転換期を迎える外食(優待)株投資。 | なちゅの市川綜合研究所

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去る9月27日に吉野家HDの業績下方修正があり、通期の営業利益予想41億円を30億円

減額し、11億円へ修正しました。原因は、既存店売上高の伸び悩みにくわえ、食材原価の

上昇や、人件費の上昇などの複合要因であり、肉の仕入値高騰といった吉野家個別事情

はあるものの、外食業界の構造苦が如実に表れた下方修正だったと考えております。

 

そもそも吉野家をはじめとする牛丼業界も、サイゼリヤや日高屋あたりもそうですが、基本

的には“デフレ下の外食ビジネス”であり、バイトの安い人件費を前提として成り立っている

ビジネスモデルですので、都内で時給1,000円位では人が全然取れない現状を踏まえると

かなり苦しくなることは想像に難くありません。勿論、値上げ出来ればよいのですが、先に

挙げたような外食業態は、消費者の脳内にメニューと値段がセットで深く深く刷り込まれて

しまっているので、大幅な値上げどころか、小幅な値上げすら至難の業と言えます。全品

280円から全品298円へと、わずか18円の値上げをした鳥貴族が苦戦していることからも

明らかなように、消費者はいまさら牛丼やドリアに400円を超える値段は出せないのです。

 

では外食(優待)投資家はどのように立ち回ったらいいのでしょうか。ヨシックスや串カツ田中

のような非常に数の少ない勝ち組銘柄を選好する手法もありますが、これら目下の勝ち組

とされる企業であっても、人件費や原材料費高は確実に効いてきますので、基本的に外食

(優待)銘柄には積極的に投資しない・・・というのが、今後のセオリーになろうかと思います。

 

ただ既に海外に進出していて、日本よりも高いメニュー値付けに成功させている銘柄などは

勝ち残りの目があると見ています。インバウンドが飛躍的に増えているため、今後は日本食

がアジア圏を中心にワールドワイドで広がっていく可能性は高く、上手くライセンス(FC)など

で展開出来れば、収支面は大きく改善する可能性があります。そういう面で、先掲の吉野家

やサイゼリヤなどは日本とはデフレ等与件や競争ルールが異なる海外で、既に実績のある

銘柄であり、足許の下方修正をだけを見て切って捨てるのは早計だと思います。大戸屋など

は日本食の筆頭格ですが、セントラルキッチンではなく店内調理のため急速な海外展開は

難しいと思いますが、逆に力の源のようなラーメンチェーンは急拡大が容易かと思います。

 

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