優待導入も業績成長は外部要因次第か、グリーンズ(6547)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【6547】グリーンズ(東証2部) --

現在値 1,400円/100株 PER14.1 PBR2.18  6月配当 12月株主優待

三重県地盤。「コンフォートホテル」を全国展開。「グリーンズホテル」も。
配当金は6月の年1回20円で、配当利回りは約1.43%となります。

グリーンズは株主優待制度を実施しており、12月末の単元株主に対して

自社運営施設で利用可能な優待券を2,000円分進呈しておりますので、

配当優待利回りは、約2.86%となります。

業績を確認していきます。 
■2014年6月期 売上高 218億円、営業利益 14.7億円 EPS ---円
■2015年6月期 売上高 224億円、営業利益 21.6億円 EPS 138円   
■2016年6月期 売上高 250億円、営業利益 22.7億円 EPS 129円 
■2017年6月期 売上高 260億円、営業利益 22.8億円 EPS 133円 

■2018年6月期 売上高 275億円、営業利益 20.1億円 EPS 98.7円 ce
□2017年12月中 売上高  145億円、営業利益 17.8億円 EPS 98.7円 四e

2017年6月期の売上高は前期比4.0%増の260億円、営業利益は同1.4%減

の22.8億円となり、本年3月の上場時の業績予想水準で着地となりました

チョイスホテルズ(CH)事業において、広島・岡山・博多といった200室級の

収容力を擁する西日本のホテルの宿泊需要が増加したほか、グリーンズ

ホテル(GH)事業に関しても三重・金沢が堅調に推移しました。なお、今期

は豊橋(132室)、東神田(188室)の2棟を新規開業しております。


進行期である2018年6月期の予算については、売上高が6.1%増の275億円

営業利益は▲12.6%減の20.1億円と減益見込みとなっています。CH事業に

おいて、名古屋伏見(175室)、S新浦安(312室)、札幌(151室)、伊勢(153室)

の4棟の開業を予定しているため増収見込みですが、開業費用が重く連続

減益となる見込みです。なお、ここ数年のCH事業のOCCは85%弱で推移し

ており、ADRは直近約6,700円でやや伸び悩んできたため、これらKPI数値

前提に関してはさほど見直ししていないものと推察されます。

 

当社は今般3年中計を発表しており、最終年度である3年後の2020年6月
期に売上高260→320億円、営業利益22.8→25.0億円を目指しています。
基本的には新規出店による成長シナリオとなり、来2019年6月期も既に
神戸三宮、宮崎、高知、新大阪の4棟が“名あり”となってます。そのほか
CHI社(本部)の持つCH以外の他ブランドによる展開や、2015年に買収した
ベストインのようなMAによる外部成長シナリオを描いているようです。

中計の成長モメンタムがかなり緩いような印象ですが、当社が基本的には
アセットを持たない専業オペレーターであることが一因となっています。事
実、今期出店予定の4棟のうち3棟についてはケネディクス(4321)のホテル
開発ファンドの物件であり、直近ではこうしたファンド・REIT物件が非常に
多くなっています。既存物件では、星野リゾート(3287)が3物件、いちごホテ
ル(3463)が5物件、インヴィンシブル(8963)が5物件、JHR(8985)が1物件と
かなり目立っています。要はファンド・REITの市況環境次第で新規の物件
供給が期待出来るものの、逆に言うとそこに当社の成長シナリオが依存し
てしまう部分があるので、自らで出店をコントロール出来るアメイズ(6076)
とは似て非なる存在です。また、現状は固定賃料比率が高い模様ですが、
ファンド物件は新規や契約更新の際には、(彼らにとって)アップサイドが期
待しやすい「変動賃料」形態として、事実上の賃借料引き上げを図ってくる
と推察されるため、利益の伸びがどうしても緩慢となる恐れがあります。
(※なお、ベストイン数棟もエリアリンク(8914)のような不動産会社が保有)

というわけで、専業オペレーターである当社はアメイズのような利益成長
や藤田観光やロイヤルホテルのような不動産価値もないので、正直見所
が限定的ではあります。が、逆に資金需要もあまりないので、現状2割程
度に留まる配当性向の大幅な引き上げ(今期は20円配当を据置予想)や、

全く目先を変えて、今般の株主優待の導入といった還元施策の拡充が

なされるようであれば、成長銘柄としての捉え方ではなく、配当・優待銘

柄として一定の買い需要が見込めるかもしれません。

 

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