キノコ狩りの季節はもうおしまい?/投資戦略アウトルック(2018.11.20)。 | なちゅの市川綜合研究所

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今年は例年に比べ、あまり調子が良くないまま一年が終わりそうな投資家さんが多いかと

思います。ここ数年はブログやツイッター、オフ会などで囁かれていた凄腕投資家さんの

銘柄に何となく相乗りすれば大体儲かりましたし、更に信用でレバレッジをかければ更に

儲かりましたが、今年はそのようなことはなく、各所で推奨されている銘柄の方がかえって

下げ幅が大きい・・・という“逆回転現象”が見られたことも特徴と言えそうです。

 

そもそも推奨される銘柄というのは、業績が右肩上がりだったり、飛躍期を迎えて業績変化

率が大きくなった(大きくなるであろう)銘柄が多いと思いますが、「業績が良い」ことと「株価

が上がる」ことは必ずしもイコールではありません。逆説的ですが、俗にアベノミクスと呼ば

れる過剰流動性相場は、「株価が上がる」こと自体を正当化するために、業績の良い銘柄

に資金が集中し、特に個人投資家に人気のある一部の銘柄ではその傾向が更に顕著とな

りました。そして今年、バブル化していた一部の銘柄ではそれが弾けたということだと思い

ます。要はカネ余りで好業績銘柄(成長株も同様)に集中して流れ込んでいた余分なカネ

流出し、少しずつ普段どおりの相場に戻りつつあるということだと考えています。

 

ただ、今この瞬間がその過剰流動性相場の終末期なのかどうかは私にもわかりませんし、

そんなことを予見する能力があるのであれば、サラリーマンなどしていないのですが(笑)、

日米ともに金利の上昇局面を迎えつつあることは事実であり、ゲームのルールが変わる

のだとすれば、やはり頭の切替は必要になってくると思います。大事なことなので再度言

いますが、「業績が良い」ことと「株価が上がる」ことは必ずしもイコールではありません。

余分なカネが無ければ株価など簡単には上がるものではないのです。高性能なスポーツ

カー選びに夢中になっても、ガソリンの供給がタイトなら全く意味はありませんし、むしろ

ガソリンが少ない世界においては、低燃費のプリウスの方が評価されるかもしれませんし、

そもそもガソリン車は全てスルーされ、電気自動車ばかりが選好されるかもしれません。

 

株価を決めるのは業績だけではありません。山の中でキノコ狩りに夢中になっているうち

気付いたら山火事に巻き込まれていた・・ということのないよう、気を付けたいものです。

 

 

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 

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