【9979】 大庄 (東証1部) --
現在値 1,550円/100株 PER128.2 PBR1.44 2月配当優待8月配当優待
居酒屋大手。大衆割烹『庄や』『日本海庄や』『やるき茶屋』が3本柱。
配当金は2月末・8月末の年2回合計14円で、配当利回りは約0.90%です。
大庄は株主優待制度を導入しており、単元株を保有する2月末・8月末の株主に対して、
半期に一度2,500円分の当社お食事券のほか産地直送品などを進呈しておりますので、
配当優待利回りは約4.12%となります。
業績を確認していきます。
■2015年8月期 売上高 707億円、営業利益 1.9億円、EPS 16.2円
■2016年8月期 売上高 685億円、営業利益▲0.2億円、EPS 13.1円
■2017年8月期 売上高 639億円、営業利益 4.4億円、EPS 19.3円
■2018年8月期 売上高 615億円、営業利益 4.0億円、EPS 9.7円
■2019年8月期 売上高 625億円、営業利益 9.5億円、EPS 12.0円 ce
□2019年2月中 売上高 311億円、営業利益 2.5億円、EPS 2.4円 ce
2018年8月期の売上高は前期比3.8%減の615億円、営業利益は同9.4%減の4.0億円となり、
減収減益となったほか、期初計画及び中間時点の減額修正予算に対してもショートする形
で落着となりました。これは予算前提となる既存店売上高を100%で置いていたもの、昨年
10月の台風や2月の寒波といった天候影響等により98.7%に留まったことが主な要因です。
また、苦戦の続く従来型フォーマットの「日本海庄や」や「やるき茶屋」において閉店ないし
業態転換を進めたため、直営の店舗数は515→503店へと、12店の純減となりました。
進行期である2019年8月期の予算については売上高が1.6%増の625億円、営業利益は同
133.6%増となる9.5億円を予想しており、実に10年振り(?)とかそういうレベルで久々の増収を
見込んでいます。予算前提となる既存店売上高は今期も100%で置いているものの、新店の
出店計画が10店に対し、閉店が30店と20店の純減計画のため、本来なら減収不可避である
ものの、閉店の多くはVC(FCのようなもの)への転貸によるものであり、純粋な閉店ではない
ことから、ある程度は売上が残る形となります。また、ここ数期に渡って実施してきた不採
算店のスクラップが進んできたことも、売上のジリ貧傾向に歯止めがかかる一因となります。
今期は3年中計の初年度となっており、最終年度である2021年8月期に売上高615→676億
円、営業利益4.0→14.2億円を目指しています。本中計も基本的に成長というよりリストラ
的な意味合いがまだまだ強く、中計期間の3箇年で直営店舗数を503→463店、へと更に絞
り込むことが軸となっているため、FC/VC化によるロイヤリティ収入の増加と不採算店の削
減により、コンスタントに“利益”があがるような体質になることを目指します。
また当社は、昨年の6月に羽田でディストリビューションセンター(4,200坪)を自社の開発に
より竣工させており、自社商流の再構築・強化は勿論のこと、外部の外食業者に対しても
広く卸や物流(3PL)を提供する体制を整えています。この羽田DCには実に60億円に上る
巨額の投資をしていますが、このように当社は下流の外食業以外で稼げるようなリソース
があることが特徴であり、このほかにも賃貸マンションの保有や遊休不動産の売却により
少なくない利益を出していて、リストラ中の本業を手厚く下支えしてます。
配当予想については、今期も据置きとなる14円を予想しています。当社は外食企業にして
は異例の好財務を誇っており、既述の羽田DSへの投資に絡む新規借入金をこなしてなお、
自己資本比率52%という高い水準をキープしているため、単年で赤字に転落したり、タコ配
となることがあっても、配当についてはこのまま維持される可能性が高いと思われます。
*参考記事① 2018-06-06 1,762円 --
天候不順で下方修正も、好財務と所有不動産は強み・大庄(9979)。
*参考記事② 2015-11-28 1,512円 --
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