【2180】サニーサイドアップ(東証JQG) --
現在値 839円/100株 PER18.9 PBR4.23 6月配当 株主優待
企業PRや販促支援(SP)が主力。スポーツビジネス、飲食店等の開発も。
配当金は6月の年1回10円で、配当利回りは約1.19%となります。
サニーサイドアップは株主優待制度を実施しており、6月末の単元株主に
対して「bills」でリコッタパンケーキ等のフードメニューとソフトドリンクの無
料サービス券(2名分)を進呈しておりますので、4,000円相当として計算した
場合の配当優待利回りは、おおよそ5.95%となります。
業績を確認していきます。
■2014年6月期 売上高 124億円、経常利益 1.5億円 EPS▲1.1円
■2015年6月期 売上高 119億円、経常利益 0.8億円 EPS▲46.9円
■2016年6月期 売上高 133億円、経常利益 2.3億円 EPS▲30.2円
■2017年6月期 売上高 138億円、経常利益 4.9億円 EPS 41.6円
■2018年6月期 売上高 144億円、経常利益 4.8億円 EPS 44.9円 ce
□2017年12月中 売上高 73.5億円、経常利益 1.4億円 EPS 13.6円 ce
2017年6月期の売上高は前期比3.7%増の138億円、経常利益は同2.1倍の
4.9億円となり、期初予算を大幅に上回りました。主力のPR事業は大型商
業施設である「GINZA SIX」や「京橋エドグラン」の開業時PRの受注により
続伸となったほか、東京五輪を控えるスポーツ事業や、外食事業の「bills」
に関しても海外店舗の収益性が改善し、両事業ともに売上高段階から2割
を超える大きな伸びを示しました。一方で、販促支援(SP)・MD事業だけは
前期の大型案件剥落により減収減益で足を引っ張る形となりました。
進行期である2018年6月期の予算については、売上高が3.4%増の143億円、
経常利益は▲4.0%減の4.7億円と減益見込みとなっています。前の期に伸
び悩んだSP・MD事業の反発が予想されるほか、東京五輪やラグビーW杯
によるスポーツ事業への追い風が期待されます。また、「bills」に関しても、
ハワイや韓国の採算性が向上しつつあるほか、11月にはJR大阪駅ビルの
「ルクアイーレ」への出店を控えているため、一段増が見込まれます。それ
でも減益となるのは、昨今の広告代理店の労働環境に関する風当たりも
一因なのか、会社側が「積極的な人材投資と、徹底した労働管理」という
方針を公表しているため、人件費の増加を見込んでいると推察されます。
当社は毎年ローリング形式で中計を発表しており、最終的には2021年6月
期に売上高265億円・最終利益18.5億円の達成、というかなり画餅的な水
準を目指しているものの、足許の向こう3年については現実味のある数字を
別で置いており、売上高は138→156億円(CAGR4%)・経常利益は4.9→8.1億
円(CAGR18%)と多少マイルドな伸びを予想しています。今回のローリングに
おいては定性的な内容で見るべきところは殆どなく、「bills」の新規出店に
よる成長くらいしか触れられていないため、当面は「働きかた改革」による人
材の育成や定着、会社組織の安定化を志向しているものと読み取れます。
なお株主還元については、今期も10円配当予想を据え置いており、これは
財務状況や伸び一服となる業績を鑑みるに妥当かと思われます。一方で、
「bills」食事券を進呈する株主優待に関しては、優待人数1→2名への拡充
や1:2の株式分割実施後も進呈基準を維持してきたため、「キャッシュアウト
はしたくないものの、株価水準は維持したい」という会社側のメッセージが
伝わってきます。マテリアルを読む限り、実は時価総額経営志向が高いよ
うな印象も受けるため、高値圏では注意が必要だと思われます。
*参考記事 2016-10-12 430円*分割修正済 --
「bills」を銀座・カルティエ最上階に出店、サニーサイドアップ(2180)。
新品価格 |
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。