【9414】日本BS放送 (東証一部) ---
現在値 1,158円/100株 PER14.7 PBR1.22 8月配当優待 2月優待
ビックカメラが親会社のBS放送会社。競馬中継など自社製作が5割。
配当金は8月一括配の20円のため1.73%となります。
日本BS放送は株主優待制度を実施しており、2月末・8月末に単元株を保有する株主
に対して、1,000円分のビックカメラ商品券を進呈しておりますので、配当優待利回りは
約3.46%となります。なお1年以上保有を継続した場合には、8月末に1,000円分の商品
券が追加進呈されますので、その場合の利回りは約4.31%となります。
業績を確認していきます。
■2015年8月期単 売上高 88.6億円、経常利益19.1億円 EPS 68円
■2016年8月期単 売上高 102億円、経常利益 21.3億円 EPS 82円
■2017年8月期単 売上高 115億円、経常利益 22.3億円 EPS 85円
■2018年8月期連 売上高 124億円、経常利益 24.2億円 EPS 93円(10/5)
■2019年8月期連 売上高 140億円、経常利益 20.0億円 EPS 78円 ce
□2019年2月中連 売上高 66.0億円、経常利益 8.0億円 EPS 30円 ce
2018年8月期の売上高は連結決算に移行したため単純比較は出来ないものの、前期比
7.8%増の124億円、経常利益は同8.5%増の15.7億円となり、売上高については中間時点
で予算増額したにもかかわらず、期初予想の水準をも下回る落着となったものの、利益
に関しては予算超過達成となりました。これはBS業界成長自体の鈍化と、特番の減少、
大型クライアントである通販会社などが当社枠への提供を控えたことが主な原因であり、
タイム収入・スポット収入ともに計画を下回りました。その一方で、大きな利益圧迫要因
となっている広告宣伝費を絞ったことで、“見かけ”上の増益基調をキープしました。
進行期である2019年8月期の通期予算については、売上高が前期比12.1%増の140億円、
経常利益は17.3%減となる20.0億円を予想しています。BS放送広告市場はこれまで年率
4%程度で成長していたものの、足許では2%程度まで落ち込んでいるものの、タイム収入・
スポット収入ともに2桁もの伸びを計画しています。これは4月の番組改編時にスタートし
た自主製作番組に対して、10月から新しい広告主がつくことを想定したものであり、回収
が進むことを前提としているようです。ただその売上の原資として、広告費を余計に積み
増す方針であり、大幅な減益予想は主にその辺の理由に由ります。
当社は数期に渡って、年率2桁のトップライン成長を継続していた経緯もあり、従来中計
では実績期(2018年8月期)で個別売上高150億円の達成を見込んでいましたが、これを
2年先の2020年8月期へと送る新3年中計へとローリングしています。2018年初に児童書
出版の理論社と国土社の2社を買収しておりますが、これは連結で売上寄与する子会社
であり(※しかも2社合計の売上高は10億円ある筈だったのに、今期は何故か5億円予想)
単体ベースにネットすると、今期・来期それぞれ単体売上高を15億円積み増さねばならず、
僅か2%のレベルへと落ちてしまった市場成長率を考慮すると、達成はかなり困難です。
また12月1日から、NHKとキー局系の(一部の)BS会社が既に4K放送を開始していますが、
当社のサービスインは2年遅れの2020年を目指している公算でした。そのため、数十億円
規模とされる4Kの設備投資が、今期より本格的にかかってくるものとみられていましたが、
今期は減益予想ながらそれを前提とした予算になっておらず、会社側としては目下の業績
鈍化を鑑み、初期は費用ばかり先行する4Kの開始を遅らせている可能性もありそうです。
ただ、かような状況であっても会社側はこの4Kに備えるために配当によるキャッシュアウト
を控えており、今期は(減益予想のため配当性向自体は25%に上昇するものの、)僅か1円
の増配となる年20円の配当予想に留めています。当社は借金も殆どなく、財務がひたすら
良化する一方となっていますが、親会社のビックカメラも相変わらずの業績好調で上納金
を必要としていないため、子会社の当社がひたすら資金をプールする形になっています。
*参考記事① 2018-05-22 1,495円 ---
上期上振れ着地も、売上成長は鈍化傾向・日本BS放送 (9414)。
*参考記事② 2017-12-01 1,278円 ---
パイの拡大が全てに優先、収穫期かなり先か・日本BS放送(9414)。
新品価格 |
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。