「あさくま」に続き、「キッチンテクノ」にもIPO観測だが・・・テンポスHD(2751)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2751】テンポスホールディングス(東証JQスタンダード)  ---


現在値 2,146円/100株 PER18.3 PBR3.08 4月配当 株主優待あり

中古厨房機器のリサイクル販売で独壇場。ステーキの飲食店事業も展開
配当金は年1回・4月末に9円のため、配当利回りは0.42%となります。

テンポスバスターズは株主優待制度を導入しておりまして、単元株以上を保有する4月末

株主に対し、傘下の「ステーキのあさくま」等で使える8,000円相当の食事券を進呈しており

ますので、配当優待利回りは約4.14%となります。

業績を確認していきます。
■2015年4月期 売上高 235億円、経常利益 18.7億円 EPS 74.0円 
■2016年4月期 売上高 271億円、経常利益 21.2億円 EPS 98.6円  

■2017年4月期 売上高 274億円、経常利益 22.3億円 EPS 87.7円  

■2018年4月期 売上高 290億円、経常利益 21.2億円 EPS 52.0円  

■2019年4月期 売上高 323億円、経常利益 26.0億円 EPS 118.0円 ce 

□2018年7月1Q  売上高 73.7億円、経常利益 4.9億円 EPS 19.9円(9/11)
□2018年10月中 売上高 161億円、経常利益 13.0億円 EPS 59.0円 ce

2018年4月期の売上高は前期比5.8%増の290億円、経常利益は4.7%減の21.2億円となり、

売上予算は達成したものの、利益は予算未達となりました。主力の物販事業については

京都や立川、福岡といった大型店舗の改装を実施したほか、定番商品の導入を進めるこ

とで、機会損失を防ぎ増収を確保したものの、人件費の増加を吸収しきれませんでした。

また、「あさくま」を中心とする飲食事業については、6店を出店・3店を改装するなどして、

こちらも増収を確保したものの、改装に伴う営業休止や、減価償却費の増加、広告宣伝

費の積み増しなどが足を引っ張り、当該セグメントは減益での着地となっています。


進行期である2019年4月期の予算については、売上高は11.0%増の323億円、経常利益

は同22.3%増の26.0億円を見込んでいます。物販事業及び情報サービス事業の横断的

な取り組みとして、「ドクターテンポス」という、店舗運営総合コンサル業務を拡大させる

方針であり、この運営コンサルを常駐させた小型店を5~6店出店するほか、内装工事

等の専門店2店の出店を予想しています。また、年末に大阪のアパレル人材派遣会社

ディースパーク社を買収しており、利益僅少ながら、通年で18億円程度の売上高がオン

されるため、今期は予算通り2桁増収が見込まれます。飲食事業については「あさくま」

「やっぱりあさくま」を各5店出店する計画であり、新店出店による成長が軸となります。

 

ステーキ・ハンバーグといった“肉系外食”は昨年までは非常に好調でしたが、ペッパー

フードの「いきなりステーキ」をはじめとして、吉野家系やすかいらーく系、果てはワタミ

系など競合が激化しており、「いきなりステーキ」を名有りでベンチマークし、「あさくま」

の都心向け小型店である「やっぱりあさくま」を展開し始めた当社は、レッドオーシャンに

飛び込んでいった形となります。出店を継続しているため、あさくま社としての業績は、

売上高94億円、経常利益は9億円まで伸びておりますが、利益の伸びが停滞してきて

いるため、長きに渡り噂されているIPOにそろそろ踏み切らないと、バリュエーションが

落ちてしまうため、注意が必要です(※そもそも同社創業者に持分を握られているため、

当社の持分は57.5%しかなく、IPOになっても殆ど売り出さない可能性がある点は注意)。

 

ちなみにあさくま社の最終益を6億円と想定して、外食業界では標準的なマルチプルを

20倍として試算した場合、持分価値は約70億円弱となります。また、当社は無借金経営

を継続しており、手許現金も60億円ほど保有しているため、財務面ではかなりの余力を

残している状況です。そのため、既述のディースパーク社のようなMAを繰り出すことも

可能ですし、もう一つの“隠し玉”として、かつてはLIXIL傘下だったキッチンテクノ社にも

IPO観測が出ているため、売上も利益も規模が違うあさくま社よりはバリュエーションが

出ないと推察されるものの、現状は完全子会社ということもあり、相当程度の売出し

なされるため、当社自体はPOせずともMA原資がどんどん蓄積される格好となります。

なお、当社は森下一族のワンマンかつケチケチ社風のため、これだけ財務が優良かつ

更に良化する見込みがあっても、剰余金を余計に外部流出させる意向はなさそうであり、

MAの原資になることはあっても、株主還元のへと回る可能性は低いと思われますので、

あくまで業容拡大による業績成長に期待するグロース銘柄的な位置づけとなります。

*参考記事① 2017-09-26  1,932円 

何は無くとも“あさくま”上場待ち、テンポスバスターズ(2751)。

*参考記事② 2015-08-21  2,302円 --

昨日のカンブリア宮殿で特集、テンポスバスターズ(2751)。

 

 

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