【3133】海帆(東証マザーズ) -
現在値 691円/100株 PER54.7 PBR3.16 3月配当優待 9月配当優待
東海を中心に飲食店を直営展開。レトロ居酒屋『昭和食堂』が主力。
配当は3末9末に合計4円のため、配当利回りは0.58%となります。
海帆は株主優待制度を導入しておりまして、3末・9末時点で100株を保有
する株主に対して、1,500円分の食事優待券を年2回進呈しておりますの
で、配当優待利回りは約4.92%となります。
業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 41.9億円、経常利益 1.6億円 EPS 39.8円
■2015年3月期 売上高 49.8億円、経常利益 2.7億円 EPS 52.7円
■2016年3月期 売上高 59.2億円、経常利益 1.5億円 EPS 64.9円
■2017年3月期 売上高 63.4億円、経常利益 0.4億円 EPS 2.9円
■2018年3月期 売上高 65.3億円、経常利益 0.7億円 EPS 12.6円 ce
□2017年6月1Q売上高 15.2億円、経常利益▲0.5億円 EPS▲22円(8/10)
□2017年9月中 売上高 33.1億円、経常利益 0.3億円 EPS 27.6円 ce
2017年3月期通期の売上高は前期比4.4%増の15.2億円、経常利益は同
68.2%減の0.4億円となり、期初予想を大きく下回って着地しました。既存店
が競争激化や天候不順により前年比90.9%(予算上は97%)とかなり低調に
推移したほか、原材料費の高騰により原価率も1pts.上昇し、利益率を押し
下げました。出店に関しては2店を閉鎖したものの、純増15店とハイピッチ
での出店を進めたため、期末店舗数は109店となり大台を突破しました。
進行期の2018年3月期通期の予算に関しては、売上高が3.1%増の65.3億
円、経常利益は51.5%増の0.7億円を予想しています。前の期に大量出店し
た店舗の通年寄与が見込まれるものの、新規出店に関しては閉店を除き
10店程度と、ピッチをかなり落とす計画です。既に急拡大の歪が見え隠れ
する状況であるため、既存店テコ入れや人材育成・教育強化を図ります。
当社は年限を定めた中期計画を策定していないものの、年間10~20店の
新規出店により、中長期的には売上高10億円・店舗数200店をターゲットと
しています。既述の通り既存店の雲行きが怪しくなってきており、業態開発
と業態変更によるS&Bが相当程度の店舗で既に必要になっているものと推
察されますので、今後の成長ピッチはかなり緩やかなものになりそうです。
これまで当社の成長のドライバーとなっていた、郊外型店舗&バス送迎、
による2等地・3等地出店も、思いのほか宴会が取れていない状況であり、
本年3月に出店した昭和食堂・名駅柳橋市場店に代表されるように、足許で
は駅前出店を引き上げ、郊外出店との比率をイコールまで持っていく計画
です。ここで問題となるのが、送迎サービスや低家賃という本来の当社の
競合優位性が失われ、よくある総合居酒屋として競合の大手チェーン等と
駅前で普通に戦う必要が出てきてしまったので、当社の商品力の「薄さ」を
考慮すると、先行きは非常に厳しい状況と言わざるを得ません。
そのため、前の期の100店舗記念の配当2円も案外ですし、今期は更に2
円増配して4円普通配を出すのもあまり関心できません。今後駅前店舗を
増やすのであれば、敷金や人件費も余計に必要ですし、競争力のある業
態開発に資金を投じるべきであり、資本政策に関しても疑問が残ります。
*おまけ画像 「昭和食堂・名駅柳橋市場店」の訪店時の模様
*参考記事 2016-08-17* 449円 --
居酒屋業界における「ロードサイドのハイエナ」、海帆(3133)。
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