好財務維持で、一部指定変更時の増資を回避(別途売出有り)、ジャパンミート(3539)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3539】ジャパンミート(東証1部)  --

現在値 2,028円/100株 PER19.7 PBR2.26 7月配当優待 1月配当

茨城中心に関東でスーパー展開。業務用スーパー「肉のハナマサ」も。
配当金は2月末・8月末の年2回、合計20円で、配当利回りは0.99%となります。

ジャパンミートは株主優待を実施しており、7月に単元株を保有する株主に対し、2,000

円分の自社精肉商品を進呈しておりますので、配当優待利回りは約1.98%となります。

業績を確認していきます。
■2016年7月期 売上高 958億円、経常利益 42.9億円 EPS 108円
■2017年7月期 売上高 1,037億円、経常利益 40.8億円 EPS 100.2円  

■2018年7月期 売上高 1,082億円、経常利益 45.4億円 EPS 104.1円  

■2019年7月期 売上高 1,110億円、経常利益 47.5億円 EPS 102.5円 ce 

□2019年1月中 売上高 560億円、経常利益 27.5億円 EPS 60.1円 四e

2018年7月期の売上高は前期比4.4%増の1,082億円、経常利益は同11.3%増の45.4億円

となり、増収増益に転じたほか、期初予想比でも大幅な増益を確保しました。主力のSM

事業については、台風等の影響で昨年8・10月が苦戦したほか、青果物市場の乱高下に

より前年より低調な時期が多かったものの、好調な年末商戦で持ち直し、既存店売上は

予算前提の100.9%に対して、ほぼ前年並みの99.5%を確保しました。一方、その他事業の

AATJ、AMSの子会社2社の業績貢献が大きく、特にAATJの“肉フェス”、“餃子フェス”の

来場者数が前年比25%増へ急拡大したため、全社利益を大きく押し上げました。

 

進行期である2019年7月期の通期予算については、売上高が1.6%増となる1,100億円、

経常利益は同4.5%増の47.5億円を予想しております。SM事業は実績期での出店が1店

(八王子)に留まったため上乗せ少なく、既存店売上高の前提も100.8%で置いています。

まだ今期の新規出店で“名有り”となっている店舗はない(新大久保店は翌2019年11月

予定)ものの、2~4店舗の出店を見込んでいます。また、好伸続くその他事業のAATJに

ついては、軽井沢・泉南・立川・埼玉といったより郊外・地方で開催を進める計画であり、

SM事業よりも高い成長モメンタムが維持される見通しです。
 

当社は中長期的な業績の定量目標を具体的に開示していませんが、業容拡大は得意

のMAによるところが大きく、2017年に“肉フェス”運営のAATJのほか、25企業・86店の

スーパーのレジ打ちなどの派遣業務請負をおこなうAMSを連結子会社化しています。

AMSは当社店舗からの業務受託は当たり前としても、モロに同業(?)の業務スーパーや、

紀伊国屋、北野エースといった高級スーパー、御徒町の吉池・多喜屋といった老舗から

も受注するなど受託の幅を広げており、AATJとAMSで合算して年4億円弱もののれん

償却が発生するものの、今のところ高い買収対価にあったMAが出来ていると思います。

(※期末ののれん残高は27億円あるため、解消までにあと8年程度かかるとみられます)

 

当社は2016年の東証2部市場上場時に約50億円を調達していますが、配当性向を20%

以下として財務を温存してきたこともあり、本年7月の東証1部への指定変更時には公募

増資はありませんでしたが、予想通り創業一族からの売り出しがありました(約39億円分

@2,207円)。一応、株価へのインパクトも考慮して、実績期では10円の記念配当を出して

年間30円配当としたものの、今期は早くも記念配を剥落させて年間20円へ逆戻りさせる

見込みとなっています。MAや工場などの設備投資にお金が要る会社なので、保守的に

財務温存しているとみられますが、さすがに自己資本比率6割は貯めすぎだと思います

ので、少なくとも今期は30円配当の復元に期待したいところではあります。

 

*参考記事① 2018-05-11 2,066円 --

多額ののれん償却こなし、今期業績も順調に進捗・ジャパンミート(3539)。

 

*参考記事② 2017-11-12 1,817円 --

前年の買収と大量出店反動で、今期は一服・ジャパンミート(3539)。

 

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 

基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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