赤転ながら連続タコ配実施・優待制度拡充で不可解・海帆(3133)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3133】海帆(東証マザーズ) -

現在値 736円/100株 PER66.0 PBR3.70 3月配当優待 9月配当優待

東海を中心に飲食店を直営展開。レトロ居酒屋『昭和食堂』が主力。
配当は3末9末に合計4円のため、配当利回りは0.54%となります。

海帆は株主優待制度を導入しており、3月末・9月末時点で単元株を保有する株主に対して、

2,000円分の食事優待券と(20%割引券を10枚)年2回進呈しておりますので、配当優待利回り

は約5.97%となります(※優待はお米券2枚との交換が可能、別途長期優遇制度あり)。

業績を確認していきます。 
■2015年3月期 売上高 49.8億円、経常利益 2.7億円 EPS 52.7円 
■2016年3月期 売上高 59.2億円、経常利益 1.5億円 EPS 64.9円 
■2017年3月期 売上高 63.4億円、経常利益 0.4億円 EPS 2.9円 

■2018年3月期 売上高 58.4億円、経常利益▲0.1億円 EPS▲38.3円(5/10)

■2019年3月期 売上高 57.8億円、経常利益 1.0億円 EPS 11.2円 ce
□2018年9月中 売上高 29.2億円、経常利益 0.3億円 EPS 2.2円 ce

2018年3月期の売上高は前期比7.9%減の58.4億円、経常利益は赤転の▲0.1億円となり、

期初予想を大きく下回って着地したばかりか、中間時点の減額修正目標もクリア出来ずに

減収減益での着地となりました。上期既存店が天候不順で伸び悩んだものの、下期は業態

転換施策により客単価の回復に成功し、通年の既存店売上高は99.0%まで巻き返しました。

ただこの背景として、不採算店を11店閉鎖した影響が大きく、全店売上高である92.1%の方が

実態に即しており、当然ながらトップラインは大きく減少しています。そのため、期中の営業

不振を受け、リストラへと舵を切った1年であったと捉えるのが正しい理解かと思われます。

進行期である2019年3月期通期の予算については、売上高が0.9%減の57.8億円、経常利益

は黒字転換の1.0億円を予想しております。出店については主力業態の「昭和食堂」を中心

に5店程を計画しているものの、退店も同程度見込んでいるとみられるほか、既存店売上高

前提も100%を下回るレベルで設定しているため、前の期の不採算店閉鎖による利益の浮上

は見込んでいるものの、トップラインは続落想定となります。

 

当社は年限を定めた中期計画を策定していないものの、年間10~20店の新規出店により、

中期的には売上高100億円・店舗数200店をターゲットとしていましたが、足許の大幅な退店

超過によりこの目標も画餅化しており、足許のマテリアルでは「店舗数200店」に触れられる

のみで、業績目標は明示されなくなりました。代わりに原価削減策や、採用強化・福利厚生

の充実といった内向の施策が明らかに多くなっているため、当分はマザーズ上場企業らしい

成長を望むのはもはや絶望的であり、まずは黒字に復帰することが最優先かと思われます。

 

なお業態開発については、「鳥はち酒場」という、とり焼・肉ずし・焼肉食べ放題業態を新たに

大分に出店しているほか、既存の主力業態である「昭和食堂」についても、会計上限を3千円

に定めた食べ放題・飲み放題の派生業態をスタートさせています。これら新業態がうまくいく

かどうかは甚だ未知数ですが、当社は店舗閉鎖や業態転換による減損が多く、この1年間で

BPSは242→199円、へと実に40円強も毀損してしまっています。それでも4円の配当を継続

しているため(連続タコ配)、その辺の資本政策にも疑問符が付きますが、それにくわえて優待

制度の拡充までしてしまっているので、通常の感覚では理解不能な域へ突入しつつあります。

 

*参考記事① 2017-12-31  708円 -

今期も下方修正で、No.2の常務も期中で辞任・海帆(3133)。

 

*参考記事② 2017-08-18 691円 -

バス送迎イマイチで、レッドオーシャンの駅前へ・海帆(3133)。

 

 

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