好採算の図書館設計/施工伸長し、復配リーチか・丸善CHIホールディングス(3159)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3159】丸善CHIホールディングス(東証1部) --

現在値 343円/100株 PER26.4 PBR0.89 1月無配 7月株主優待

丸善とTRCが統合。ジュンク堂、雄松堂も参加。大日本印刷傘下。
無配が継続していますが、公表されている配当予想については“未定”となっています。

また丸善CHIは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する7月の株主に対し、

1,000円分の株主優待券を進呈しておりますので、優待利回りは約2.91%となります。

業績を確認していきます。
■2015年1月期 売上高 1,688億円、経常利益 18.9億円 EPS 9.1円 
■2016年1月期 売上高 1,751億円、経常利益 22.6億円 EPS 11.1円

■2017年1月期 売上高 1,784億円、経常利益 20.1億円 EPS 5.8円

■2018年1月期 売上高 1,783億円、経常利益 22.5億円 EPS▲3.5円 

■2019年1月期 売上高 1,750億円、経常利益 24.0億円 EPS 13.0円 ce
□2018年7月中 売上高 929億円、経常利益 22.3億円 EPS 18.9円(9/13) 

2018年7月中間の売上高は前年同期比0.6%増の929億円、経常利益は同25.7%増の22.3

億円となり、会社予算との比較はないものの、増収増益となりました。主力の文教販売に

おいて、大学図書館向けの什器設備納入・施工案件が増加したほか、図書館サポート事

業については総受託館数が期初比11館減となる1,354館へと減少したものの、解約が小

規模案件だった一方で、新規受注が大型案件だったため利益率が好伸しました。なお、

店舗・ネット販売事業については、関西地方を中心とした地震や豪雨の影響により赤字

へと転落したものの、全社業績への影響は限定的なものに留まりました。


2019年1月期の通期予算に関しては期初の予想を据え置いており、売上高が前期比1.9%

減の1,750億円、経常利益は6.4%増の24億円を計画しています。当社は文教販売事業の

行政・教育機関向けの納品が多く、業績は著しく上期偏重する傾向がありますが、既述の

通り今期は非常に順調な仕上がりとなっているため、予算を達成する公算が高そうです。

会社側は店舗・ネット事業の厳しい事業環境を理由に据え置いているようですが、上期

途中の4月より「Ponta」「dポイント」を導入して集客を強化していることなども踏まえると、

必要な手打ちがなされていることから、やはり会社側の見立てはコンサバと考えます。


当社は中長期計画を開示していないものの、利益柱である文教販売事業が今後の成長

ドライバーになるとみられ、従来の専門図書の一括販売よりも、図書館設計・(内装)建築

で数字を作っていくものとみられます。実際に大学図書館等の大型案件の受注が好調に

推移しているほか、本年2月にはセカンドアカデミーという大学公開講座の管理システム・

ポータルサイトの運営会社を子会社化し、大学周辺ビジネスへの関与を深めています。

なおこれまで業容拡大の数少ないドライバーとして機能してきた図書館サポート事業は、

受託館数がやや頭打ち気味となっており、案件の選別受注フェースに移行している印象

もあるため、当該セグは“金のなる木”としての位置付けへと変化したものとみられます。

 

当社はこれまで期初予算の未達傾向があったものの、既述のとおり今期は上振れ期待が

かかるほか、コンスタントに毎期20億円程度の利益を出していながら無配を継続してきた

こともあり、自己資本比率は3割に迫る水準まで回復してきています。そのため、ここ数期

に渡って期待されてきた復配がいよいよ射程に入ってきており、2019年1月で創業150年

あることも踏まえると、最悪記念配という形でも「1~2円」の復配が期待される状況です。

 

*参考記事① 2017-11-14 348円 --

今期未達圏も、そろそろ復配に期待・丸善CHIホールディングス(3159)。


*参考記事② 2015-10-19 352円 --

蔦谷の敵失で図書館受託伸長?丸善CHIホールディングス(3159)。

 

 

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