上場時調達資金を投じ、成長モメンタムの再加速を志向・グリーンズ(6547)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【6547】グリーンズ(東証1部) --

現在値 1,476円/100株 PER12.5 PBR1.95  6月配当 12月株主優待

三重県地盤。「コンフォートホテル」を全国展開。「グリーンズホテル」も。
配当金は6月の年1回20円で、配当利回りは約1.36%となります。

グリーンズは株主優待制度を実施しており、12月末現在の単元株主に対して、自社運営

施設で利用可能な優待券を2,000円分進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.72%

となります。

業績を確認していきます。 
■2015年6月期 売上高 224億円、営業利益 21.6億円 EPS 138円   
■2016年6月期 売上高 250億円、営業利益 22.7億円 EPS 129円 
■2017年6月期 売上高 260億円、営業利益 22.8億円 EPS 133円 

■2018年6月期 売上高 271億円、営業利益 19.0億円 EPS 93.6円 

■2019年6月期 売上高 310億円、営業利益 22.7億円 EPS 117円 ce

□2018年9月1Q 売上高  79.3億円、営業利益 9.7億円 EPS 51.1円(10/31)
□2018年12月中 売上高  150億円、営業利益 13.0億円 EPS 70.1円 四e

2018年6月期の売上高は前期比4.3%増の271億円、営業利益は同16.7%減の18.6億円で

の着地となり、増収を確保したものの2桁の減益となったほか、予算比も未達となりました。

チョイスホテルズ(CH)事業において、名古屋伏見(175室)、S新浦安(312室)、札幌(151室)、

伊勢(153室)の4棟の開業があったことや、レベニューマネジメントの推進によりRevPARは

5,679→5,849円に上昇させたことがトップラインを押し上げました。その一方、S新浦安が

大型アッパークラスの受注になることから、想定より人件費を積み増すなどしたため、経費

先行となり、営業利益予算は1億円程度ショートする格好となりました。


進行期である2019年6月期の予算については売上高が14.3%増の310億円、営業利益は

19.1%増の22.7億円を予想しています。今期のCH事業における新規開業予定は、新大阪

(150室)、宮崎(179室)、三宮(219室)、高知(167室)の4棟の開業を予定しているともに、

実績期に稼働開始した前述の4棟がフルに寄与します。なお、このうち新大阪以外の3棟

は9月前後の開業予定となっているため、1Qに出店経費が集中して乗ってくる見込です。

今期も引き続きADRコンシャスのレベニューマネジメントを採るものと推察され、CH事業で

OCC下限を83%程度として、ADRの引き上げを図るとみられます。

 

当社はローリング形式で3年中計を開示していますが、ローリング前の中計最終年度であ

る2020年6月期に売上高320億円、営業利益25.0億円を目指していましたが、今回の修正

で同年度の営業利益目標を1億円引き下げているため、事実上減額ローリングとなります。

ローリング後の2021年6月期の目標は、向こう3年間で売上高271→320億円(CAGR7.8%)

営業利益19.0→26.0億円(CAGR10.9%)へそれぞれ引き上げることとしており、基本的には

新規出店による外部成長が基本となりますが、今回新たに50億円の戦略投資枠を設定

しており、これによりIT・人材投資は勿論のこと、同業他社チェーンのMAや個店単位での

オペレーターチェンジを狙っていく方針です。当社は昨年のIPOで28億円を調達しており、

手元現金で借金を全てネットしている好財務体質(自己資本比率54.5%)ですので、体力に

モノを言わせて拡大していく戦略となります。


またこうした自助努力以外でも、出店についてはREIT/ファンドでのルートの新規出店が

継続的に期待出来ます。既存物件では、ケネディクス(4321)のホテルファンドや、星野リ

ゾート(3287)、いちごホテル(3463)、インヴィンシブル(8963)、JHR(8985)、みらい(3476)と

いったようにホテル特化型REITのみならず、総合型のファンドやREITの物件を受注して

いるため、賃料はシビアかもしれませんが、パイプラインはそれなりに充実しています。

 

一方、株主還元に関しては、前期の記念配込の20円配当を据え置く方針としています。

財務的にはかなり余裕があるものの、既述のとおり戦略投資に50億円も突っ込むため、

体力温存を優先しているとみられます。もう少し株主還元を手厚くしつつ、じっくり成長

するのかと思われましたが、ここにきて「3年以内に運営客室数で国内トップ10入り」とか

そういう野心的なスローガンをブチ上げだしたので、上場を機に再度ブーストをかけて、

成長モメンタムを高めたい意向があるものとみられます。

 

*参考記事① 2018-03-20 1,625円 --

虎の子の札幌物件売却で、オフバランス経営が鮮明・グリーンズ(6547)。

 

*参考記事② 2017-10-15 1,400円 --

優待導入も業績成長は外部要因次第か、グリーンズ(6547)。

 

 

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 

基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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