【3133】海帆(東証マザーズ) -
現在値 718円/100株 PER当期赤字 PBR4.29 3月配当優待 9月配当優待
東海を中心に飲食店を直営展開。レトロ居酒屋『昭和食堂』が主力。
配当は3末9末に合計4円のため、配当利回りは0.56%となります。
海帆は株主優待制度を導入しており、3月末・9月末時点で単元株を保有する株主に対して、
2,000円分の食事優待券と(20%割引券を10枚)年2回進呈しておりますので、配当優待利回り
は約6.12%となります(※優待はお米券2枚との交換が可能、別途長期優遇制度あり)。
業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 49.8億円、経常利益 2.7億円 EPS 52.7円
■2016年3月期 売上高 59.2億円、経常利益 1.5億円 EPS 64.9円
■2017年3月期 売上高 63.4億円、経常利益 0.4億円 EPS 2.9円
■2018年3月期 売上高 58.4億円、経常利益▲0.1億円 EPS▲38.3円
■2019年3月期 売上高 50.7億円、経常利益▲1.2億円 EPS▲28.1円 ce修正
□2018年9月中 売上高 25.1億円、経常利益▲1.6億円 EPS▲29.8円(11/9)
2018年9月中間期の売上高は前年同期比17.6%減の50.7億円、経常利益は▲1.6億円と黒
字予想から一転して赤字となったほか、赤字幅も大幅に拡大しました。当初は猛暑による
酒類の販売数量増を見込んでいたものの、台風・豪雨の天候不順や、実際の店舗被害に
よる営業休止等が響きました。また、不採算店のスクラップや業態転換を積極的に進めた
結果、7店を閉店・4店を業態転換したことで、トップライン段階から大幅な減少となりました。
利益面についても、同様に天候不順による食材原価の高騰や、店舗被害による営業ロス
等も発生したため、同様に計画を大きく下回って着地しています。
なお、2019年3月期通期の予算については中間時点で減額しており、売上高は前期比12.4
%減の50.7億円(従予:57.8億円)、経常利益は赤字幅拡大となる▲1.2億円(従予:1.0億円)へ
とそれぞれ修正しております。出店については主力業態の「昭和食堂」を中心に当初5店程
を計画していたものの、前期並みの3店に留まる見込であり、逆に閉店は前期を3店上回る
14店まで膨らむ公算です。期初より既存店売上高は100%以下の水準で設定していて、上期
は101.6%で仕上がったものの、これは不採算店の積極的な閉鎖の裏返しで、“比較的マシ”
な継続店の数字を積み上げたもののですので、余り参考にはならず、修正後予算も上期の
凹み分くらいしか反映されてないため、会社計画はなお強気であると考えています。
当社は年限を定めた中期計画を策定していないものの、年間10~20店の新規出店により、
中期的には売上高100億円・店舗数200店をターゲットとしていましたが、既述のとおり閉店
ラッシュで店舗数が純減している状況のため、中長期的な成長を展望するのが難しい状況
となっています。主力業態であり、総店舗数の過半を占める「昭和食堂」の内外装の陳腐化
が進行しているため(そもそもの意匠が古めかしいが、レトロでなく単なるボロになっている)
昔の「備長扇屋」を彷彿とさせる看板に変更するなど、ブランドアイデンティティの見直しを
行っています。また、内的な営業施策としても、2,980円(税別)で食べ飲み放題という鳥貴族
の“28とりパーティー”を彷彿とさせるプランを一部の店舗で導入し始めるなどしています。
なお業態開発については、「熱中屋」や「ダンダダン酒場」を模したとみられる、「熱々屋」とい
う餃子業態を新たに開発して、知立と犬山の駅前で出店しています。会社側からは業態力の
落ちた「昭和食堂」を軸に据える店舗展開に迷いが出てきている印象を受け、首都圏で他社
が展開してある程度成功しているフォーマットをコピーしてきて、タイムマシン的に名古屋圏
で先に展開してしまう・・・といった戦略が見え隠れしており、鮮魚卸を出自とする当社の個性
は失われつつあり、没個性的な居酒屋企業としてのバリュエーションが必要かと思います。
また、BPSはこの6ヵ月で更に減って、199→167円へ実に30円強も毀損してしまっています。
自己資本比率もまもなく2割を切るため、いち早く無配化することが強く望まれます。
*参考記事① 2018-07-24 736円 -
赤転ながら連続タコ配実施・優待制度拡充で不可解・海帆(3133)。
*参考記事② 2017-12-31 708円 -
今期も下方修正で、No.2の常務も期中で辞任・海帆(3133)。
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