新5年中計はパイプライン不足の印象・パルコ(8251)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【8251】 パルコ (東証1部) ---

現在値 1,202円/100株 PER16.4 PBR1.00 2月配当優待8月配当優待

ファッションビル経営の先駆的存在でデベロッパー事業主力。
配当金は2末・8末の合計23円配当のため、配当利回りは1.91%です。

パルコは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する株主に対して
千円分の商品券を1枚(年2枚)進呈しておりますので、配当優待利回りは約
3.57%となります。別途、3年超保有株主への長期優遇制度もあります。

業績をチェックしていきます。
■2014年2月期 売上高 2,682億円、経常利益 120.0億円、EPS 66.8円
■2015年2月期 売上高 2,689億円、経常利益 124.9億円、EPS 62.0円
■2016年2月期 売上高 2,763億円、経常利益 126.7億円、EPS 59.7円 
■2017年2月期 売上高 2,683億円、経常利益 132.0億円、EPS 74.1円
■2018年2月期 売上高 951億円、税前利益 110.0億円、EPS 72.9円 ce IFRS
□2017年8月中 売上高 455億円、税前利益 57.0億円、EPS 37.4円 ce IFRS

2017年2月期の売上高は前期比2.9%減の2,683億円、経常利益は同4.6%増の
132億円となり、期初計画を割りこみました。仙台パルコ2の開業と広島ゼロ
ゲートの開業や内装子会社の工事受注増がありましたが、渋谷店の取壊しや
衣料品の不調が響きました。それでも渋谷ゼロゲートと千葉駐車場の売却に
よる利益確保で落ち分を殆ど取り返し、5期連続の最高益更新となりました。

なお進行期の2018年2月期からIFRSへ移行することとなり、売上高(営業収益)
は1.1%の951億円、税前利益は19.5
%減の110億円を予想しています。松坂屋
上野店新南館が秋に開業するほか、京都・原宿のゼロゲート開業や仙台2の
通期寄与で増収予想となりますが、旗艦店である渋谷店の建替休業と前の期
の大型不動産売却益が剥落するため、
2割近くもの減益となる見通しです。

また当社は、終わった2017年2月期で3年中計をクローズしており、営業利益
135億円の予想に対し、128億円と7億円の未達となりました。これは既存店の
下落と開発計画の期ズレが主な要因となります。そして今回策定の中計から
は対象期間が5年に伸びており、2022年2月期に売上高1,214億円・営業利益
147億円を見込んでいます。一見すると5年かけて横ゝの計画ですが、記述の
大型不動産売却益を控除したNon-GAAP営業利益(2017年2月期)との比較
では、27.8%ほどの実質的な増益となりますが、かなり迫力不足の印象です。

大津店や千葉店の閉店などからも明らかなように、積極的なSBをしている印象
はありますが、閉店の方はともかく、開業は小型のゼロゲートが中心となって
おり、新店パイプラインが追いついていないような印象を受けます。当社は貸
しビル業ですので、当然物件については開発・購入でオンバランスとしますが、
PARCO型で開業出来るような商業地価が高く仕込めていないよう雰囲気です。
そのため、会社側としても中計に強めの数字を置けないのかもしれません。
(※錦糸町楽天地も本来の当社出店立地ではなく、やむを得ず感が強いです)

そういう手詰まり感もあってか、前の期は株主還元に意欲を見せ、配当を20円
→23円に3円も増配しました。とかく当社と比較されがちな丸井が総還元性向
ベースで100%以上の異次元の株主還元を推進しているので、まだまだヌルい
ものの、親会社のJフロントの都合や、一悶着あったイオンも依然として大株主
に居座っている背景もあるので、なかなか株主還元しずらいのかもしれません。

*参考記事① 2016-10-24 952円 ---
仙台パルコ2好調も、全般不調で中計は白旗・パルコ(8251)。

*参考記事② 2016-06-05 920円 ---
旗艦の渋谷店休館も中計達成は射程圏、パルコ(8251)。

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