業績未達続くが、一部指定時の”抱き合わせPO”は回避・サニーサイドアップ(2180)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2180】サニーサイドアップ(東証二部) --

現在値 1,008円/100株 PER23.0 PBR4.06  6月配当 株主優待

企業PRや販促支援(SP)が主力。スポーツビジネス、飲食店等の開発も。
配当金は6月の年1回10円のため、配当利回りは約0.99%となります。

サニーサイドアップは株主優待制度を実施しており、6月末の単元株主に対して「bills」で

リコッタパンケーキ等のフードメニューとソフトドリンクの無料サービス券(2名分)を進呈し

ておりますので、4千円相当として計算した場合の配当優待利回りは、約4.96%となります。

業績を確認していきます。 
■2015年6月期 売上高 119億円、経常利益 0.8億円 EPS▲46.9円    
■2016年6月期 売上高 133億円、経常利益 2.3億円 EPS▲30.2円 
■2017年6月期 売上高 138億円、経常利益 4.9億円 EPS 41.6円 

■2018年6月期 売上高 135億円、経常利益 3.6億円 EPS 51.7円

■2019年6月期 売上高 150億円、経常利益 5.0億円 EPS 43.8円 ce

□2018年9月1Q 売上高  30.4億円、経常利益 1.7億円 EPS 17.3円(11/12)
□2018年12月中 売上高  76.7億円、経常利益 2.3億円 EPS 20.0円 ce

2018年6月期の売上高は前期比2.6%減の135億円、経常利益は同26.1%減の3.6億円となり、

期初予算を大幅に上回りました。主力のPR事業は前期の「GINZA SIX」や「京橋エドグラン」

といった大型商業施設の開業PRが剥落したものの、「上野フロンティアタワー」等の開業PR

受注もあり好調を維持しました。また、東京五輪に加え、ラグビーW杯を控えるスポーツ事業

や、外食事業の「bills」も国内・海外店舗の収益性が改善して堅調に推移したものの、販促

支援(SP)・MD事業だけは大型得意先の方針転換により、当該セグメントは売上高段階から

10億円近く予算をショートしたため、全社業績の足を引っ張った格好となりました。


進行期である2019年6月期の予算については、売上高が10.8%増の150億円、経常利益は

36.8%増の5.0億円と2桁を超える増収増益見込みとなっています。実績期では続落となった

SP・MD事業の反発が予想されるほか、スポーツ事業も東京五輪やラグビーW杯の開催時

期の接近により、更なる事業拡大が見込まれます。また、好調続く「bills」に関しては、昨年

11月に開業したJR大阪駅ビル「ルクアイーレ」の通期稼働が上乗せとなります。主力となる

PR事業についても、所謂“働き方改革”対策の一環として採用を進め、先行投資的に人件

費を膨らませてきた経緯があるため、受注体制強化による売上増が期待される状況です。

当社は毎年ローリング形式で中計を発表しており、最終的には2021年6月期に売上高265

億円・最終利益18.5億円の大目標の達成を目指していたものの、今回のローリングにより

丁度3年後となる2021年6月期の売上高を176億円、経常利益を7.3億に減額してきたため、

中計3ヵ年よりも長いスパンで設定していた大目標については、超絶未達公算となりました。

電通事件に端を発した広告代理店の“働きかた改革”による人件費増によるマイナス影響

は想定外としても、最近は単年度予算の未達傾向が継続しているため、当社中計は画餅

的であると言わざるをえず、信頼度が低いため全くアテにはなりません。

 

一応、会社側もかような状況を反省したのか、3年後に置き直した業績定量目標は保守化

させているほか、今期からは世界最大級の総合イベント会社である仏GLイベンツとの協業

により、グローバル案件の獲得に乗り出し、成長モメンタムが回復するような業容の拡大を

目指す目論見のようです。現時点では、はっきりと成長事業言えるドメインは「bills」くらいし

ない状況であるため、MA等を駆使した速やかな業容の拡大が強く望まれるところです。

 

なお株主還元については、今期も10円配当予想を据え置いております。実質無借金である

ものの、自己資本比率は3割を超える程度であり、増配についても慎重姿勢を崩していない

ことから、今後の資金需要のためにセーブしている印象がありました。そのため、上場市場

が東証2部であることや、2008年のIPO時の公募価格である@350円(分割修正済)を大きく

上回る株価水準にあること等を併せて考慮すると、指定変更時のPOが意識される状況で

したが、昨日の指定替え開示により“抱き合わせ”が無いことが明らかとなりました。これで

事実上増資リスクは後退したため、今期は改めて記念配の上乗せを期待する形となります。

 

*参考記事① 2017-10-12 839円 --

広告代理店は「働きかた改革」で一服か、サニーサイドアップ(2180)。

 

*参考記事② 2016-10-12 430円*分割修正済 --

「bills」を銀座・カルティエ最上階に出店、サニーサイドアップ(2180)。

 

 

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