【8251】 パルコ (東証1部) ---
現在値 1,217円/100株 PER17.3 PBR0.96 2月配当優待8月配当優待
ファッションビル経営の先駆的存在でデベロッパー事業主力。
配当金は2月末・8月末の合計24円配当のため、配当利回りは1.97%です。
パルコは株主優待制度を実施しており、2月末・8月末に100株を保有する株主に対して、
千円分の商品券を1枚(年2枚)進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.61%となり
ます。別途、3年超保有株主への長期優遇制度もあります。
業績をチェックしていきます。
■2015年2月期 売上高 2,689億円、経常利益 124.9億円、EPS 62.0円
■2016年2月期 売上高 2,763億円、経常利益 126.7億円、EPS 59.7円
■2017年2月期 売上高 2,683億円、経常利益 132.0億円、EPS 74.1円
■2018年2月期 売上高 916億円、税前利益 114.5億円、EPS 76.9円 IFRS
■2019年2月期 売上高 937億円、税前利益 104億円、EPS 70.0円 IFRS ce修正
□2018年8月中 売上高 441億円、税前利益 55.3億円、EPS 37.3円 IFRS(10/5)
2018年8月期中間期の売上高は前年同期比2.3%減の441億円、税前利益は同15.5%減
の55.3億円となり、減収減益となったほか、会社計画も大きく割り込みました。昨年末に
開業した「Parco_ya」の通期稼働や、3月に開業した原宿ゼロゲートが寄与したものの、
競合影響や衣料品の不振、天候不順が影響し、取扱高が低調に推移しました。利益面
では、トップライン減少のほか、新店の開業準備経費、昨年8月に閉鎖した大津パルコ
の閉鎖損戻入益の剥落等もあり、減益幅は2桁に及びました。
進行期の2019年2月期通期の予算についても減額しており、売上高が前期比2.3%増の
937億円(従予:960億円)、税前利益は同8.8%減の104億円(従予:114億円)へと其々修正
しています。秋に三宮にゼロゲートが開業するほか、昨年京都・四条通り大丸横に開業
したゼロゲート京都の下層階&路面店のリースアップ(Apple京都5層一括借)が寄与する
ものの、上期業績の凹み分と除却損等を一部織り込んだ格好となります。
今期は新5年中計の2年目となっており、最終年度の2022年2月期に売上高1,214億円、
営業利益147億円を見込んでいます。起点となる2017年2月期末の営業利益が、特殊
要因でカサ増しされていたため、伸びが緩慢に見えますが、この数値をNon-GAAPで
補正し、営業利益の伸び率を計算すると27.8%/5y、程度となります。
出店に関しては、中計序盤はゼロゲートばかりのため、数字の出来上がりがどうしても
弱くなるものの、来年秋に大型のパイプラインである新渋谷の開業を予定しているほか、
サンエー(2659)と合弁の浦添西海岸パルコシティも2019年夏に開業予定のため、来期
以降から徐々に数字が乗っかってくる形となります。最終年度にかけて大丸心斎橋店・
北館(地下2階を含む合計9層)の開業も予定されていますが、それまでのつなぎとなる
パイプラインにも不足感は否めず、川崎のさいかや跡のゼロゲートもわずか2層止まり、
錦糸町楽天地も所詮マスターリースなので、今後細かい“名無し”のゼロゲート案件の
積み上げがあったとしても足りないため、中計目標値の達成は難しいと考えています。
一方、株主還元に関しては、今期は減益予想ながら配当性向を30%超へと引き上げて、
23→24円へと増配を予定しています。今後は新渋谷や大丸心斎橋北館等の資金需要
があるものの、不動産業でありながら自己資本比率は5割の水準をキープしているため、
財務状態もかなりの余裕があります。そのため当社単独でどうこうというよりも、親会社
であり、6割もの当社株を握るJフロント側の次なる“手打ち”が注目材料と言えそうです。
*参考記事① 2018-05-15 1,386円 ---
大型パイプラインは中計後半で、今期は見せ場なし・パルコ(8251)。
*参考記事② 2017-12-04 1,572円 ---
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