れを済ませていますが、これは事業化ベースのため、実際の
期末簿価ベースの棚卸資産は大して増えておらず、その辺の実態考慮で予算では横ばい
の数字が置かれているものと推察されます。既述の通り、今期よりパルマの業績は通期
を通して持分法適用扱いとなるため、売上高については大きく剥落する格好となります。
当社は2017年9月期を最終年度としていた従来の中計を大幅に前倒して達成したことで、
終わった2018年9月期の経常利益目標額を25.0億円へとローリングしていましたが、無事
に超過達成の運びとなりました。そして今期より新たな3年中計をスタートさせており、最終
年度の2021年9月期に経常利益50.0億円(CAGR20%)を目指しており、かなり野心的な目標
となっています。ベースとなるのは既存の不動産事業の量的拡大によるオーガニック成長
であり、これまでどおり東京エリアに特化した仕入と販売を軸とする方針です。また、収益
不動産を自己勘定で保有し、ストック型の賃料収入を増やす意向であり、賃貸マンションに
限らずシニア施設や、ホテル等の宿泊施設を固定資産で持っていくものとみられます。
また当社は基本的にマンデベですので、財務面が気がかりとなりますが、2015年の一部
変更時に18.7億円を調達したほか、2017年にSMBC日興証券を引受先としたMSワラントで
15.7億円を調達したほか、2018年にも同社を引受先にMSワラントを“おかわり”して24億円
を調達しています。MSワラントの弊害として、直近2回合計で3割近い強烈な希薄化が生じ
ていることは事実ですが、一応この2回とも全権の行使完了しているため、会社側の目論見
通りの資金調達が出来ています。自己資本比率もこの1年で更に1100bs.も良化して、驚き
の53.3%もの水準を叩き出しており、会社側が掲げる新中計の遂行に当たっての財務原資
は十分なレベルに確保されていると考えて良いものと思われます。
なお株主還元については、今期も配当性向40%を基準に、8円減配となる年20円を予想して
います。減配となる理由は、実績期にパルマ株の一部売却による譲渡益6億円を反映して
配当にオンされていたものが剥落することが要因です。おそらく会社側は、現状の株価で
引き直しても4%を大きく超える配当利回りの水準で、株主還元を強化するインセンティブに
は乏しいとみられるものの、新中計に照らせば年後の配当は45円まで成長するストーリー
となっているため、今期の見えがかり上の大幅減配予想も許容の範囲かと考えています。
*参考記事① 2017-12-28 689円 ---
子会社パルマの飛躍で、ローリング中計も走破圏。ディア・ライフ(3245)。
*参考記事② 2016-12-26 379円 ---
一部指定変更・18.7億円公募で成長に弾み、ディア・ライフ(3245)。
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