大丸心斎橋店への出店はサプライズ、パルコ(8251)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【8251】 パルコ (東証1部) --

現在値 1,572円/100株 PER21.2 PBR1.29 2月配当優待8月配当優待

ファッションビル経営の先駆的存在でデベロッパー事業主力。
配当金は2末・8末の合計23円配当のため、配当利回りは1.46%です。

パルコは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する株主に対して
千円分の商品券を1枚(年2枚)進呈しておりますので、配当優待利回りは約
2.73%となります。別途、3年超保有株主への長期優遇制度もあります。

業績をチェックしていきます。
■2014年2月期 売上高 2,682億円、経常利益 120.0億円、EPS 66.8円
■2015年2月期 売上高 2,689億円、経常利益 124.9億円、EPS 62.0円
■2016年2月期 売上高 2,763億円、経常利益 126.7億円、EPS 59.7円 
■2017年2月期 売上高 2,683億円、経常利益 132.0億円、EPS 74.1円
■2018年2月期 売上高 951億円、税前利益 110.0億円、EPS 72.9円ce修正 IFRS
□2017年8月中 売上高 452億円、税前利益 65.5億円、EPS 44.0円(10/6) IFRS

2017年8月中間期の売上高は前年同期比4.1%減の452億円、税前利益は同

29.6%減の65.5億円となり、減収減益となりました。渋谷店の建替閉鎖、千葉の

閉鎖にともなう減収要因があったほか、衣料品販売が低調に推移したことで、

売上高は予算比でショートしました。一方、税前利益に関しては、前期の渋谷

の不動産売却益が剥落したものの、今期も再開発で発生する保留床の売却

があったほか、大津店の閉鎖損戻入により、予算比で良化して着地しました。

なおこのタイミングで2018年2月期通期予算も修正しており、売上高は前期比

0.2%の940億円(従予:951億円)、税前利益は18.1%減の112億円(従予:110億円)

に変更しています。松坂屋上野店新南館(PARCO_ya)が11月初旬に開業した

ことによる上乗せや、京都・四条通り大丸横のゼロゲート(ECC、叙々苑、コタ

のみ開業・下層階は内定していると思われるもののテナント銘柄名は非開示)

のⅠ期開業分が下期から寄与します。予算の修正はあったものの、下期での

巻き返しが十分可能な範囲であり、大局的には概ね順調な進捗と言えます。


今期は新5年中計の初年度となっており、2022年2月期に売上高1,214億円・

営業利益147億円を見込んでいます。起点となる2017年2月期末の営業利益

が128億円なので伸びが緩慢に見えますが、この期の数値をNon-GAAP基準

で補正した上で、営業利益の伸び率を計算すると27.8%/5y、程度となります。


これまで当社の新中計に関しては、小粒の開発型のゼロゲート店ばかりで、

大型物件のパイプラインが追いついていないような印象を持っていましたが、

建て替え中の大丸心斎橋店・北館に入ることが9月末に明らかになりました。

上野同様にJフロントからの賃借となりますが、地下2階を含む計9層で開業

する計画となっており、40億円を投じる計画となっています。また、既に名有

となっているサンエー(2659)との浦添西海岸は、ほぼ折半出資の合弁ながら

こちらはオンバランスとみられますので、相応の収益貢献が期待出来ます。

ということで、成長幅も株主還元に関しても丸井(8252;同社は消化仕入れを

止めて賃貸業と化しているのでモロに同業)に大きく水をあけられている感じ

は否めないものの、当社は渋谷を筆頭に池袋・福岡・浦和・札幌・名古屋等

の一等地物件は土地から保有しているため、不動産価値で見ればまだまだ

安いことも事実です。事実、都心商業地のcapレートが僅かに変わるだけで、

当社は理論上の含み益が一気に増えるため、株価がある程度回復した現

状では、そういうアプローチで評価して補正する必要があるように思います。


*参考記事① 2017-05-22 1,202円 ---
新5年中計はパイプライン不足の印象・パルコ(8251)。

*参考記事② 2016-10-24 952円 ---
仙台パルコ2好調も、全般不調で中計は白旗・パルコ(8251)。

 

 

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