大型パイプラインは中計後半で、今期は見せ場なし・パルコ(8251)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【8251】 パルコ (東証1部) --

現在値 1,386円/100株 PER18.2 PBR1.11 2月配当優待8月配当優待

ファッションビル経営の先駆的存在でデベロッパー事業主力。
配当金は2月末・8月末の合計24円配当のため、配当利回りは1.73%です。

パルコは株主優待制度を実施しており、2月末・8月末に100株を保有する株主に対して、
千円分の商品券を1枚(年2枚)進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.17%となり

ます。別途、3年超保有株主への長期優遇制度もあります。

業績をチェックしていきます。
■2015年2月期 売上高 2,689億円、経常利益 124.9億円、EPS 62.0円
■2016年2月期 売上高 2,763億円、経常利益 126.7億円、EPS 59.7円 
■2017年2月期 売上高 2,683億円、経常利益 132.0億円、EPS 74.1円
■2018年2月期 売上高 916億円、税前利益 114.5億円、EPS 76.9円 IFRS

■2019年2月期 売上高 960億円、税前利益 114.0億円、EPS 75.9円 IFRS ce
□2018年8月中 売上高 464億円、税前利益 62.5億円、EPS 41.8円 IFRS ce

2018
年2月期通期の売上高は前期比2.3%減の916億円、税前利益は同16.2%減の114.5

億円となり、減収減益となったものの概ね会社計画線の利益を確保しました。閉鎖済の

渋谷店・千葉店の売上が通期で剥落したほか、昨年8月に閉鎖した大津パルコの減少

が主な減収要因となっており、11月に出店した「Parco_ya」については飲食街を中心に

想定超で推移しているものの、閉鎖店の穴を埋めるには至りませんでした。一方、利益

に関しては、大津店の閉鎖損戻入やコスト削減により、予算上振れで着地しています。


進行期の2019年2月期通期の予算については、売上高が4.8%増の960億円、税前利益

は0.5%減の114.0億円を予想しています。「PARCO_ya」の通期稼働効果と、3月に原宿、

秋に三宮にゼロゲートが開業するほか、昨年京都・四条通り大丸横に開業した店舗の

下層階・路面店(※上層階はECC、叙々苑、コタが入居済)のリースアップによる増収が

期待されます。利益はほぼ横ばいとなりますが、これは設備投資額を年128→203億円

に積み増す影響が大きく、売上の伸びのわりに利益が伸びない予算となっています。


今期は新5年中計の2年目となっており、最終年度の2022年2月期に売上高1,214億円、

営業利益147億円を見込んでいます。比較起点となる2017年2月期末の営業利益が、

特殊要因でカサ増しされまくっていたので、伸びが緩慢に見えますが、この期の数値

をNon-GAAPで補正し、営業利益の伸び率を計算すると27.8%/5y、程度となります。


本中計のドライバーとなる出店に関しては、中計序盤は小型のゼロゲート店ばかりで、

前期業績・今期予想値を見ても明らかなとおり、進捗ペースはかなり遅い状況です。

大型のパイプラインである、新渋谷の開業は2019年秋口であり、サンエー(2659)と

合弁の浦添西海岸も2019年夏の開業予定のため、中計後半から業績にオンされる

形となります。また目玉案件である、大丸心斎橋店・北館(地下2階を含む合計9層)

も最終年度にかかる2021年春開業となっているため、達成は最後まで不透明です。

ちなみに、2019年秋口開業予定の川崎のさいか屋跡は僅か2層のみ(!!)のようです。
 

なお、当社は小売業ではなく‘不動産業’ですので、財務状況が気にかかりますが、

自己資本比率は40%台後半水準をキープしておりますので、新渋谷等の開発費用を

十分賄えるものと判断しています(オフィス保留床をヒューリックに売却するなど対策

もしています)。そのため、配当に関しては同業になりつつある丸井と比べるとかなり

渋い内容となっていますが、今期は減益予想ながら配当性向を30%超に引き上げて

23→24円へ増配予想を出してきたので、まぁこれが精一杯という感じなのでしょう。

 

*参考記事① 2017-12-04 1,572円 ---

大丸心斎橋店への出店はサプライズ、パルコ(8251)。

 

*参考記事② 2017-05-22 1,202円 ---

新5年中計はパイプライン不足の印象・パルコ(8251)。

 

 

会社四季報 

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 
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